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白黒 童子姉妹の冒険16
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うう、あれからあの事を思い出して恥ずかしさで死にそう
カイトさんは何事もなかったようにふるまってくれてるけど、私はカイトさんを見るたびに思い出しちゃって顔が真っ赤になる
とにかく、早く忘れるに限る。そう!忘れよう!
「ハクラ?」
頭を抱えて顔を真っ赤にしている私を見て、お姉ちゃんは私の体調が悪いと思い、声をかけてくれた
「ん? あ、大丈夫、ちょっと考え事してただけだから」
「そう、だったらいいのだけど」
お姉ちゃんはまだ心配しているのか、私の横に座って手を握った
「いいハクラ。悩んでるならお姉ちゃんに言って。どんなことでもいいから。あなたは私の大切な妹なんだから」
お姉ちゃんは真剣に私の目を見てそう言ってくれた
お姉ちゃんは本当に優しくて、強くて、大好き。でも今本当にどうでもいいことで頭を抱えてたから気まずい
「大丈夫だよ。全然大したことじゃなくて、その」
「やっぱり! 何かなやんでたのね! 大丈夫よハクラ、遠慮なく言いなさい」
あまりにもグイグイ来るから、今頭を巡ってるあの恥ずかしさを赤裸々に語った
「あ、うん、ああ。そうね、カイトさんも気にしてないみたいだし、ハクラもすぐ忘れなさい」
いやそれ自分の中で出た結論なんですが・・・
はぁ、結局それしかないか。よし! 金輪際きっぱり忘れようっと
「おーい、神話級が来たぞ。準備できたら来てくれ」
カイトさんの声がするからひとまず刀を腰に帯刀して立ち上がった
「もう大丈夫! 頑張ろうお姉ちゃん!」
「ええ!」
走ってカイトさんに合流すると、巨大な白い虎が今まさに次元の扉を破って来ていた
「白虎だね。四聖獣の一角を担う方角を守る神獣だよ。性格は温厚で人を守ってくれる存在だよ」
どこが?って言いたいです。白虎は思いっきり牙をむき出しにして、私達を睨んでる。涎が怖い!
「ほれ、ぼやッとしてないで構えぬか」
今度はカイトさんの弱体化結界はない。つまりそのままの強さの神獣と戦わないといけない。全力で。きっと勝てる
「ハクラ、あわせで行くわよ」
「うん」
私は刀の力を開放した。神刀散雪、これの力を開放するのは久しぶり
「さぁ散雪、私の力を乗せてその姿を変えなさい」
「神双刀、王威の白雪」
散雪は二刀一対となり、私の両手に収まった
右手に身の丈ほどもある大太刀、左手に小太刀を逆手に構えて白虎を見据える
お姉ちゃんが“神刀クロアゲハ”を抜き放ち、指を少し切って自分の血を吸わせる。これでお姉ちゃんの刀の介抱準備が完了した
「舞い踊りなさい蝶よ。神月刀、夜闇蝶クロアゲハ」
三日月のような羽を持った蝶たちが刀を振る度に舞い、周囲を切り裂く刃となる
二人の刀は私達の力を取り込むことで聖刀散雪から神刀散雪へ、魔刀クロアゲハから神刀クロアゲハへとそれぞれ変化していた
これなら今の私たちが振るっても十分にその力を発揮できる
「白虎、覚悟しなさい!」
一度言ってみたかっただけです
私とお姉ちゃんで合わせ、鋭い爪で迫ってくる白虎の腕を刀で止める
私の大太刀は白虎の爪に食い込んで切り落とした
その切り取られた破片を小太刀で打ち、白虎の左目に弾き飛ばす
それは深く突き刺さり、白虎は悲鳴を上げた
お姉ちゃんの刀からは絶えず蝶が舞い続け、微小ながらも白虎にきずを付けて行く
ダメージにもならないような傷だけど、これが後から聞いてくるはず
「方気力、壊腑掌」
お姉ちゃんは片手に持った刀で白虎の腕を抑えつつ、脇腹を掌手で穿っている
内部にまで衝撃を走らせて内臓を破壊する仙人に習った武術だね
「魔鬼力、剛体」
筋肉を絞って体を硬くする術と、魔力によって体の守りをあげる力、この二つを同時に発動することで体の守りを飛躍的に高めた
そのおかげで今白虎の腕にも耐えることができてる
「仙魔鬼術奥義、白獅子!」
剛力になった体で無理やりに白虎の前足を押し返し、すかさずお姉ちゃんが攻撃を加える
「鬼方術、無間覇獄!」
地獄の業火に焼かれるかのような痛みを与え続ける毒を傷口から注ぎ込む術
当然その傷口とはさっきお姉ちゃんが蝶たちによって付けた傷だ
「グギャォオオオ!!」
痛さで悲鳴を上げる白虎の隙を逃さず、二人の刀を再び合わせて技を放つ
「鬼剣術極! 飛刃雪花!」
「鬼剣術極! 飛翔黒蝶!」
二人の斬撃を飛ばし、空中で重なって合わさり、一つの斬撃となり白虎の首へ
しかし斬撃は当たると同時に掻き消えた
「え?」
剣術の極みの技、早々簡単に消えるものじゃない。それも傷一つついていないなんて
でもお姉ちゃんの攻撃や、私がきり飛ばして弾いた爪による攻撃はちゃんと通ってる
それなのに奥義が効かないなんて意味が分からないよ
とにかくこれは長引きそうだね。攻撃があまり効かないなら、何か解決の糸口を探さないと!
カイトさんは何事もなかったようにふるまってくれてるけど、私はカイトさんを見るたびに思い出しちゃって顔が真っ赤になる
とにかく、早く忘れるに限る。そう!忘れよう!
「ハクラ?」
頭を抱えて顔を真っ赤にしている私を見て、お姉ちゃんは私の体調が悪いと思い、声をかけてくれた
「ん? あ、大丈夫、ちょっと考え事してただけだから」
「そう、だったらいいのだけど」
お姉ちゃんはまだ心配しているのか、私の横に座って手を握った
「いいハクラ。悩んでるならお姉ちゃんに言って。どんなことでもいいから。あなたは私の大切な妹なんだから」
お姉ちゃんは真剣に私の目を見てそう言ってくれた
お姉ちゃんは本当に優しくて、強くて、大好き。でも今本当にどうでもいいことで頭を抱えてたから気まずい
「大丈夫だよ。全然大したことじゃなくて、その」
「やっぱり! 何かなやんでたのね! 大丈夫よハクラ、遠慮なく言いなさい」
あまりにもグイグイ来るから、今頭を巡ってるあの恥ずかしさを赤裸々に語った
「あ、うん、ああ。そうね、カイトさんも気にしてないみたいだし、ハクラもすぐ忘れなさい」
いやそれ自分の中で出た結論なんですが・・・
はぁ、結局それしかないか。よし! 金輪際きっぱり忘れようっと
「おーい、神話級が来たぞ。準備できたら来てくれ」
カイトさんの声がするからひとまず刀を腰に帯刀して立ち上がった
「もう大丈夫! 頑張ろうお姉ちゃん!」
「ええ!」
走ってカイトさんに合流すると、巨大な白い虎が今まさに次元の扉を破って来ていた
「白虎だね。四聖獣の一角を担う方角を守る神獣だよ。性格は温厚で人を守ってくれる存在だよ」
どこが?って言いたいです。白虎は思いっきり牙をむき出しにして、私達を睨んでる。涎が怖い!
「ほれ、ぼやッとしてないで構えぬか」
今度はカイトさんの弱体化結界はない。つまりそのままの強さの神獣と戦わないといけない。全力で。きっと勝てる
「ハクラ、あわせで行くわよ」
「うん」
私は刀の力を開放した。神刀散雪、これの力を開放するのは久しぶり
「さぁ散雪、私の力を乗せてその姿を変えなさい」
「神双刀、王威の白雪」
散雪は二刀一対となり、私の両手に収まった
右手に身の丈ほどもある大太刀、左手に小太刀を逆手に構えて白虎を見据える
お姉ちゃんが“神刀クロアゲハ”を抜き放ち、指を少し切って自分の血を吸わせる。これでお姉ちゃんの刀の介抱準備が完了した
「舞い踊りなさい蝶よ。神月刀、夜闇蝶クロアゲハ」
三日月のような羽を持った蝶たちが刀を振る度に舞い、周囲を切り裂く刃となる
二人の刀は私達の力を取り込むことで聖刀散雪から神刀散雪へ、魔刀クロアゲハから神刀クロアゲハへとそれぞれ変化していた
これなら今の私たちが振るっても十分にその力を発揮できる
「白虎、覚悟しなさい!」
一度言ってみたかっただけです
私とお姉ちゃんで合わせ、鋭い爪で迫ってくる白虎の腕を刀で止める
私の大太刀は白虎の爪に食い込んで切り落とした
その切り取られた破片を小太刀で打ち、白虎の左目に弾き飛ばす
それは深く突き刺さり、白虎は悲鳴を上げた
お姉ちゃんの刀からは絶えず蝶が舞い続け、微小ながらも白虎にきずを付けて行く
ダメージにもならないような傷だけど、これが後から聞いてくるはず
「方気力、壊腑掌」
お姉ちゃんは片手に持った刀で白虎の腕を抑えつつ、脇腹を掌手で穿っている
内部にまで衝撃を走らせて内臓を破壊する仙人に習った武術だね
「魔鬼力、剛体」
筋肉を絞って体を硬くする術と、魔力によって体の守りをあげる力、この二つを同時に発動することで体の守りを飛躍的に高めた
そのおかげで今白虎の腕にも耐えることができてる
「仙魔鬼術奥義、白獅子!」
剛力になった体で無理やりに白虎の前足を押し返し、すかさずお姉ちゃんが攻撃を加える
「鬼方術、無間覇獄!」
地獄の業火に焼かれるかのような痛みを与え続ける毒を傷口から注ぎ込む術
当然その傷口とはさっきお姉ちゃんが蝶たちによって付けた傷だ
「グギャォオオオ!!」
痛さで悲鳴を上げる白虎の隙を逃さず、二人の刀を再び合わせて技を放つ
「鬼剣術極! 飛刃雪花!」
「鬼剣術極! 飛翔黒蝶!」
二人の斬撃を飛ばし、空中で重なって合わさり、一つの斬撃となり白虎の首へ
しかし斬撃は当たると同時に掻き消えた
「え?」
剣術の極みの技、早々簡単に消えるものじゃない。それも傷一つついていないなんて
でもお姉ちゃんの攻撃や、私がきり飛ばして弾いた爪による攻撃はちゃんと通ってる
それなのに奥義が効かないなんて意味が分からないよ
とにかくこれは長引きそうだね。攻撃があまり効かないなら、何か解決の糸口を探さないと!
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