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フィオナ1

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 バララスラ王国
 フィオナはここで自信の力を探ろうと、王立図書館へと来ていた
 勇者認定はされているため、勇者であることは確実だが、今までは自身の力量と勇者装備の性能に頼った戦いをしてきていた
 今まで出会った勇者たちは、タルニャを除いて必ず勇者としての力を発揮して戦っていたわけだが、やはり限界
 魔神相手には手も足も出なかった
「フィオナ、これ見て」
 フィオナの力覚醒のためにメアリーとエルヴィスはそれぞれ情報を調べていた
 メアリーとフィオナは手分けして王立図書館に来ていたというわけだ
「これは、バララスラの歴代勇者記録?」
「ええ、三代目からだけど先代までの記録が乗ってるわ」
 ぺらぺらとページをめくって行く二人
 それぞれがどんな時代に生きて、何を成したかなどや、能力の説明などが細かく書かれている
「幸運の勇者ラキ、彼岸花の勇者ルコル、点と線と円の勇者カアル・・・」
 勇者はそれぞれその能力に起因した二つ名を与えられている
 覚醒の仕方も書かれているが、大体が迷宮によるものだった
 幾度か迷宮に挑んでクリアはしているが、未だ覚醒していないフィオナ
 この国には迷宮がないため、どこかの、自分の力に会った迷宮に挑戦すれば覚醒出来るかもしれない
 迷宮以外にも、死にかけたときに覚醒したり、誰かを守るために覚醒したりと、覚醒方法もいくつかあるようだった
 
 いくつかヒントを掴めたフィオナは、ともかく迷宮に挑戦してみることにした
 この辺りで一番近くにある迷宮はどこかと調べていると、エルヴィスが二人の合流した
「二人共、帝国へ行こう」
「帝国へ? どうして?」
「迷宮に挑戦するんだ。聞いた話によると、帝国の勇者もこれから挑戦しようとしてるみたいなんだけど、まだ幼いから仲間を募集してるみたいなんだ。確か、剣の勇者ワサビだったかな?」
「なるほど、それは渡りに船ね! 今私達も迷宮に行こうって話になってたの」
 三人はうんとうなづきあうと帝国を目指し、山脈を越えるワイバーンが引く馬車へと乗り込んだ
 帝国が元に戻ってからというものの、国交も回復したため、盛んに交易がおこなわれていた
 このワイバーンの馬車もその一環と言うわけだった
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