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新しい旅9

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「お前の足をよこせぇええええ!!」
「返せじゃなくなってる!?」
「あっちの部屋に入りましょう! 多分さっきの部屋と同じく入ってこれないはずです!」
「うん!」
 教室に入ってすぐドアを閉めると、先ほどと同じく扉をバンバン叩き、ひとしきり叫んだあとまたどこかへと行ってしまった
「怖いよぉ・・・」
「ミアさんでも怖いんですね。フィオナさんは・・・。目を覚まさないですね」
 気絶しっぱなしで目を回しているフィオナちゃんをまたシーツの上に寝かせ、教室の中を物色する
「あ、何かありました」
「どれどれ?」
 イチカさんが教壇の机の中から見つけたのは、手紙だった
「なんの手紙かな?」
 手紙を開いて読んでみる
「えっと・・・。あなたが亡くなってから、日々の彩が消えてしまった。確かにあの時僕は君のことをふってしまった。それは、君が嫌いだからじゃないんだ。まだ早いと思ったから。僕がもっとちゃんと言えばよかったんだ。幼いころから一緒にいた君、今更遅いけど、僕は君が好きだ・・・。ラブレターみたいですねこれ」
「なんでこれが入ってたんだろう? でもここに入ってたってことは、何か・・・」
 私は手紙の中身を反芻しながらロッカーを開ける。するとそこには血まみれの左足が入っていた
「あった! これでいけそうだよ!」
「はい!」
 フィオナちゃんを背負うと教室を出る
「みーつーけーたー」
「ひぃいいいい!」
 奴は上にいた
「あああああ足! 足を投げて!」
 イチカさんが両足を霊に投げる
「おおお、おおおおおお!! 私の足、ああああ」
 霊は足を嬉しそうにつかみ、自分につけた
「ほっ、これで」
「ヒヒヒヒヒヒヒヒ!!! 次は、お前の足をぉおおおお!!」
「全然ダメじゃん!」
 慌てて走り、廊下の奥へ
「ミアさん! そっちは行き止まりです!」
「あ」
 壁があり、追い詰められてしまった
「く、ここまでか」
「そうですミアさん! さっきの手紙が使えるんじゃないですか!?」
「あ、そうだ!」
 私はポケットから手紙を取り出して、霊に投げた
「あ、ああ、これ、は・・・」
 霊は手紙を広げて読み始める
「ああああ、そう、そうだったのね・・・。私の早とちりで、私の勘違いで・・・」
 すると霊の姿から醜悪さが消え、おさげに眼鏡のおとなしそうな可愛い女の子に変わった
「ありがとう、私は幼馴染に振られたと思って、飛び降りて死んでしまったの。この手紙、彼からの手紙だった。もう遅いけど、私がこんなことをしていれば、彼も悲しむわね・・・。ありがとうあなた達。次の階への階段はそこよ」
 彼女が指さす方向に突然階段が現れた
 どうやら彼女を浄化しないと次に行けない仕様だったらしい
「これで次に行けますね! じゃあまたねマキちゃん」
「ちょ、ダメでしょばらしちゃ! もうイチカは、まったく、まったく!」
「あははは」
 イチカさんは本名をばらされたことを怒られ、私は苦笑しつつ階段を上がって行った
 あの異世界人、私と話が合いそうだね
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