猫になったから気ままに暮らしたい

決戦24

　天使になって戻って来たタルニャを見て全員が驚く
「まさか、女神様の眷属になって戻ってくるなんて。完全に死んでしまったと思っていました」
「わたくしもそう思いましたわ。でも魂だけが導かれて、神界へといざなわれたんですのそこにいた空想の女神様のお美しいこと・・・。わたくしは体を失い、この姿はミアと同じくアストラルボディ、精神生命体ですの」
　タルニャは完全に天使として覚醒しているうえ、空白の魔神によって元の体は完全に消滅している
　再生不可能なほどに
「天使ってことは、神様に使えるの？」
　ワサビが無邪気に聞く
「ええ、そうですわ。ですからこの戦いが終わればわたくしは、空想の女神プリシラ様に仕えます。もう、普通のドワーフとしては、暮らせませんから」
　悲しそうな顔をするミミとヴォルカン、そして訳が分からないと言った表情のワサビ
　そんな彼女たちを見てあわてるタルニャ
「で、でも時々は降りていいとのことでしたので、皆さんにも顔を見せますね。それに、お父様や叔父様にも会いたいですし。ともかく今は、魔神とそれを操る者を討つことに集中しましょう」
「そうね。戦いが終わればいくらでも話せるもの」
　勇者としての力は失ったものの、天使として空想の神力を使えるようになったタルニャを先頭に走り出す
　魔神は奥へ進むほど強くなっており、ここからさらに戦いは激化することは間違いない
　中でも古代の魔王合わせて最強だったと名高い魔王も復活している可能性が高いことが、勇者たちの情報網によって解明されている
　数度姿が目撃されただけでその信ぴょう性を高くしているほどに異質な魔王
　異界の魔王と呼ばれ恐れられた魔王、ナジュカ
　あまりにも恐ろしい姿であるために伝承にも残っており、史上最も被害を出した魔王
　当時の勇者や聖人、聖女、英雄や大英雄、異世界人、転生者、その全てが力を合わせなければ倒せなかった存在
　黒い少女の側近であるのは確実と考えられている
　ほぼ間違いなく死者が出るのは避けれないと、勇者たちは覚悟していた