363 / 1,022
獣人族の国再び1
しおりを挟む
僕はテュネに抱っこされたまま仙人の長であるジョカさんのいる家まで連れていかれた
何か話があるみたい
とりあえず恥ずかしいのでテュネに降ろしてもらってからジョカさんに会った
「精霊様、迷宮お疲れ様でした。実はニャコ様から伝言があるのです」
「伝言? でもさっき会った時は何もおっしゃってなかったけど」
「そうなのですか? 恐らく忘れているのでしょう。ニャコ様ですので」
「あ、そうなんだ」
「はい、それでですね、先ほど精霊様が迷宮に入ってすぐのことなのですが、鬼仙の姫が死の淵に瀕した部下を連れてきたのです」
「え!?」
「ハクラ姫とキキのようでした。キキはかなりの深手を負っていたようでして」
「え、キキちゃん大丈夫なの!?」
「はい、それは、ニャコ様が何とかしてくださいましたので問題ないのですが」
「ほっ、よかった。それでそれで?」
「ニャコ様が言うには、ハクラと共に次の迷宮に行くようにとのことなのです」
「え? ハクラちゃんと?」
「はい、四大精霊様には精霊の国にお帰りいただき、これからはハクラと行動を共にせよと」
「な、なんでだろう?」
「それは、私にはわかりかねます」
「そっか、ありがとうジョカさん」
「いえ、頑張って下さいね」
「うん・・・」
テュネたちと、分かれるの? なんで?
僕は訳も分からぬままにそのままテュネたちから離れないといけなくなった
「リディエラ様、別に今生の別れというわけではありませんよ。修行が終わればまた会えます」
「でも、でも」
「私達だって~、離れるのは~、寂しいです~」
「そうですよ。ほらエンシュをみて下さい。号泣してます」
「ちょ、アスラム、ばらさないで!」
それから四柱皆としっかりと別れを告げて、僕は一人鬼ヶ島を目指すことにした
ハクラちゃんと合流して獣人族の国ガルドラに行かなきゃ
「リディエラ様、いつでも私達を呼んでください。精霊召喚を行えばすぐに駆け付けれますから」
「うん、ちょっとの間お別れだけど、もっと成長して皆に会う日を楽しみにしてるよ」
「はい! シルフェイン様には私達からお伝えしておきます」
「頑張ってくださいねリディエラ様!」
「私も寂しいけど~、国で待ってますね~」
ジョカさんたちにお礼を言って、四大精霊の見送る中僕は鬼ヶ島に転移する
あっという間に景色が変わって、久しぶりの鬼ヶ島
首都であるトウゲンに向かう道中、ハクラちゃんの部下の鬼仙の一人、ソウカちゃんに会った
「あら~リディエラ様じゃないですか~、お久しぶり~ですね~」
「久しぶり、ハクラちゃんいる?」
「はい~、今クロハ様とお風呂に~。あ、覗かない方がいいですよ~」
「?」
いや覗かないけど?
とりあえず二人がお風呂から上がるまで屋敷で待たせてもらうことにした
ソウカちゃんがお茶とお茶菓子を出してくれる
「このお菓子~、私の手作りなんです~。お口に合いますか~?」
「美味しそう! いただきます!」
お饅頭を楊枝で小さく切って口に運ぶ
甘すぎず程よくて、ゴマの風味が香る最高のお饅頭だ
お茶を飲むとすっきりとした苦みが口を潤してくれる
「美味しいね! ソウカちゃんが作ったの? すごい!」
「おほめ頂き~、光栄です~」
「ああ!これは精霊様! こらソウカ!精霊様がいらっしゃってるならまず私に言いなさい!」
「ごめんね~キキちゃん~。忘れてた~」
「もう全く、申し訳ありません精霊様。すぐにハクラを呼んでまいります」
「いいよいいよゆっくりで」
キキちゃんは踵を返して走って行ってしまった
その直後、キャー!というキキちゃんの悲鳴が聞こえたので、慌ててソウカちゃんと見に行くと、裸で絡み合うようにキョトンとしている白黒姉妹と、それを見て顔を真っ赤にしているキキちゃんが倒れていた
ムワムワと湯気が立っていて、ハクラちゃんの後ろに温泉が見える
「あ、えっと、お取込み中、みたいだね、アハハ」
「ま、待ってください精霊様! これは、その、姉妹のスキンシップです! 何でもないただのスキンシップですから!」
クロハさんが顔を真っ赤にして必死で否定してる
ただ一人、ハクラちゃんだけは何が何やら分かっていなくてキョトンとしていた
「んあれ? んー、お姉ちゃん、顔真っ赤だよ? のぼせた?」
「ハ、ハクラは黙ってて」
「あうー」
急いでタオルで体を隠し始めるクロハさんと、まだ裸でキョトンとしているハクラちゃん
うん、君はそのまま純粋でいて欲しい・・・
まったく、クロハさんはもう! 無知なハクラちゃんをいいことに変なことを
キキちゃんなんて真っ赤な顔で気絶しちゃってるし
ソウカちゃんも顔を伏せてる
「えっと、私も、服着た方がいいよね?」
「そうしてね」
とりあえず落ち着いて、クロハさんとハクラさん、それに三獣鬼がそろって僕の前に座っている
「それで聞いてるとは思うけどハクラちゃん」
「はい! 私とリディエラ様でガルドラの迷宮に挑戦するんですよね!」
「私としては行かせたくないのですが、神様からの試練ですので・・・」
クロハさんがものすごーく悲しそうな顔をしている
「クロハさんはもう少し妹離れをしようね。それじゃぁハクラちゃん、準備ができたら行こっか」
「はい!」
「精霊様、姫を、ハクラちゃんをよろしくっす!」
「アハハ、僕の方がよろしくされちゃうかも。何せ今のハクラちゃんは僕より強いみたいだし」
そう、驚いたのが二人の姿だ
三獣鬼も進化していて十分にすごいんだけど、二人はいつの間にか鬼神に成ってたみたいなんだ
なんていうか、少し大人っぽくなって、きりりとした目鼻立ち、それこそ神がかった美少女になってるし、力なんかも僕じゃ推し量れないくらいに増している。正直母さんよりも上だ
鬼神、まさしく神のごとしってことなのか
ともかく落ち込むクロハさんをなだめて、僕とハクラちゃんはガルドラへと旅立った
何か話があるみたい
とりあえず恥ずかしいのでテュネに降ろしてもらってからジョカさんに会った
「精霊様、迷宮お疲れ様でした。実はニャコ様から伝言があるのです」
「伝言? でもさっき会った時は何もおっしゃってなかったけど」
「そうなのですか? 恐らく忘れているのでしょう。ニャコ様ですので」
「あ、そうなんだ」
「はい、それでですね、先ほど精霊様が迷宮に入ってすぐのことなのですが、鬼仙の姫が死の淵に瀕した部下を連れてきたのです」
「え!?」
「ハクラ姫とキキのようでした。キキはかなりの深手を負っていたようでして」
「え、キキちゃん大丈夫なの!?」
「はい、それは、ニャコ様が何とかしてくださいましたので問題ないのですが」
「ほっ、よかった。それでそれで?」
「ニャコ様が言うには、ハクラと共に次の迷宮に行くようにとのことなのです」
「え? ハクラちゃんと?」
「はい、四大精霊様には精霊の国にお帰りいただき、これからはハクラと行動を共にせよと」
「な、なんでだろう?」
「それは、私にはわかりかねます」
「そっか、ありがとうジョカさん」
「いえ、頑張って下さいね」
「うん・・・」
テュネたちと、分かれるの? なんで?
僕は訳も分からぬままにそのままテュネたちから離れないといけなくなった
「リディエラ様、別に今生の別れというわけではありませんよ。修行が終わればまた会えます」
「でも、でも」
「私達だって~、離れるのは~、寂しいです~」
「そうですよ。ほらエンシュをみて下さい。号泣してます」
「ちょ、アスラム、ばらさないで!」
それから四柱皆としっかりと別れを告げて、僕は一人鬼ヶ島を目指すことにした
ハクラちゃんと合流して獣人族の国ガルドラに行かなきゃ
「リディエラ様、いつでも私達を呼んでください。精霊召喚を行えばすぐに駆け付けれますから」
「うん、ちょっとの間お別れだけど、もっと成長して皆に会う日を楽しみにしてるよ」
「はい! シルフェイン様には私達からお伝えしておきます」
「頑張ってくださいねリディエラ様!」
「私も寂しいけど~、国で待ってますね~」
ジョカさんたちにお礼を言って、四大精霊の見送る中僕は鬼ヶ島に転移する
あっという間に景色が変わって、久しぶりの鬼ヶ島
首都であるトウゲンに向かう道中、ハクラちゃんの部下の鬼仙の一人、ソウカちゃんに会った
「あら~リディエラ様じゃないですか~、お久しぶり~ですね~」
「久しぶり、ハクラちゃんいる?」
「はい~、今クロハ様とお風呂に~。あ、覗かない方がいいですよ~」
「?」
いや覗かないけど?
とりあえず二人がお風呂から上がるまで屋敷で待たせてもらうことにした
ソウカちゃんがお茶とお茶菓子を出してくれる
「このお菓子~、私の手作りなんです~。お口に合いますか~?」
「美味しそう! いただきます!」
お饅頭を楊枝で小さく切って口に運ぶ
甘すぎず程よくて、ゴマの風味が香る最高のお饅頭だ
お茶を飲むとすっきりとした苦みが口を潤してくれる
「美味しいね! ソウカちゃんが作ったの? すごい!」
「おほめ頂き~、光栄です~」
「ああ!これは精霊様! こらソウカ!精霊様がいらっしゃってるならまず私に言いなさい!」
「ごめんね~キキちゃん~。忘れてた~」
「もう全く、申し訳ありません精霊様。すぐにハクラを呼んでまいります」
「いいよいいよゆっくりで」
キキちゃんは踵を返して走って行ってしまった
その直後、キャー!というキキちゃんの悲鳴が聞こえたので、慌ててソウカちゃんと見に行くと、裸で絡み合うようにキョトンとしている白黒姉妹と、それを見て顔を真っ赤にしているキキちゃんが倒れていた
ムワムワと湯気が立っていて、ハクラちゃんの後ろに温泉が見える
「あ、えっと、お取込み中、みたいだね、アハハ」
「ま、待ってください精霊様! これは、その、姉妹のスキンシップです! 何でもないただのスキンシップですから!」
クロハさんが顔を真っ赤にして必死で否定してる
ただ一人、ハクラちゃんだけは何が何やら分かっていなくてキョトンとしていた
「んあれ? んー、お姉ちゃん、顔真っ赤だよ? のぼせた?」
「ハ、ハクラは黙ってて」
「あうー」
急いでタオルで体を隠し始めるクロハさんと、まだ裸でキョトンとしているハクラちゃん
うん、君はそのまま純粋でいて欲しい・・・
まったく、クロハさんはもう! 無知なハクラちゃんをいいことに変なことを
キキちゃんなんて真っ赤な顔で気絶しちゃってるし
ソウカちゃんも顔を伏せてる
「えっと、私も、服着た方がいいよね?」
「そうしてね」
とりあえず落ち着いて、クロハさんとハクラさん、それに三獣鬼がそろって僕の前に座っている
「それで聞いてるとは思うけどハクラちゃん」
「はい! 私とリディエラ様でガルドラの迷宮に挑戦するんですよね!」
「私としては行かせたくないのですが、神様からの試練ですので・・・」
クロハさんがものすごーく悲しそうな顔をしている
「クロハさんはもう少し妹離れをしようね。それじゃぁハクラちゃん、準備ができたら行こっか」
「はい!」
「精霊様、姫を、ハクラちゃんをよろしくっす!」
「アハハ、僕の方がよろしくされちゃうかも。何せ今のハクラちゃんは僕より強いみたいだし」
そう、驚いたのが二人の姿だ
三獣鬼も進化していて十分にすごいんだけど、二人はいつの間にか鬼神に成ってたみたいなんだ
なんていうか、少し大人っぽくなって、きりりとした目鼻立ち、それこそ神がかった美少女になってるし、力なんかも僕じゃ推し量れないくらいに増している。正直母さんよりも上だ
鬼神、まさしく神のごとしってことなのか
ともかく落ち込むクロハさんをなだめて、僕とハクラちゃんはガルドラへと旅立った
0
お気に入りに追加
113
あなたにおすすめの小説
元公務員が異世界転生して辺境の勇者になったけど魔獣が13倍出現するブラック地区だから共生を目指すことにした
まどぎわ
ファンタジー
激務で倒れ、そのまま死んだ役所職員。
生まれ変わった世界は、魔獣に怯える国民を守るために勇者が活躍するファンタジーの世界だった。
前世の記憶を有したままチート状態で勇者になったが、担当する街は魔獣の出現が他よりも遥かに多いブラック地区。これは出現する魔獣が悪いのか、通報してくる街の住人が悪いのか……穏やかに寿命を真っ当するため、仕事はそんなに頑張らない。勇者は今日も、魔獣と、市民と、共生を目指す。
俺と幼女とエクスカリバー
鏡紫郎
ファンタジー
憧れた世界で人をやめ、彼女と出会い、そして俺は初めてあたりまえの恋におちた。
見知らぬ少女を助け死んだ俺こと明石徹(アカシトオル)は、中二病をこじらせ意気揚々と異世界転生を果たしたものの、目覚めるとなんと一本の「剣」になっていた。
最初の持ち主に使いものにならないという理由であっさりと捨てられ、途方に暮れる俺の目の前に現れたのは……なんと幼女!?
しかもこの幼女俺を復讐のために使うとか言ってるし、でもでも意思疎通ができるのは彼女だけで……一体この先どうなっちゃうの!?
剣になった少年と無口な幼女の冒険譚、ここに開幕
ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ
高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。
タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。
ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。
本編完結済み。
外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。
異世界転生してしまったがさすがにこれはおかしい
増月ヒラナ
ファンタジー
不慮の事故により死んだ主人公 神田玲。
目覚めたら見知らぬ光景が広がっていた
3歳になるころ、母に催促されステータスを確認したところ
いくらなんでもこれはおかしいだろ!
母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)
いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。
全く親父の奴!勝手に消えやがって!
親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。
俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。
母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。
なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな?
なら、出ていくよ!
俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ!
これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。
カクヨム様にて先行掲載中です。
不定期更新です。
オタクおばさん転生する
ゆるりこ
ファンタジー
マンガとゲームと小説を、ゆるーく愛するおばさんがいぬの散歩中に異世界召喚に巻き込まれて転生した。
天使(見習い)さんにいろいろいただいて犬と共に森の中でのんびり暮そうと思っていたけど、いただいたものが思ったより強大な力だったためいろいろ予定が狂ってしまい、勇者さん達を回収しつつ奔走するお話になりそうです。
投稿ものんびりです。(なろうでも投稿しています)
エルティモエルフォ ―最後のエルフ―
ポリ 外丸
ファンタジー
普通の高校生、松田啓18歳が、夏休みに海で溺れていた少年を救って命を落としてしまう。
海の底に沈んで死んだはずの啓が、次に意識を取り戻した時には小さな少年に転生していた。
その少年の記憶を呼び起こすと、どうやらここは異世界のようだ。
もう一度もらった命。
啓は生き抜くことを第一に考え、今いる地で1人生活を始めた。
前世の知識を持った生き残りエルフの気まぐれ人生物語り。
※カクヨム、小説家になろう、ノベルバ、ツギクルにも載せています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる