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猿人族の国1
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ところ変わって僕らは猿人族の国へとやって来ていた
猿人族というのは獣人族の一種で、猿型の獣人がたくさん住んでいる
もちろん他の獣人や獣人以外も住んでいるけど、圧倒的に数が多い
中でも多いのがチンパンジー型の猿人族で、エルフと同じくらい魔法に長けているらしい
そんな猿人族の国で早速何をしているのかというと、この国の料理を堪能していた
なんてったってここは食へのこだわりがすごくて、中華のような料理、焼き肉屋、外で食べれるタイプのバーベキュー屋、日本食屋(中を見てみたら日本人らしき料理長が猿人族の料理人見習いたちを指導していた)、ちょっとした定食屋なんて石を投げたら当たるくらいに多かった
これはもう、おいしいもの巡りをするに決まってるじゃない
ハクラちゃんも精神生命体になってからお腹がすかず、何も食べていなかったらしいし
精神生命体は空中や自然から魔力を吸収して生きてるからね
ともかく、まずは目についた食堂へと入ってみたんだ
席についてすぐメニューを開く
「精霊様、私このハシュビ鳥のから揚げ定食というものを食べてみたいです。ほら、おいしそうな絵がかいてありますよ」
「じゃあ僕はこの野菜たっぷりマストマ牛のテールシチューセットにしようかな。なになに、手作りパンと一緒にどうぞだって!」
「ああ、それもよさそうですねぇ」
ハクラちゃんは生身だったらよだれが垂れそうなほどふやけた顔をしてる
かくいう僕も同じようにとろけてたと思う
だってこの定食屋の香り、食欲を誘ってて、この香りだけでご飯が食べれそうなんだもん
「では注文しますね。すいませーん!」
「はーい!」
元気なメガネザルのような大きな黒縁眼鏡をかけた、可愛らしい猿人の女性が小走りでこっちに来る
その子はエプロンから紙と鉛筆を取り出した
「ご注文をどうぞ!」
「えっと、私はこのハシュビ鳥のから揚げ定食をお願いします!」
「僕はこのマストマ牛のテールシチューセットで」
「はい! そのシチューのセットなのですが、パンが選べまして、こちらのガーリックパン、チーズパン、米粉パン、野菜の練り込まれたパンから選べますよ!」
「えっとえっと、じゃあこの野菜の練り込まれたやつで」
「はい!」
野菜の練り込まれたパンなんて食べたことないや
シチューに合いそうだね
ハクラちゃんは他の席についてる人達が食べてるものを見て、うっとりしてる
「ああ、この体でも食事ができるとは思いませんでしたよ。お姉ちゃんにも報告しないといけませんねぇ」
「うんうん、それにしても、精神生命体の体って不思議だよね。魔力だけでも生きていけるのに、こうやって食事できるんだから」
「ですねぇ。神様に感謝です」
そうこうしているうちにまず僕のシチューセットが運ばれてきた
うーんいい匂い! 大きな牛の骨付きテールが入っててワイルド
それに大きめに切られた野菜がゴロゴロ入ってる
早速スプーンですくって一口
野菜の甘みとシチューのしょっぱさがうまく調和してて、体が芯からあっためられる感じかな
それにパンをつけて食べてみる
野菜パンはほんのり甘くて、色はうっすら緑色だ
でね、やっぱりシチューにものすごく合うんだよこれが
ああ、幸せ
そんな幸せをテールと一緒に噛みしめていると、ハクラちゃんのから揚げ定食が運ばれてきた
から揚げは揚げたてみたいで、まだ少しジュゥジュゥと音が聞こえる
ニンニク醤油につけてから揚げてるらしくて、食欲がマックスになったハクラちゃんは箸を持った途端がっつき始めた
口に添えてあったマヨネーズをつけながらね
可愛いけど、今の見た目だと大人げなく見えてしまう…
いやまぁ胸はそのなんていうか、行動通りの大きさなんだけど
これ、本人には絶対言えないね
そう言えばクロハさんにも
「ハクラ、一応姫なのだからもっとおしとやかに」って怒られてたっけ
うん、ここは僕も一応注意しておこう
「ハクラちゃん、もうちょっとおしとやかに。クロハさんが見たらなんて言うか」
「んぐむ、ゴクン。そ、そうですね、申し訳ありません精霊様。で、でも普段はちゃんとマナーを守ってるんですよ? ここのから揚げがあまりにも美味しすぎたので」
慌てて飲み込んで、口のマヨネーズをぬぐってる
その後はすっかりおしとやかで、威厳のある食べ方で食べ進めていった
その姿は周りの目を引くようで、お客さんは食べる手を止めてジッと、そしてうっとりと、男性も女性も若男女全てがそのハクラちゃんの食べてる様子を眺めていた
こうしてればハクラちゃんって驚くほど美しいんだよね
神がかってると言うか、女神のような美しさって言うのかな? 絵になるんだよね
僕も見惚れてる場合じゃないね
手元でいまだ温かいシチューをスプーンですくってゆっくりと平らげた
丁度同時に僕とハクラちゃんは食べ終えて店を後にした
うん、また来ようって思える店が増えたね
さて、目的はここにある迷宮だ
その最奥で猿神エコ様が待ってる
猿人族というのは獣人族の一種で、猿型の獣人がたくさん住んでいる
もちろん他の獣人や獣人以外も住んでいるけど、圧倒的に数が多い
中でも多いのがチンパンジー型の猿人族で、エルフと同じくらい魔法に長けているらしい
そんな猿人族の国で早速何をしているのかというと、この国の料理を堪能していた
なんてったってここは食へのこだわりがすごくて、中華のような料理、焼き肉屋、外で食べれるタイプのバーベキュー屋、日本食屋(中を見てみたら日本人らしき料理長が猿人族の料理人見習いたちを指導していた)、ちょっとした定食屋なんて石を投げたら当たるくらいに多かった
これはもう、おいしいもの巡りをするに決まってるじゃない
ハクラちゃんも精神生命体になってからお腹がすかず、何も食べていなかったらしいし
精神生命体は空中や自然から魔力を吸収して生きてるからね
ともかく、まずは目についた食堂へと入ってみたんだ
席についてすぐメニューを開く
「精霊様、私このハシュビ鳥のから揚げ定食というものを食べてみたいです。ほら、おいしそうな絵がかいてありますよ」
「じゃあ僕はこの野菜たっぷりマストマ牛のテールシチューセットにしようかな。なになに、手作りパンと一緒にどうぞだって!」
「ああ、それもよさそうですねぇ」
ハクラちゃんは生身だったらよだれが垂れそうなほどふやけた顔をしてる
かくいう僕も同じようにとろけてたと思う
だってこの定食屋の香り、食欲を誘ってて、この香りだけでご飯が食べれそうなんだもん
「では注文しますね。すいませーん!」
「はーい!」
元気なメガネザルのような大きな黒縁眼鏡をかけた、可愛らしい猿人の女性が小走りでこっちに来る
その子はエプロンから紙と鉛筆を取り出した
「ご注文をどうぞ!」
「えっと、私はこのハシュビ鳥のから揚げ定食をお願いします!」
「僕はこのマストマ牛のテールシチューセットで」
「はい! そのシチューのセットなのですが、パンが選べまして、こちらのガーリックパン、チーズパン、米粉パン、野菜の練り込まれたパンから選べますよ!」
「えっとえっと、じゃあこの野菜の練り込まれたやつで」
「はい!」
野菜の練り込まれたパンなんて食べたことないや
シチューに合いそうだね
ハクラちゃんは他の席についてる人達が食べてるものを見て、うっとりしてる
「ああ、この体でも食事ができるとは思いませんでしたよ。お姉ちゃんにも報告しないといけませんねぇ」
「うんうん、それにしても、精神生命体の体って不思議だよね。魔力だけでも生きていけるのに、こうやって食事できるんだから」
「ですねぇ。神様に感謝です」
そうこうしているうちにまず僕のシチューセットが運ばれてきた
うーんいい匂い! 大きな牛の骨付きテールが入っててワイルド
それに大きめに切られた野菜がゴロゴロ入ってる
早速スプーンですくって一口
野菜の甘みとシチューのしょっぱさがうまく調和してて、体が芯からあっためられる感じかな
それにパンをつけて食べてみる
野菜パンはほんのり甘くて、色はうっすら緑色だ
でね、やっぱりシチューにものすごく合うんだよこれが
ああ、幸せ
そんな幸せをテールと一緒に噛みしめていると、ハクラちゃんのから揚げ定食が運ばれてきた
から揚げは揚げたてみたいで、まだ少しジュゥジュゥと音が聞こえる
ニンニク醤油につけてから揚げてるらしくて、食欲がマックスになったハクラちゃんは箸を持った途端がっつき始めた
口に添えてあったマヨネーズをつけながらね
可愛いけど、今の見た目だと大人げなく見えてしまう…
いやまぁ胸はそのなんていうか、行動通りの大きさなんだけど
これ、本人には絶対言えないね
そう言えばクロハさんにも
「ハクラ、一応姫なのだからもっとおしとやかに」って怒られてたっけ
うん、ここは僕も一応注意しておこう
「ハクラちゃん、もうちょっとおしとやかに。クロハさんが見たらなんて言うか」
「んぐむ、ゴクン。そ、そうですね、申し訳ありません精霊様。で、でも普段はちゃんとマナーを守ってるんですよ? ここのから揚げがあまりにも美味しすぎたので」
慌てて飲み込んで、口のマヨネーズをぬぐってる
その後はすっかりおしとやかで、威厳のある食べ方で食べ進めていった
その姿は周りの目を引くようで、お客さんは食べる手を止めてジッと、そしてうっとりと、男性も女性も若男女全てがそのハクラちゃんの食べてる様子を眺めていた
こうしてればハクラちゃんって驚くほど美しいんだよね
神がかってると言うか、女神のような美しさって言うのかな? 絵になるんだよね
僕も見惚れてる場合じゃないね
手元でいまだ温かいシチューをスプーンですくってゆっくりと平らげた
丁度同時に僕とハクラちゃんは食べ終えて店を後にした
うん、また来ようって思える店が増えたね
さて、目的はここにある迷宮だ
その最奥で猿神エコ様が待ってる
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