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植物人の国4
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次に案内してもらったのは幻想の森という場所で、ここには心を惑わすような香りを放つ植物が多種多様にあるらしい
ただ植物人にはこの香りは効果ないし、僕達精霊にも効果はない。それとハクラちゃんとクロハさんはその特性ゆえにレジストするみたい
まぁ彼女たちはもともと幻術系の力を持ってたから、それでなんだと思う
「ああ、いい香りの場所ですね。人間達がここに来たら多分死んじゃうでしょうけど・・・」
「ニーバちゃんは平気なの?」
「はい! 私はアヴァ様に特殊な魔法をかけてもらっているので、ちょっとクラッとする程度ですね」
「だ、大丈夫?」
「大丈夫ですよ。気持ちのいい感じですから」
ああ、酔っぱらってるみたいなものなのかな? お酒飲んだことないから分からないけど
でもまあ楽しそうだから大丈夫かな。変なことしそうになったら止めようっと
ふらふわと笑いながら案内してくれるニーバちゃん。なんだかこっちまで楽しくなってくる
で、ここの植物なんだけど、香りだけじゃなくて形も面白い
鳥のような形の花びらを持って、本当に飛んじゃう花や、竜のような形でアロマのブレスを吐くのツル状植物、ゆらゆらと動く木に、お酒を常に樹液として出している木などなど、とにかく不思議なものが多い
それらに見惚れていると、木の影に何か動くものを見つけた
ガサガサと小動物のように動いてたけど、その正体はハリネズミのような可愛い綿毛で、まるで自由に動く動物かのように・・・
あれ?この子動物?
いや違う、やっぱり植物だけど、ちゃんと自分の力で動いてる
しかも人懐っこいじゃない!
しゃがんでいた僕の股に顔を突っ込んできてスリスリしてる
「あこら!ポヤポヤ! 駄目じゃないそんなことしちゃ!」
ニーバちゃんが慌てるようにしてその子を抱きかかえた
ああ、もうちょっとモフモフしてたかったのに
「ごめんなさい精霊様、この子女性と見ると直ぐ股に顔を突っ込んじゃうんです」
「あはは、モフモフで可愛いからそのくらいどうってことないよ」
このポヤポヤという植物はその行動がほとんどハリネズミと同じみたいで、大きさは猫くらい
習性としては女性の股に顔を突っ込んでくるんだけど、どうやら女性特有の魔力をそこから吸収してるみたい
まぁそのくらいなら全然かまわないんだけどね
「ほら、もう行きなさい」
ニーバちゃんがポヤポヤをそっと地面に降ろすと、ターッと走って行ってしまった
あんな植物がいるなんて、さすが植物人の国ってとこだね
気持ちいいアロマの香り(注意、抵抗力がないと有毒有害です)に包まれながらそよ風ふくなか不思議植物を見て回る
「あ、精霊様、この花の香りを嗅いでみてください」
「うん」
ニーバちゃんが地面から生えている小さな花を指さした
大きさは手指の爪くらいの小さな白い花なんだけど、その香りは濃厚で甘ーい香り
バニラのような、フルーツのような、お香のような香り
「これは香料にも使われるサレダニアという花なのです。しかもこの花、摘んで水を毎日取り換えて上げれば数ヵ月もいい香りを出し続けるのです。ただそれ故に乱獲されてしまったので、今ではこの国と精霊の国、妖精の国にしかないのです」
「そか、じゃあもっと増やしてあげないとね」
「はい!」
サレダニアという花は名前だけ聞いたことがあった
一応精霊だからそういった絶滅危惧種の把握もしておかないといけないからね
もちろん精霊の国にある花畑で栽培されてるよ
でもここの方が生き生きしてる
きっと植物人たちの方が育てるのが上手いからだね
幻想の森を抜けて開けた場所にでた
そこにはたくさんの植物人がいて、畑を作ってるみたい。でも作物じゃなくて花や木々を植えて育ててるようだね
その中央あたりに大きな木があった
「この木ってもしかして」
「はい! 世界樹の幼木です!」
世界樹と言えばエルフたちのとこにある木だ。それの幼木
幼木なのにもうビルより高いんだからびっくりだよ
「もうすぐ世代交代の時期なんだそうです。今エルフの国にある世界樹は役割を終えて、新しいこの世界樹が新たな役割を得るのです。もう少し育てばエルフの国へと運ばれるんですよ」
「この子を、運ぶの・・・?」
「はい、アヴァ様は植物の扱いに非常に長けていますので、いともたやすく移動させれるんですよ。どうやってるか知りたいですか?」
口元を抑えていたずらっ子のような表情を浮かべるニーバちゃんが可愛すぎる! 妹にしたい!
「う、うん、知りたいかな」
「それはですね! 自らの意思で歩かせるのです!」
「なんと!」
これは驚いた。植物は普通は歩けない
植物人とかトレント、アルラウネなんていう歩ける植物もいるけど、アヴァさんは植物に特殊な魔法をかけることで歩かせれるらしい
まぁかなり短時間な上に、自分には掛けれなかったっていう欠点はあるけどね
ここからエルフの国までは僕らでも歩いて一時間ほど
そのくらいの距離なら十分歩かせれるみたいだ
アヴァさんすっご・・・
ただ植物人にはこの香りは効果ないし、僕達精霊にも効果はない。それとハクラちゃんとクロハさんはその特性ゆえにレジストするみたい
まぁ彼女たちはもともと幻術系の力を持ってたから、それでなんだと思う
「ああ、いい香りの場所ですね。人間達がここに来たら多分死んじゃうでしょうけど・・・」
「ニーバちゃんは平気なの?」
「はい! 私はアヴァ様に特殊な魔法をかけてもらっているので、ちょっとクラッとする程度ですね」
「だ、大丈夫?」
「大丈夫ですよ。気持ちのいい感じですから」
ああ、酔っぱらってるみたいなものなのかな? お酒飲んだことないから分からないけど
でもまあ楽しそうだから大丈夫かな。変なことしそうになったら止めようっと
ふらふわと笑いながら案内してくれるニーバちゃん。なんだかこっちまで楽しくなってくる
で、ここの植物なんだけど、香りだけじゃなくて形も面白い
鳥のような形の花びらを持って、本当に飛んじゃう花や、竜のような形でアロマのブレスを吐くのツル状植物、ゆらゆらと動く木に、お酒を常に樹液として出している木などなど、とにかく不思議なものが多い
それらに見惚れていると、木の影に何か動くものを見つけた
ガサガサと小動物のように動いてたけど、その正体はハリネズミのような可愛い綿毛で、まるで自由に動く動物かのように・・・
あれ?この子動物?
いや違う、やっぱり植物だけど、ちゃんと自分の力で動いてる
しかも人懐っこいじゃない!
しゃがんでいた僕の股に顔を突っ込んできてスリスリしてる
「あこら!ポヤポヤ! 駄目じゃないそんなことしちゃ!」
ニーバちゃんが慌てるようにしてその子を抱きかかえた
ああ、もうちょっとモフモフしてたかったのに
「ごめんなさい精霊様、この子女性と見ると直ぐ股に顔を突っ込んじゃうんです」
「あはは、モフモフで可愛いからそのくらいどうってことないよ」
このポヤポヤという植物はその行動がほとんどハリネズミと同じみたいで、大きさは猫くらい
習性としては女性の股に顔を突っ込んでくるんだけど、どうやら女性特有の魔力をそこから吸収してるみたい
まぁそのくらいなら全然かまわないんだけどね
「ほら、もう行きなさい」
ニーバちゃんがポヤポヤをそっと地面に降ろすと、ターッと走って行ってしまった
あんな植物がいるなんて、さすが植物人の国ってとこだね
気持ちいいアロマの香り(注意、抵抗力がないと有毒有害です)に包まれながらそよ風ふくなか不思議植物を見て回る
「あ、精霊様、この花の香りを嗅いでみてください」
「うん」
ニーバちゃんが地面から生えている小さな花を指さした
大きさは手指の爪くらいの小さな白い花なんだけど、その香りは濃厚で甘ーい香り
バニラのような、フルーツのような、お香のような香り
「これは香料にも使われるサレダニアという花なのです。しかもこの花、摘んで水を毎日取り換えて上げれば数ヵ月もいい香りを出し続けるのです。ただそれ故に乱獲されてしまったので、今ではこの国と精霊の国、妖精の国にしかないのです」
「そか、じゃあもっと増やしてあげないとね」
「はい!」
サレダニアという花は名前だけ聞いたことがあった
一応精霊だからそういった絶滅危惧種の把握もしておかないといけないからね
もちろん精霊の国にある花畑で栽培されてるよ
でもここの方が生き生きしてる
きっと植物人たちの方が育てるのが上手いからだね
幻想の森を抜けて開けた場所にでた
そこにはたくさんの植物人がいて、畑を作ってるみたい。でも作物じゃなくて花や木々を植えて育ててるようだね
その中央あたりに大きな木があった
「この木ってもしかして」
「はい! 世界樹の幼木です!」
世界樹と言えばエルフたちのとこにある木だ。それの幼木
幼木なのにもうビルより高いんだからびっくりだよ
「もうすぐ世代交代の時期なんだそうです。今エルフの国にある世界樹は役割を終えて、新しいこの世界樹が新たな役割を得るのです。もう少し育てばエルフの国へと運ばれるんですよ」
「この子を、運ぶの・・・?」
「はい、アヴァ様は植物の扱いに非常に長けていますので、いともたやすく移動させれるんですよ。どうやってるか知りたいですか?」
口元を抑えていたずらっ子のような表情を浮かべるニーバちゃんが可愛すぎる! 妹にしたい!
「う、うん、知りたいかな」
「それはですね! 自らの意思で歩かせるのです!」
「なんと!」
これは驚いた。植物は普通は歩けない
植物人とかトレント、アルラウネなんていう歩ける植物もいるけど、アヴァさんは植物に特殊な魔法をかけることで歩かせれるらしい
まぁかなり短時間な上に、自分には掛けれなかったっていう欠点はあるけどね
ここからエルフの国までは僕らでも歩いて一時間ほど
そのくらいの距離なら十分歩かせれるみたいだ
アヴァさんすっご・・・
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