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黒の国14
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「ハァ、ハァ、何よあいつら・・・。全く歯が立たない。あんなの反則じゃない」
「ミヤ、よかった。君も無事だったんだね」
「えぇ何とか。他の闇人は?」
「大丈夫、何とかごまかせたみたいだよ。何人かあの光から逃げ遅れて消滅しちゃったみたいだけど」
闇人達は数人の犠牲者のみで助かっていた
「それにしてもあの双子の女神、何者なの?」
「あの双子、もしかしたらだけど、ご先祖様を殲滅したあの双子なのかもしれない」
「まさか、まだ生きていたの!?」
「女神になってるってことはどうやら神化したみたいだね」
ミヤは悔し気に歯を食いしばる
「もう少しで・・・。もう少しで復讐で来たって言うのに・・・。人間たちを操って戦争を起こさせる計画が全部水の泡よ!」
怒り狂って地団駄を踏む
そこに他の闇人達が集まって来た
「無事だったかミヤちゃん、こっちはアヤがやられた。消滅してはいないが力を完全に失っている」
「そんな、アヤが? あの子、攻撃の要だったのよ?」
「それが仇となったんだろうな。最前線に立って逃げるのも一番最後だったからな」
アヤは現在ただの人になっている
いくら闇の力を引き出そうとしても全く力を感じず、魔力すら練ることも敵わなかった
「仕方ないわ。あの子には隠れ里に戻ってもらいましょう。無為に命を散らせることもないわ。ここで私たちが滅んでしまってはご先祖様に会わせる顔がないもの」
「すいま、せんミヤ」
そこにフラフラのアヤが現れた
「大丈夫なのアヤ?」
「はい、力が出ないだけで他には影響ありません」
「でも無事でよかったわ。隠れ里でゆっくり休みなさい」
「役に立てなくてすいません」
悲しそうなアヤ
彼女も無念を晴らすためにこれまで頑張って来た
その頑張りは一瞬で無駄になってしまい、ミヤはふつふつと怒りが沸き上がって来た
「見ててねアヤ、必ず全部を滅茶苦茶に壊してあげるから。この世界の住人も、すべての世界を管理する神々も、何もかも壊して・・・。」
そして・・・
どうするのだろう?
ふとそんな疑問がわいた
自分たちはこの先全てを破壊してどうするのだろうか?
何もかも無くなった世界で、無の世界で
それは幸せなのだろうかと考えてしまった
「大丈夫かいミヤ?」
「え、えぇ、行きましょうクウダ」
闇人達は一旦体勢を整えるために闇人の隠れ里へと戻ることにした
そこは世界の狭間に造られた闇人のみが入れる空間だった
「はい、闇人討伐完了よ」
ルニア様が得意げに腰に手を当てて胸を張っている
「もう、ですか?」
「えぇ、彼らは全員消滅。メローの街も無事ですよ。それと妖精と人間たちも」
「あ、ありがとうございます!」
すごい速さで解決した
サニア様たちが黒の国を発ってから三時間ほどしか経っていない
なんにせよカスミや街の人達が無事でよかった
「あ、それと街の人間たち、洗脳されてたから解いておいたから」
「洗脳ですか!?」
「はい、どうやら人間を使って戦争を起こそうと画策していたみたいです。目標は精霊族の国のようでした。もし人間と精霊の間で戦争が起これば、全種族を巻き込んだ大戦になっていたかもしれません」
「そうか、それであの日以来全く動きがなかったのか。それにしてもシノノ達にも見つからないように動いていたなんて・・・」
「この世界の住人では彼らの動きを捕らえることは難しいでしょう。私達でようやく気配を掴めたくらいですから」
べリアスさんたちをもってしても見つけるのが難しかったってことなのか
それじゃぁシノノ達が見つけられないのも納得
「これでまた平和が訪れることでしょう。私たちはこれで帰りますね」
「サニア様、ルニア様、ありがとうございました!」
僕たちは心の底からお礼を言った
下手をしたらこの世界が丸々無くなっていたかもしれないんだ
サニア様たちには感謝してもしきれない
「いいのよ。可愛い姪っ子のためだもの。また会いたくなったら来るから、その時は歓迎してよね」
ルニア様は微笑んだ
なんて可愛らしい笑顔なんだろう
ん? 姪っ子? 誰が?
「姪っ子ってどういうことですか?」
「あれ? あなたシルフェインお姉様の娘なんでしょ? じゃぁ私たちにとっては姪っ子じゃない」
あ、そういうことなのか
神様はみんな同じ大神様から生まれたって聞いたから、皆兄弟姉妹ってことだもんね
「はい! またいつでも遊びにいらしてください!」
「敬語はいらないですよ。名前も呼び捨てで構いませんから」
「それじゃぁ・・・。サニアお姉ちゃんとルニアお姉ちゃんって呼ぶよ」
「うん、それでいいわ。またね、リディちゃん」
サニアお姉ちゃんたちはそのまま消えるようにしてこの世界から去って行った
危機が去ったことを母さんたちに伝え、シノノやエルフ、協力してくれていたすべての人に事態が終息したことと、お礼を言った
亡くなった妖精たちはアマテラス様が使わしてくれた神獣たちの力によって無事天へと魂が返っていったらしい
皆また妖精として転生することを希望しているらしいので、アマテラス様の計らいで記憶を持ったまま生まれなおしてくることが決まった
そう、またみんなに会えるんだ
ガンちゃんも大喜びだったらしい
よかったよかった。本当に
それから後処理に一週間ほど費やして、いよいよ
そう、いよいよですよ
黒族の国観光へと気分を変えることとなったわけなのです!
「ミヤ、よかった。君も無事だったんだね」
「えぇ何とか。他の闇人は?」
「大丈夫、何とかごまかせたみたいだよ。何人かあの光から逃げ遅れて消滅しちゃったみたいだけど」
闇人達は数人の犠牲者のみで助かっていた
「それにしてもあの双子の女神、何者なの?」
「あの双子、もしかしたらだけど、ご先祖様を殲滅したあの双子なのかもしれない」
「まさか、まだ生きていたの!?」
「女神になってるってことはどうやら神化したみたいだね」
ミヤは悔し気に歯を食いしばる
「もう少しで・・・。もう少しで復讐で来たって言うのに・・・。人間たちを操って戦争を起こさせる計画が全部水の泡よ!」
怒り狂って地団駄を踏む
そこに他の闇人達が集まって来た
「無事だったかミヤちゃん、こっちはアヤがやられた。消滅してはいないが力を完全に失っている」
「そんな、アヤが? あの子、攻撃の要だったのよ?」
「それが仇となったんだろうな。最前線に立って逃げるのも一番最後だったからな」
アヤは現在ただの人になっている
いくら闇の力を引き出そうとしても全く力を感じず、魔力すら練ることも敵わなかった
「仕方ないわ。あの子には隠れ里に戻ってもらいましょう。無為に命を散らせることもないわ。ここで私たちが滅んでしまってはご先祖様に会わせる顔がないもの」
「すいま、せんミヤ」
そこにフラフラのアヤが現れた
「大丈夫なのアヤ?」
「はい、力が出ないだけで他には影響ありません」
「でも無事でよかったわ。隠れ里でゆっくり休みなさい」
「役に立てなくてすいません」
悲しそうなアヤ
彼女も無念を晴らすためにこれまで頑張って来た
その頑張りは一瞬で無駄になってしまい、ミヤはふつふつと怒りが沸き上がって来た
「見ててねアヤ、必ず全部を滅茶苦茶に壊してあげるから。この世界の住人も、すべての世界を管理する神々も、何もかも壊して・・・。」
そして・・・
どうするのだろう?
ふとそんな疑問がわいた
自分たちはこの先全てを破壊してどうするのだろうか?
何もかも無くなった世界で、無の世界で
それは幸せなのだろうかと考えてしまった
「大丈夫かいミヤ?」
「え、えぇ、行きましょうクウダ」
闇人達は一旦体勢を整えるために闇人の隠れ里へと戻ることにした
そこは世界の狭間に造られた闇人のみが入れる空間だった
「はい、闇人討伐完了よ」
ルニア様が得意げに腰に手を当てて胸を張っている
「もう、ですか?」
「えぇ、彼らは全員消滅。メローの街も無事ですよ。それと妖精と人間たちも」
「あ、ありがとうございます!」
すごい速さで解決した
サニア様たちが黒の国を発ってから三時間ほどしか経っていない
なんにせよカスミや街の人達が無事でよかった
「あ、それと街の人間たち、洗脳されてたから解いておいたから」
「洗脳ですか!?」
「はい、どうやら人間を使って戦争を起こそうと画策していたみたいです。目標は精霊族の国のようでした。もし人間と精霊の間で戦争が起これば、全種族を巻き込んだ大戦になっていたかもしれません」
「そうか、それであの日以来全く動きがなかったのか。それにしてもシノノ達にも見つからないように動いていたなんて・・・」
「この世界の住人では彼らの動きを捕らえることは難しいでしょう。私達でようやく気配を掴めたくらいですから」
べリアスさんたちをもってしても見つけるのが難しかったってことなのか
それじゃぁシノノ達が見つけられないのも納得
「これでまた平和が訪れることでしょう。私たちはこれで帰りますね」
「サニア様、ルニア様、ありがとうございました!」
僕たちは心の底からお礼を言った
下手をしたらこの世界が丸々無くなっていたかもしれないんだ
サニア様たちには感謝してもしきれない
「いいのよ。可愛い姪っ子のためだもの。また会いたくなったら来るから、その時は歓迎してよね」
ルニア様は微笑んだ
なんて可愛らしい笑顔なんだろう
ん? 姪っ子? 誰が?
「姪っ子ってどういうことですか?」
「あれ? あなたシルフェインお姉様の娘なんでしょ? じゃぁ私たちにとっては姪っ子じゃない」
あ、そういうことなのか
神様はみんな同じ大神様から生まれたって聞いたから、皆兄弟姉妹ってことだもんね
「はい! またいつでも遊びにいらしてください!」
「敬語はいらないですよ。名前も呼び捨てで構いませんから」
「それじゃぁ・・・。サニアお姉ちゃんとルニアお姉ちゃんって呼ぶよ」
「うん、それでいいわ。またね、リディちゃん」
サニアお姉ちゃんたちはそのまま消えるようにしてこの世界から去って行った
危機が去ったことを母さんたちに伝え、シノノやエルフ、協力してくれていたすべての人に事態が終息したことと、お礼を言った
亡くなった妖精たちはアマテラス様が使わしてくれた神獣たちの力によって無事天へと魂が返っていったらしい
皆また妖精として転生することを希望しているらしいので、アマテラス様の計らいで記憶を持ったまま生まれなおしてくることが決まった
そう、またみんなに会えるんだ
ガンちゃんも大喜びだったらしい
よかったよかった。本当に
それから後処理に一週間ほど費やして、いよいよ
そう、いよいよですよ
黒族の国観光へと気分を変えることとなったわけなのです!
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