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三獣鬼と三妖鬼13
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「さて、よく頑張ったね、と言いたいところだけど残念、頑張ってもらうのはこれからだよ。まず僕の修行を終わらせないとね。それからジョカの試練を受けてもらおうと思う。僕らの試練を乗り越えれば間違いなく君たちは童子へと進化できるはずだよ」
タイコウボウ様の甘い声が私のお耳を刺激していますわ
お腹の奥まで響いて心地よくなってきますの
それにしても先ほどからミドリコとモモネさんの様子がおかしいですわ。なんだかフラフラと体調が悪そうに見えますの
「ミドリコ、モモネさん、どうしたんですの? 大丈夫ですの?」
「う、うん、大丈夫」
「ええ、問題ありませんわん」
「本当に大丈夫なのかい? なんなら体調が戻るまで休んでもいいんだけど? 君たちが急がないならね」
「そうですわ。倒れてしまっては元も子もありませんもの」
わたくしもタイコウボウ様も二人を心配していますの
でも二人は気丈にふるまっているように見えますわ
「やっぱり嘘ですわね。長い付き合いですもの、そのくらいわかりますの」
「その、話して、いい?」
ミドリコからそう提案するなんてめったにありませんわ
でもそれだけ深刻なのかもしれませんの
二人はわたくしの大切なお友達、しっかりと相談にのりますの!
「実は私達も夢をみたのよん」
「そう、シエノと同じ」
二人が言うには、ミドリコは金色の賢明そうなネズミが、モモネさんは猛々しい黄金の牛が体に入り込んだらしいですわ
わたくしと同じ夢ですの。と言うことは二人も力が覚醒しつつあるということに間違いないですわ
わたくしもその夢を見てから大幅に力を増しましたの。きっとこの夢は童子になる前兆なんですの
「それはよかったですわ! でも体調が悪そうなのはなぜですの?」
「それは・・・」
「その夢を見てから私とミドリコで話をしていたらん、昔話にまで話が進んじゃって寝不足なのよん」
「ああ、それは、自業自得ですわね」
「まあそんな状態で僕の試練を受けるのは難しいから、今日は二人ともゆっくり休みなさい。まったく、次からは気を付けるようにね。それとシエノちゃんはどうするかな? 先に受けるかい?」
いきなりタイコウボウ様から話を振られて少しドキっとしましたけど、この答えは否ですの
やっぱり三人一緒に童子に成りたいんですもの、抜け駆けは致しませんわ
その意思をタイコウボウ様に伝えますと
「そっか、じゃあ今日は僕がいいところへ連れてってあげようかな。ここまで頑張って来たから特別だよ。あ、でもジョカには内緒でね。あの人怒らせると怖いんだ」
片目をつむってウィンクをわたくしたちに向けてくれましたわ
あまりの美しさにわたくしは卒倒しそうになりましたけど、グッとこらえることができました
わたくしも日々成長していますのよ
それからわたくし達はタイコウボウ様について仙人の方たちが住む集落へとやって来ましたの
ここには仙人修行をしている人間族の方も含めて多くの方たちが住んでいるみたいですわね
確かに仙力を持った人間たちが多数いますの
仙力を手に入れるには厳しい修行が必要と聞きましたわ。だから人間族の修行者はご老人が多いのですけれど、中には子供のころから高い仙力を持つ人間族もいますの
ちなみにここにいる見た目が若い仙人の方たちは仙人同士の子供で、生まれつき仙力を持っているらしいんですの
鬼ヶ島に遥か昔に異世界よりいらっしゃったハクラちゃんのご先祖様も生まれつき仙人だったそうですのよね
わたくしたちのご先祖様もその方に連なる分家の方たちですから、実は鬼仙はみんな親戚同士ですのよ
「さぁ着いたよ。ここに連れて来たかったんだ」
タイコウボウ様が案内してくださったのは茶屋でしたの
そこからは甘い桃の香りがしていまして、食欲が引き立たれて思わずお腹がクゥとなって恥ずかしかったですわ
「ここの桃甘酒が絶品でね。疲れが吹き飛ぶんだ。僕もよく来ててね、それに桃の砂糖漬けも素晴らしいよ」
タイコウボウ様のお気遣いが身に沁みますわ
本当にお優しい方。ずっと熱い視線を送っているのですけど、一向に気づいてくれませんわね
まあ気長にアタックしてみますわ
それよりも今は目の前に用意されたこの甘く香る桃甘酒と桃の砂糖漬けを堪能しますの!
まずは甘酒を一口飲んでみますと、とろりとした舌触りに桃の香りととびっきりの甘さが口の中を満たしましたわ
その後に砂糖漬けを食べてみますと、程よい甘酸っぱさで口がさっぱりとしましたの
もともと甘いこの桃源郷の桃で作られたものでしたから、甘いばかりかと思いましたけど、酸味がちゃんと残っていていい塩梅ですわ
そして驚くことに、ミドリコとモモネさんの顔色がみるみるうちによくなって、つやつやとし始めましたの
なんと即効性の高い料理なのでしょうか
「どうだい? 美味しいだろう?」
「はいとても!」
すっかり疲れの取れたわたくしたちはタイコウボウ様と一緒に彼の自宅へと戻りましたわ
今日は休んで明日から厳しい修行ですの。ここまでしてくださるタイコウボウ様の期待に応えるためにも、頑張りますわ!
タイコウボウ様の甘い声が私のお耳を刺激していますわ
お腹の奥まで響いて心地よくなってきますの
それにしても先ほどからミドリコとモモネさんの様子がおかしいですわ。なんだかフラフラと体調が悪そうに見えますの
「ミドリコ、モモネさん、どうしたんですの? 大丈夫ですの?」
「う、うん、大丈夫」
「ええ、問題ありませんわん」
「本当に大丈夫なのかい? なんなら体調が戻るまで休んでもいいんだけど? 君たちが急がないならね」
「そうですわ。倒れてしまっては元も子もありませんもの」
わたくしもタイコウボウ様も二人を心配していますの
でも二人は気丈にふるまっているように見えますわ
「やっぱり嘘ですわね。長い付き合いですもの、そのくらいわかりますの」
「その、話して、いい?」
ミドリコからそう提案するなんてめったにありませんわ
でもそれだけ深刻なのかもしれませんの
二人はわたくしの大切なお友達、しっかりと相談にのりますの!
「実は私達も夢をみたのよん」
「そう、シエノと同じ」
二人が言うには、ミドリコは金色の賢明そうなネズミが、モモネさんは猛々しい黄金の牛が体に入り込んだらしいですわ
わたくしと同じ夢ですの。と言うことは二人も力が覚醒しつつあるということに間違いないですわ
わたくしもその夢を見てから大幅に力を増しましたの。きっとこの夢は童子になる前兆なんですの
「それはよかったですわ! でも体調が悪そうなのはなぜですの?」
「それは・・・」
「その夢を見てから私とミドリコで話をしていたらん、昔話にまで話が進んじゃって寝不足なのよん」
「ああ、それは、自業自得ですわね」
「まあそんな状態で僕の試練を受けるのは難しいから、今日は二人ともゆっくり休みなさい。まったく、次からは気を付けるようにね。それとシエノちゃんはどうするかな? 先に受けるかい?」
いきなりタイコウボウ様から話を振られて少しドキっとしましたけど、この答えは否ですの
やっぱり三人一緒に童子に成りたいんですもの、抜け駆けは致しませんわ
その意思をタイコウボウ様に伝えますと
「そっか、じゃあ今日は僕がいいところへ連れてってあげようかな。ここまで頑張って来たから特別だよ。あ、でもジョカには内緒でね。あの人怒らせると怖いんだ」
片目をつむってウィンクをわたくしたちに向けてくれましたわ
あまりの美しさにわたくしは卒倒しそうになりましたけど、グッとこらえることができました
わたくしも日々成長していますのよ
それからわたくし達はタイコウボウ様について仙人の方たちが住む集落へとやって来ましたの
ここには仙人修行をしている人間族の方も含めて多くの方たちが住んでいるみたいですわね
確かに仙力を持った人間たちが多数いますの
仙力を手に入れるには厳しい修行が必要と聞きましたわ。だから人間族の修行者はご老人が多いのですけれど、中には子供のころから高い仙力を持つ人間族もいますの
ちなみにここにいる見た目が若い仙人の方たちは仙人同士の子供で、生まれつき仙力を持っているらしいんですの
鬼ヶ島に遥か昔に異世界よりいらっしゃったハクラちゃんのご先祖様も生まれつき仙人だったそうですのよね
わたくしたちのご先祖様もその方に連なる分家の方たちですから、実は鬼仙はみんな親戚同士ですのよ
「さぁ着いたよ。ここに連れて来たかったんだ」
タイコウボウ様が案内してくださったのは茶屋でしたの
そこからは甘い桃の香りがしていまして、食欲が引き立たれて思わずお腹がクゥとなって恥ずかしかったですわ
「ここの桃甘酒が絶品でね。疲れが吹き飛ぶんだ。僕もよく来ててね、それに桃の砂糖漬けも素晴らしいよ」
タイコウボウ様のお気遣いが身に沁みますわ
本当にお優しい方。ずっと熱い視線を送っているのですけど、一向に気づいてくれませんわね
まあ気長にアタックしてみますわ
それよりも今は目の前に用意されたこの甘く香る桃甘酒と桃の砂糖漬けを堪能しますの!
まずは甘酒を一口飲んでみますと、とろりとした舌触りに桃の香りととびっきりの甘さが口の中を満たしましたわ
その後に砂糖漬けを食べてみますと、程よい甘酸っぱさで口がさっぱりとしましたの
もともと甘いこの桃源郷の桃で作られたものでしたから、甘いばかりかと思いましたけど、酸味がちゃんと残っていていい塩梅ですわ
そして驚くことに、ミドリコとモモネさんの顔色がみるみるうちによくなって、つやつやとし始めましたの
なんと即効性の高い料理なのでしょうか
「どうだい? 美味しいだろう?」
「はいとても!」
すっかり疲れの取れたわたくしたちはタイコウボウ様と一緒に彼の自宅へと戻りましたわ
今日は休んで明日から厳しい修行ですの。ここまでしてくださるタイコウボウ様の期待に応えるためにも、頑張りますわ!
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