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妖怪族の国45
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最後はガラクタ祭なんだけど、これは明日開催だからこの日はセトカちゃんの家に招待された
セトダイショウさんやその奥さんのセトヒメさんがもてなしてくれて、特製の料理をごちそうになった
まずは前菜の小松菜のおひたし。良い塩梅あんばいで、口の中がさっぱりとして風味豊か
次に竜魚の白焼き
ウナギみたいな魚の魔物で、なんとブレスも吐いてくるらしい
脂がよく乗ってて、皮がパリッとしてる
骨はサクッとした後ホロホロと溶けるようで食感がいいね
他には鮭皮の唐揚げや鮭身のほぐし茶漬けなどなど。大変美味しくいただけました
この料理、全部セトカちゃんが作ったもので、彼女の趣味は新しい料理に挑戦することらしい。良いことだと思います
「精霊様はこの里の子供たちがどうやって生まれるか知っておりますかな?」
突然セトダイショウさんがそう聞いてきた
「えっと、大切に使われた道具が・・・。あれ? それだとひとりでに生まれることになるね。じゃぁセトカちゃんはどうやって」
「それはですな、拙者たちのような夫婦の体をわけあって生まれるのでござるよ」
詳しい説明を聞くに、九十九族の愛し合う者どうしが自分の体の一部ずつをわけあって重ねるとそれが生命を得て子供になるらしい
しかもちゃんと成長して大きくなる
セトカちゃんは生まれてもう少しで百年になるとのこと
「つまり拙者は父ちゃんと母ちゃんの愛の結晶と言うわけでござるよ」
「これセトカ、父様母様と呼びなさいといつも言っているでしょう」
セトカちゃんがしまったという顔をしてる。それにしてもこの里の女性付喪神はなぜこうも人間に近い姿をしているのだろう
顔はどう見ても人間で、人間が食器や道具を体に着ているようにしか見えない
うん、世界七不思議に加えておこう
「さて、もうこんな時間でござる。風呂の用意をさせます故、少しお待ちください」
セトダイショウさんに言われて僕たちはお風呂をいただくことにした
お風呂は五右衛門風呂で、二人で入れる広さ
僕とクノエちゃんが一番に入って、そのあとはテュネたちが一人ずつ順番に入って行った
それで気づいたんだけど、クノエちゃんって着やせするタイプなのね。結構、あるんだよね。僕にないものが・・・
いいもん、僕だって成長期だからそのうち大きくなるもん
「いいお湯だったね~」
濡れ髪を布で拭きながらクノエちゃんの狐火で乾かす
あ、乾かしてるのはクノエちゃんだけだよ。僕たちの髪は濡れないからね
だって体と同じエレメント体だもん。でもお風呂が気持ちいいと言うのは感じることが出来るから便利な体だねー
「お布団を用意したでござる。ささ、精霊様、こちらへどうぞです!」
布団は各部屋に用意されたんだけど、なぜか僕の布団だけセトカちゃんの真横に用意されている
うん、セトカちゃんと寝ればいいってことね
「ぬふふ、まさか精霊様と一緒に寝れる日が来るなんて夢のようでござるよ」
セトカちゃん、嬉しそうでよかった
テュネは仕方ないと思ったのか、ため息をついて用意された部屋へと戻って行った
君はいつも僕と寝てるじゃないか
「さぁ精霊様。夜は冷えるでござる。拙者と温めあうでござるよ」
「ちょ、セトカちゃん? 何か目が怖、ひぃ! 手つきがいやらしいんだけど! ちょ、セトカちゃ、セトカさん!?」
セトカさんは僕の体中を触りながら満足した表情で涎をたらしながら寝てしまった
僕はと言うと、くすぐられた後のような疲労間の中眠りについた
翌朝、僕のお腹の上に涎をたらして寝ているセトカちゃんを起こすのに苦労した
でもその寝顔は天使みたいでほっこりしたよ。いやぁ眼福眼福
そしてこの日の早朝のことなんだけど、クノエちゃんが急遽お母さんのタマモさんに呼ばれて帰っちゃった
なんでもどうしてもクノエちゃんが今後種族をまとめ上げるために必要なお勉強があるみたいなんだよね
まぁまた会えるし、ちょっとだけお別れだ
「おはようござりまする精霊様!」
今日も今日とてセトカちゃんは元気さを爆発させている
「いよいよ本日はガラクタ祭にござる! 拙者この日のために毎日練習していたでござるよ」
楽器を奏でるように自分の体を鳴らすガラクタ祭
セトダイショウさんや幹部の人達は審査員をやるらしい
セトカちゃんは参加者。飛び入りも大歓迎らしいから僕らも出てみよう
九十九族以外は楽器を使って奏でてもいいらしいから、テュネはハープ、エンシュは意外なことにバイオリン、フーレンはフルート、アスラムは和太鼓だ。和太鼓!? アスラム和太鼓出来るの!? かっこいいね!
ちなみに僕は縦笛ね。仕方ないじゃないか、これしかできないんだもん
「ではいよいよ乗り込むでござる! 歴戦の猛者も集うこの祭典! 今年こそは優勝するでござるよ!」
前回の優勝者はコツボちゃんというセトカちゃんの幼馴染で、この里の幹部の娘さんだそうだ
その卓越した演奏技術でセトカちゃん以外の追随を許さなかったという。きっと手ごわい相手となるだろうね
セトダイショウさんやその奥さんのセトヒメさんがもてなしてくれて、特製の料理をごちそうになった
まずは前菜の小松菜のおひたし。良い塩梅あんばいで、口の中がさっぱりとして風味豊か
次に竜魚の白焼き
ウナギみたいな魚の魔物で、なんとブレスも吐いてくるらしい
脂がよく乗ってて、皮がパリッとしてる
骨はサクッとした後ホロホロと溶けるようで食感がいいね
他には鮭皮の唐揚げや鮭身のほぐし茶漬けなどなど。大変美味しくいただけました
この料理、全部セトカちゃんが作ったもので、彼女の趣味は新しい料理に挑戦することらしい。良いことだと思います
「精霊様はこの里の子供たちがどうやって生まれるか知っておりますかな?」
突然セトダイショウさんがそう聞いてきた
「えっと、大切に使われた道具が・・・。あれ? それだとひとりでに生まれることになるね。じゃぁセトカちゃんはどうやって」
「それはですな、拙者たちのような夫婦の体をわけあって生まれるのでござるよ」
詳しい説明を聞くに、九十九族の愛し合う者どうしが自分の体の一部ずつをわけあって重ねるとそれが生命を得て子供になるらしい
しかもちゃんと成長して大きくなる
セトカちゃんは生まれてもう少しで百年になるとのこと
「つまり拙者は父ちゃんと母ちゃんの愛の結晶と言うわけでござるよ」
「これセトカ、父様母様と呼びなさいといつも言っているでしょう」
セトカちゃんがしまったという顔をしてる。それにしてもこの里の女性付喪神はなぜこうも人間に近い姿をしているのだろう
顔はどう見ても人間で、人間が食器や道具を体に着ているようにしか見えない
うん、世界七不思議に加えておこう
「さて、もうこんな時間でござる。風呂の用意をさせます故、少しお待ちください」
セトダイショウさんに言われて僕たちはお風呂をいただくことにした
お風呂は五右衛門風呂で、二人で入れる広さ
僕とクノエちゃんが一番に入って、そのあとはテュネたちが一人ずつ順番に入って行った
それで気づいたんだけど、クノエちゃんって着やせするタイプなのね。結構、あるんだよね。僕にないものが・・・
いいもん、僕だって成長期だからそのうち大きくなるもん
「いいお湯だったね~」
濡れ髪を布で拭きながらクノエちゃんの狐火で乾かす
あ、乾かしてるのはクノエちゃんだけだよ。僕たちの髪は濡れないからね
だって体と同じエレメント体だもん。でもお風呂が気持ちいいと言うのは感じることが出来るから便利な体だねー
「お布団を用意したでござる。ささ、精霊様、こちらへどうぞです!」
布団は各部屋に用意されたんだけど、なぜか僕の布団だけセトカちゃんの真横に用意されている
うん、セトカちゃんと寝ればいいってことね
「ぬふふ、まさか精霊様と一緒に寝れる日が来るなんて夢のようでござるよ」
セトカちゃん、嬉しそうでよかった
テュネは仕方ないと思ったのか、ため息をついて用意された部屋へと戻って行った
君はいつも僕と寝てるじゃないか
「さぁ精霊様。夜は冷えるでござる。拙者と温めあうでござるよ」
「ちょ、セトカちゃん? 何か目が怖、ひぃ! 手つきがいやらしいんだけど! ちょ、セトカちゃ、セトカさん!?」
セトカさんは僕の体中を触りながら満足した表情で涎をたらしながら寝てしまった
僕はと言うと、くすぐられた後のような疲労間の中眠りについた
翌朝、僕のお腹の上に涎をたらして寝ているセトカちゃんを起こすのに苦労した
でもその寝顔は天使みたいでほっこりしたよ。いやぁ眼福眼福
そしてこの日の早朝のことなんだけど、クノエちゃんが急遽お母さんのタマモさんに呼ばれて帰っちゃった
なんでもどうしてもクノエちゃんが今後種族をまとめ上げるために必要なお勉強があるみたいなんだよね
まぁまた会えるし、ちょっとだけお別れだ
「おはようござりまする精霊様!」
今日も今日とてセトカちゃんは元気さを爆発させている
「いよいよ本日はガラクタ祭にござる! 拙者この日のために毎日練習していたでござるよ」
楽器を奏でるように自分の体を鳴らすガラクタ祭
セトダイショウさんや幹部の人達は審査員をやるらしい
セトカちゃんは参加者。飛び入りも大歓迎らしいから僕らも出てみよう
九十九族以外は楽器を使って奏でてもいいらしいから、テュネはハープ、エンシュは意外なことにバイオリン、フーレンはフルート、アスラムは和太鼓だ。和太鼓!? アスラム和太鼓出来るの!? かっこいいね!
ちなみに僕は縦笛ね。仕方ないじゃないか、これしかできないんだもん
「ではいよいよ乗り込むでござる! 歴戦の猛者も集うこの祭典! 今年こそは優勝するでござるよ!」
前回の優勝者はコツボちゃんというセトカちゃんの幼馴染で、この里の幹部の娘さんだそうだ
その卓越した演奏技術でセトカちゃん以外の追随を許さなかったという。きっと手ごわい相手となるだろうね
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