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新しい旅12
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次の階は多分最後
屋上になってた
洞窟なはずなのに空が見える
もちろん夜空だね
綺麗な星空を眺めていると、どこからともなく、くっ、くっという声が聞こえて来た
「な、なに?」
屋上を見回すと、人影が屋上の柵の前に見えて、それが急に柵を越えるとしばらくしてドサリと言う音がひびいた
「え? 落ち、え?」
するとまた影が現れて、ドサリと落ちた
「なななななに? どうしたらいいの?」
「たぶんですけど、あの落ちるのを止めればいいんじゃないですか?」
「止める・・・。触ってもいいのかな?」
「たぶん駄目だと思います。何せ捕まればゲームオーバーがここのルールですからねぇ」
「じゃあどうすれば」
「あ、ほら、あの手紙の人みたいに、何か原因を調べて取り除けばいいんじゃないですかね?」
「それだ!」
ひとまず屋上を隅から隅まで探してみる
でも何もない
広いけど見通しはいいから、何か落ちてればすぐわかる
階段のある所の屋根の上まで見たけど何もなかった
「これってもしかして」
「今までの階のどこかに、何かがあるのかもしれませんね」
うわああああああ、また戻るの!?
あの地獄を!?
「もどるしか、無いよね」
「ですねぇ」
とぼとぼと階段を降りる
柵扉を開いて前の階層に戻ると、あの霊の気配がなかった
どこにも徘徊していない
「あ、なんだ、もういないのね。じゃあ探すだけでよさそうだね」
私達は手分けして、あの屋上の霊が何を求めているのかを探し始めた
生徒っぽかったから、職員室や事務室にあるとは思えないけど、念のためね
全ての机や引き出し、ロッカーなんかもひっくり返して探したけど、それらしきものはなかった
というか使うためのアイテム以外は取れないみたい
テストの答案とかあったけど、それはなぜか指をすり抜けて取れないのよ
「こっちも何もなかったです。下に行きましょう!」
元気だなぁイチカさん
「よしっ! あと少しなんだ、頑張ろう」
さらに下の階へ
やっぱりここにも何もいないから、安心して教室を探せた
そんな中、一つの机に花の入った花瓶と、その横の手紙が目に入った
「さっきこんなの無かったよね?」
「ええ、ありませんでしたね」
と言うことはこの手紙がアイテムなのかも
よしこれで、とまあ、普通ならアイテムを一つ見つけたら試しに戻るけど、そこはこういうホラーゲームもやりつくしている私ですよ
念には念を入れて下の階も調べに行った
その結果、さらに下の階層へ続く階段が現れているのを発見したよ
「すごいですね。隠し階段ですよ!」
多分なんだけど、あの手紙だけじゃ解決しないと思うんだ。いやまあただの予測だったんだけど、それでも正解だったみたい
下の階に降りると、下駄箱だった
靴がたくさん入ってて、多分この中のどこかにもう一つのアイテムがあるんだと思う
アイテムを探して下駄箱の一つ一つを調べて行く
「ないなー、ここもここもない。えーっと、あとは・・・」
何かに見られてる気配がした
私は恐る恐る振り向くと、ぬぺっとした顔で、目も鼻もない、顔に口だけがある化け物が後ろに立っていた
「ひぃいいいいい!!」
恐怖のあまり叫ぶと、そいつは手を振り上げて襲って来た
ここにきて霊的な怖さじゃなくて、化け物的な怖さをぶつけて来るとは思わなかったよ!
辛くもハグを避けて、イチカさんと合流
「大丈夫ですかミア様!」
「う、うん、びっくりしただけ」
化け物はギギギと笑ってこっちに迫ってくる
速度は人が歩く程度
これならアイテムを探しながら逃げれそう
「私はこっちからこっちを調べるから、イチカさんはあっちの方をお願い!」
「あ、あの、これ」
「早くぅ!」
「あいえ、これがありまして」
イチカさんの手には一凛のチューリップが握られていた
「行きましょう!」
「うん!」
下駄箱から上の階への階段を登り始めると、後ろからベチャベチャと何かが這う音が聞こえる
さっきの化け物が形態を変化させて追ってきていた
「は、速い!」
普通の人間の足が速い人くらいには速くなってる
追いつかれないようにさらに走る速度を上げた
これでも猫だからね。走りには自信があるのよ
「駄目ですミア様! あいつまた変態しました!」
「変た、え? ああ、変態か、変わったってことね」
急にいうから別の意味かと思っちゃったよ
でも振り向くと、化け物は四つん這いで駆けだしていた
「ひわわわ! 怖い怖い!」
かなり怖い動きだ
グニャリと関節もてんででたらめに動いてるし
「乗ってイチカさん!」
私は猫に戻り、人が乗れるくらいに大きくなると、イチカさんを乗せて加速した
この形態ならあいつも追いつけない
グングン引き離して、屋上まで戻って来た
そして落ちる寸前の少女にアイテムを二つとも渡した
すると、影のようだった少女がくっきりして、人間と変わらない姿になった
「これは・・・」
手紙にはこう書かれていた
あの子が亡くなったのは君のせいじゃない
僕のせいなんだ。僕が彼女を振ってしまったから
どうやら前の階で成仏した少女に関連しているようで、この影の少女とその子は親友だったらしい
ただ、影の少女とその子は喧嘩別れをし、その翌日に、親友の子は亡くなった
自分のせいだと思ったこの影の少女は、責任を感じ、自ら命をってことらしい
「ありがとう、このチューリップはあの子との思い出の花なの。あなた達のおかげで理解できた。私、もう逝くね。あの子が待ってる」
影の少女はそれだけ言うと、光に包まれて消えた
すると私達も光に包まれ、気が付くと洞窟の外に出ていた
「転送魔法が働いたみたいですね。これでクリアのようです!」
はぁ、大変だったけど、ドキドキして、結果楽しかったね
「ミア! お帰り!」
フィオナちゃんが駆け寄って来た
どうやらもう彼女も大丈夫みたい
いやぁ、着き合わせちゃって悪いことしたなぁ
屋上になってた
洞窟なはずなのに空が見える
もちろん夜空だね
綺麗な星空を眺めていると、どこからともなく、くっ、くっという声が聞こえて来た
「な、なに?」
屋上を見回すと、人影が屋上の柵の前に見えて、それが急に柵を越えるとしばらくしてドサリと言う音がひびいた
「え? 落ち、え?」
するとまた影が現れて、ドサリと落ちた
「なななななに? どうしたらいいの?」
「たぶんですけど、あの落ちるのを止めればいいんじゃないですか?」
「止める・・・。触ってもいいのかな?」
「たぶん駄目だと思います。何せ捕まればゲームオーバーがここのルールですからねぇ」
「じゃあどうすれば」
「あ、ほら、あの手紙の人みたいに、何か原因を調べて取り除けばいいんじゃないですかね?」
「それだ!」
ひとまず屋上を隅から隅まで探してみる
でも何もない
広いけど見通しはいいから、何か落ちてればすぐわかる
階段のある所の屋根の上まで見たけど何もなかった
「これってもしかして」
「今までの階のどこかに、何かがあるのかもしれませんね」
うわああああああ、また戻るの!?
あの地獄を!?
「もどるしか、無いよね」
「ですねぇ」
とぼとぼと階段を降りる
柵扉を開いて前の階層に戻ると、あの霊の気配がなかった
どこにも徘徊していない
「あ、なんだ、もういないのね。じゃあ探すだけでよさそうだね」
私達は手分けして、あの屋上の霊が何を求めているのかを探し始めた
生徒っぽかったから、職員室や事務室にあるとは思えないけど、念のためね
全ての机や引き出し、ロッカーなんかもひっくり返して探したけど、それらしきものはなかった
というか使うためのアイテム以外は取れないみたい
テストの答案とかあったけど、それはなぜか指をすり抜けて取れないのよ
「こっちも何もなかったです。下に行きましょう!」
元気だなぁイチカさん
「よしっ! あと少しなんだ、頑張ろう」
さらに下の階へ
やっぱりここにも何もいないから、安心して教室を探せた
そんな中、一つの机に花の入った花瓶と、その横の手紙が目に入った
「さっきこんなの無かったよね?」
「ええ、ありませんでしたね」
と言うことはこの手紙がアイテムなのかも
よしこれで、とまあ、普通ならアイテムを一つ見つけたら試しに戻るけど、そこはこういうホラーゲームもやりつくしている私ですよ
念には念を入れて下の階も調べに行った
その結果、さらに下の階層へ続く階段が現れているのを発見したよ
「すごいですね。隠し階段ですよ!」
多分なんだけど、あの手紙だけじゃ解決しないと思うんだ。いやまあただの予測だったんだけど、それでも正解だったみたい
下の階に降りると、下駄箱だった
靴がたくさん入ってて、多分この中のどこかにもう一つのアイテムがあるんだと思う
アイテムを探して下駄箱の一つ一つを調べて行く
「ないなー、ここもここもない。えーっと、あとは・・・」
何かに見られてる気配がした
私は恐る恐る振り向くと、ぬぺっとした顔で、目も鼻もない、顔に口だけがある化け物が後ろに立っていた
「ひぃいいいいい!!」
恐怖のあまり叫ぶと、そいつは手を振り上げて襲って来た
ここにきて霊的な怖さじゃなくて、化け物的な怖さをぶつけて来るとは思わなかったよ!
辛くもハグを避けて、イチカさんと合流
「大丈夫ですかミア様!」
「う、うん、びっくりしただけ」
化け物はギギギと笑ってこっちに迫ってくる
速度は人が歩く程度
これならアイテムを探しながら逃げれそう
「私はこっちからこっちを調べるから、イチカさんはあっちの方をお願い!」
「あ、あの、これ」
「早くぅ!」
「あいえ、これがありまして」
イチカさんの手には一凛のチューリップが握られていた
「行きましょう!」
「うん!」
下駄箱から上の階への階段を登り始めると、後ろからベチャベチャと何かが這う音が聞こえる
さっきの化け物が形態を変化させて追ってきていた
「は、速い!」
普通の人間の足が速い人くらいには速くなってる
追いつかれないようにさらに走る速度を上げた
これでも猫だからね。走りには自信があるのよ
「駄目ですミア様! あいつまた変態しました!」
「変た、え? ああ、変態か、変わったってことね」
急にいうから別の意味かと思っちゃったよ
でも振り向くと、化け物は四つん這いで駆けだしていた
「ひわわわ! 怖い怖い!」
かなり怖い動きだ
グニャリと関節もてんででたらめに動いてるし
「乗ってイチカさん!」
私は猫に戻り、人が乗れるくらいに大きくなると、イチカさんを乗せて加速した
この形態ならあいつも追いつけない
グングン引き離して、屋上まで戻って来た
そして落ちる寸前の少女にアイテムを二つとも渡した
すると、影のようだった少女がくっきりして、人間と変わらない姿になった
「これは・・・」
手紙にはこう書かれていた
あの子が亡くなったのは君のせいじゃない
僕のせいなんだ。僕が彼女を振ってしまったから
どうやら前の階で成仏した少女に関連しているようで、この影の少女とその子は親友だったらしい
ただ、影の少女とその子は喧嘩別れをし、その翌日に、親友の子は亡くなった
自分のせいだと思ったこの影の少女は、責任を感じ、自ら命をってことらしい
「ありがとう、このチューリップはあの子との思い出の花なの。あなた達のおかげで理解できた。私、もう逝くね。あの子が待ってる」
影の少女はそれだけ言うと、光に包まれて消えた
すると私達も光に包まれ、気が付くと洞窟の外に出ていた
「転送魔法が働いたみたいですね。これでクリアのようです!」
はぁ、大変だったけど、ドキドキして、結果楽しかったね
「ミア! お帰り!」
フィオナちゃんが駆け寄って来た
どうやらもう彼女も大丈夫みたい
いやぁ、着き合わせちゃって悪いことしたなぁ
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