猫になったから気ままに暮らしたい

決戦32

　フィオナちゃんの力を警戒し、大きく離れるオワリ
　今までの余裕そうな顔が嘘のように悔しさに歪んでいる
「お前！　何なんだお前は！　私の体に傷をつけるなんてありえない！」
　私達は一斉にフィオナちゃんの援護にまわる
「ファンタジーペイン！」
　タルニャの攻撃が直撃
　油断していたのかまともに食らったみたい
「ぐ、あああ！！」
　オワリは頭を抱えて悶え、苦しんでる
「アムル、エイト！」
　愛の力がふんだんに込められた八連の斬りつけ
　身体強化を極限まで高めているため、周囲に爆風が起きるほどだった
「あが、くそ、生意気に！！」
　オワリの体はバラバラになったけど、体の切り口から黒い靄が漂い、バラバラになった部位が宙に浮いて再びつながった
「痛い、痛い、痛いぃい！！」
　不死身なのかと思ったけど、ダメージはしっかりと通ってる
　倒せない訳じゃない！
「クーピートゥアーチェ！！」
　フィオナちゃんの剣が弓に変わり、そこから雨あられとハート型の矢が降り注いでオワリとを地面に縫い付ける
「ぐううう！！」
　オワリはブチブチと自分の体を千切りながら地面から剥がれると、黒い靄に体を変えてアンジュさんの後ろに現れて、背中からお腹に向けて腕で貫いた
「かふっ」
　アンジュさんの目から光が消える
「アンジュ！」
　助けようとしたケイジさんの胴体がちぎれ飛んで上と下で別れ、地面にドチャリと倒れた
「ぐ、がはっ」
　二人共まだ息はあるけど、今にも死んでしまいそう
「ファンタジ」
　二人を空想の力で治そうとしたタルニャが胸元を斬られ、吹っ飛んでいく
「私が本気を出すのに、お前らは邪魔」
　オワリの体にまだわずかに残っていた瘴気が集まる。それどころか世界中から瘴気が彼女の体に集まっているみたい
「ふーーー」
　息を深く吐くオワリ
　瘴気を吸収し終わった彼女は、少女の姿から大人の女性へと変わっていた
「さて、完全体ってところかな？　確かにあんたの力は私への脅威になってるけど、もう関係ない。それ以上の再生であの程度の傷ならなかったことにできる。万策尽きたね？」
　ニタッと笑い、オワリは手を振るい、吹っ飛んでいたタルニャにとどめを刺した