386 / 1,022
猿人族の国7
しおりを挟む
全狒々を倒し終えたところでようやく扉が開いた
少し休んでから僕らは扉をくぐった
扉の先にはそれはそれは見事な雪景色が広がっていて、ハクラちゃんが白いオーラを纏い始めた
「雪は私を強化してくれるんです。どんどん力が高まっていますよ!」
「ホントだ、神力もなんかすごいことになってる気がする」
「確かに、周囲が歪むほどの力になてるネ。その特殊な能力は鬼神になてからなのカ?」
「いえ、これは生まれつきですね。私達鬼仙や鬼人は色にまつわる能力を持っていることが多いのですが、例えば赤鬼のアカネなら炎、黄鬼のキキなら雷、青鬼ソウカなら風といったように、様々な能力があるんです。あ、あとお姉ちゃんは闇ですね。闇と言っても結構万能で、闇の炎やブラックホールのようなものも作り出せますね」
「ほえー、あなたのおねさんヤバそネ」
「そうだね、怒らせたりハクラちゃんのこととなるととんでもないことになるかも」
「妹思いなんですよ」
「妹重いの間違いじゃないかネ?」
「な!? 失礼ですね! 失礼ですね!」
ハクラちゃんはぷんぷんと怒っているけど、ハクラちゃんをからかえて満足そうなルカナさんを見て怒る気を無くしたらしい
それからふぅとため息をついて歩き始めた
幸いにも吹雪いてないから歩きやすい
まぁ吹雪いたとしても僕が止めるけどね
あ、でもここ迷宮だからできないのかも
「ねぇ、これって、どこに向かえばいいんだろう」
「あ、確かにそうですね、扉からまっすぐ歩いてきましたけど、指針が示されてませんね。どこに行けばいいんでしょうかね?」
「うーん、目印もないヨ」
参った、とりあえずまっすぐ進んでるけど目的地が分からないしなにか導になるようなものもないし、手づまり?
いや、ちょっと空を飛んでみるかな?
僕は魔力を込める
よかった、ここは空が飛べるみたいだ
「ハクラちゃん、飛べそうだよ」
「はい! 私も飛びます。ルカナさん、掴まってください」
「私精霊様がいいヨ」
「あなたは精霊様に変なことをしそうなので駄目です」
「えー、せかくチャンスと思たのに」
「ほら早く掴まってください」
「わかたヨ。こちで我慢するネ」
ルカナさんはそういうとハクラちゃんのお尻を思いっきり鷲掴みにした
「キャアアア! 何してるんですか!」
「私姫もイケるヨ。むしろ好物ネ」
「もう歩いてください」
「ままま待てヨ! 冗談、冗談ネ。いやちょと本気だけどもうしないヨ!」
ハクラちゃんに必死で謝ってようやく機嫌を直してもらってる
全くこの人は
「ねぇハクラちゃん、あっちの方に何か光ってるよ」
「そっちに行ってみましょう!」
現在地から遥か東に何か赤く光るものが見えたのでそちらの方向へ飛んだ
歩きならかなりの距離だったろうけど、空から行けばすぐだった
で、赤く光っているのは次の階層への扉で、その天井部にあるランプが光ってたんだ
ただ扉自体は開いてなくて、押しても引いても駄目
「これって何か条件を達成すれば開くんですかね?」
「そみたいヨ。さっきのとこも狒々全部倒したら開いたネ」
「じゃぁさっきみたいに何か倒さないといけないのかな?」
「そだと思うヨ」
何か見落としてないか思い出していると、突然地鳴りがして遠くの方から雪煙が上がり、何かが走ってきているのが見えた
お、大きい! かなりの大きさの何かだ
「あれって魔物?」
「そうですね」
「あんな大きい魔物、倒すの?」
「そうネ」
大きな、それこそ小山ほどもある白いゴリラ?
それがいきなり腕を振り下ろしてきた
「これはイエティネ。でもこのサイズ、明らかに普通じゃないヨ!」
「イエティ!? 初めて見た」
「悠長なこと言ってる場合じゃないです! また攻撃が来ます!」
がんがんとまるでゴキブリをつぶすかのように怒涛の攻撃が迫る
僕らはその攻撃をよけながら攻撃を開始した
僕は魔法で、ハクラちゃんは神力と刀で、ルカナさんは雷を纏った如意棒でそれぞれ攻撃
ルカナさんの雷が一番効いてるみたいだ
それならと、僕も雷系の魔法に切り替えてとにかく足を攻撃した
なかなかダメージを与えられないけど、少しずつ痺れさせてようやく膝をつかせた
「今ヨ!」
「鬼仙剣術極! 白式小円、天!」
刀で小さな円を描くようにして前を切ると、そこの空間に穴が開いた
というより空間ごとイエティの腹部に穴が開いてる
「姫すごいネ。これほどの剣技、なかなかお目にかかれないヨ!」
「褒めても何も出ませんよ」
「ちっ、あわよくばお尻もみもみできると思たノニ」
「やめてくださいそういうの!」
この人は、セクハラせずにはいられないんだろうか?
あとでワスカさんに叱ってもらっておこう
まぁここから生きて出られたらだけど
この先もこんな強敵が出るかもしれないし
でもどうしたんだろう? しばらく待ってるけど一向に扉が開かない
もしかしてまだ条件を達成してないのかな?
それからまた待ってみたけど、全然開かないからもう一度空を飛んで周囲を見渡してみた
するとまた地鳴りがして、今度は三匹の巨大イエティが走って来た
少し休んでから僕らは扉をくぐった
扉の先にはそれはそれは見事な雪景色が広がっていて、ハクラちゃんが白いオーラを纏い始めた
「雪は私を強化してくれるんです。どんどん力が高まっていますよ!」
「ホントだ、神力もなんかすごいことになってる気がする」
「確かに、周囲が歪むほどの力になてるネ。その特殊な能力は鬼神になてからなのカ?」
「いえ、これは生まれつきですね。私達鬼仙や鬼人は色にまつわる能力を持っていることが多いのですが、例えば赤鬼のアカネなら炎、黄鬼のキキなら雷、青鬼ソウカなら風といったように、様々な能力があるんです。あ、あとお姉ちゃんは闇ですね。闇と言っても結構万能で、闇の炎やブラックホールのようなものも作り出せますね」
「ほえー、あなたのおねさんヤバそネ」
「そうだね、怒らせたりハクラちゃんのこととなるととんでもないことになるかも」
「妹思いなんですよ」
「妹重いの間違いじゃないかネ?」
「な!? 失礼ですね! 失礼ですね!」
ハクラちゃんはぷんぷんと怒っているけど、ハクラちゃんをからかえて満足そうなルカナさんを見て怒る気を無くしたらしい
それからふぅとため息をついて歩き始めた
幸いにも吹雪いてないから歩きやすい
まぁ吹雪いたとしても僕が止めるけどね
あ、でもここ迷宮だからできないのかも
「ねぇ、これって、どこに向かえばいいんだろう」
「あ、確かにそうですね、扉からまっすぐ歩いてきましたけど、指針が示されてませんね。どこに行けばいいんでしょうかね?」
「うーん、目印もないヨ」
参った、とりあえずまっすぐ進んでるけど目的地が分からないしなにか導になるようなものもないし、手づまり?
いや、ちょっと空を飛んでみるかな?
僕は魔力を込める
よかった、ここは空が飛べるみたいだ
「ハクラちゃん、飛べそうだよ」
「はい! 私も飛びます。ルカナさん、掴まってください」
「私精霊様がいいヨ」
「あなたは精霊様に変なことをしそうなので駄目です」
「えー、せかくチャンスと思たのに」
「ほら早く掴まってください」
「わかたヨ。こちで我慢するネ」
ルカナさんはそういうとハクラちゃんのお尻を思いっきり鷲掴みにした
「キャアアア! 何してるんですか!」
「私姫もイケるヨ。むしろ好物ネ」
「もう歩いてください」
「ままま待てヨ! 冗談、冗談ネ。いやちょと本気だけどもうしないヨ!」
ハクラちゃんに必死で謝ってようやく機嫌を直してもらってる
全くこの人は
「ねぇハクラちゃん、あっちの方に何か光ってるよ」
「そっちに行ってみましょう!」
現在地から遥か東に何か赤く光るものが見えたのでそちらの方向へ飛んだ
歩きならかなりの距離だったろうけど、空から行けばすぐだった
で、赤く光っているのは次の階層への扉で、その天井部にあるランプが光ってたんだ
ただ扉自体は開いてなくて、押しても引いても駄目
「これって何か条件を達成すれば開くんですかね?」
「そみたいヨ。さっきのとこも狒々全部倒したら開いたネ」
「じゃぁさっきみたいに何か倒さないといけないのかな?」
「そだと思うヨ」
何か見落としてないか思い出していると、突然地鳴りがして遠くの方から雪煙が上がり、何かが走ってきているのが見えた
お、大きい! かなりの大きさの何かだ
「あれって魔物?」
「そうですね」
「あんな大きい魔物、倒すの?」
「そうネ」
大きな、それこそ小山ほどもある白いゴリラ?
それがいきなり腕を振り下ろしてきた
「これはイエティネ。でもこのサイズ、明らかに普通じゃないヨ!」
「イエティ!? 初めて見た」
「悠長なこと言ってる場合じゃないです! また攻撃が来ます!」
がんがんとまるでゴキブリをつぶすかのように怒涛の攻撃が迫る
僕らはその攻撃をよけながら攻撃を開始した
僕は魔法で、ハクラちゃんは神力と刀で、ルカナさんは雷を纏った如意棒でそれぞれ攻撃
ルカナさんの雷が一番効いてるみたいだ
それならと、僕も雷系の魔法に切り替えてとにかく足を攻撃した
なかなかダメージを与えられないけど、少しずつ痺れさせてようやく膝をつかせた
「今ヨ!」
「鬼仙剣術極! 白式小円、天!」
刀で小さな円を描くようにして前を切ると、そこの空間に穴が開いた
というより空間ごとイエティの腹部に穴が開いてる
「姫すごいネ。これほどの剣技、なかなかお目にかかれないヨ!」
「褒めても何も出ませんよ」
「ちっ、あわよくばお尻もみもみできると思たノニ」
「やめてくださいそういうの!」
この人は、セクハラせずにはいられないんだろうか?
あとでワスカさんに叱ってもらっておこう
まぁここから生きて出られたらだけど
この先もこんな強敵が出るかもしれないし
でもどうしたんだろう? しばらく待ってるけど一向に扉が開かない
もしかしてまだ条件を達成してないのかな?
それからまた待ってみたけど、全然開かないからもう一度空を飛んで周囲を見渡してみた
するとまた地鳴りがして、今度は三匹の巨大イエティが走って来た
0
お気に入りに追加
113
あなたにおすすめの小説
あなたの冒険者資格は失効しました〜最強パーティが最下級から成り上がるお話
此寺 美津己
ファンタジー
祖国が田舎だってわかってた。
電車もねえ、駅もねえ、騎士さま馬でぐーるぐる。
信号ねえ、あるわけねえ、おらの国には電気がねえ。
そうだ。西へ行こう。
西域の大国、別名冒険者の国ランゴバルドへ、ぼくらはやってきた。迷宮内で知り合った仲間は強者ぞろい。
ここで、ぼくらは名をあげる!
ランゴバルドを皮切りに世界中を冒険してまわるんだ。
と、思ってた時期がぼくにもありました…
攫われた聖女~魔族って、本当に悪なの?~
月輪林檎
ファンタジー
人々を恐怖に陥れる存在や魔族を束ねる王と呼ばれる魔王。そんな魔王に対抗できる力を持つ者を勇者と言う。
そんな勇者を支える存在の一人として、聖女と呼ばれる者がいた。聖女は、邪な存在を浄化するという特性を持ち、勇者と共に魔王を打ち破ったとさえ言われている。
だが、代が変わっていく毎に、段々と聖女の技が魔族に効きにくくなっていた……
今代の聖女となったクララは、勇者パーティーとして旅をしていたが、ある日、勇者にパーティーから出て行けと言われてしまう。
勇者達と別れて、街を歩いていると、突然話しかけられ眠らされてしまう。眼を覚ました時には、目の前に敵である魔族の姿が……
人々の敵である魔族。その魔族は本当に悪なのか。クララは、魔族と暮らしていく中でその事について考えていく。
転生貴族の異世界無双生活
guju
ファンタジー
神の手違いで死んでしまったと、突如知らされる主人公。
彼は、神から貰った力で生きていくものの、そうそう幸せは続かない。
その世界でできる色々な出来事が、主人公をどう変えて行くのか!
ハーレム弱めです。
俺と幼女とエクスカリバー
鏡紫郎
ファンタジー
憧れた世界で人をやめ、彼女と出会い、そして俺は初めてあたりまえの恋におちた。
見知らぬ少女を助け死んだ俺こと明石徹(アカシトオル)は、中二病をこじらせ意気揚々と異世界転生を果たしたものの、目覚めるとなんと一本の「剣」になっていた。
最初の持ち主に使いものにならないという理由であっさりと捨てられ、途方に暮れる俺の目の前に現れたのは……なんと幼女!?
しかもこの幼女俺を復讐のために使うとか言ってるし、でもでも意思疎通ができるのは彼女だけで……一体この先どうなっちゃうの!?
剣になった少年と無口な幼女の冒険譚、ここに開幕
ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ
高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。
タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。
ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。
本編完結済み。
外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。
異世界転生してしまったがさすがにこれはおかしい
増月ヒラナ
ファンタジー
不慮の事故により死んだ主人公 神田玲。
目覚めたら見知らぬ光景が広がっていた
3歳になるころ、母に催促されステータスを確認したところ
いくらなんでもこれはおかしいだろ!
オタクおばさん転生する
ゆるりこ
ファンタジー
マンガとゲームと小説を、ゆるーく愛するおばさんがいぬの散歩中に異世界召喚に巻き込まれて転生した。
天使(見習い)さんにいろいろいただいて犬と共に森の中でのんびり暮そうと思っていたけど、いただいたものが思ったより強大な力だったためいろいろ予定が狂ってしまい、勇者さん達を回収しつつ奔走するお話になりそうです。
投稿ものんびりです。(なろうでも投稿しています)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる