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魔王の王26
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魔術都市スネデンに到着したとたん突然私達の前に和風鎧を着たお姉さんが現れた
あまりにも唐突すぎて誰も反応できなかった
「て、敵!」
「違う違う! 拙は敵ではない! ほれ、見たことあるであろう?」
「いや知らないですけど」
がっくり肩を落とす武者お姉さん
「そう、で、ござるか」
「どなたですか?」
「一度会っているというのに・・・。拙はサミダレの勇者アラマキ、にござる」
「アラマキさんって、あの!? 勇者の中でも最強と名高い」
「そうでござる! 拙こそ最強の勇者アラマキにござる! 知っておったか少年!」
そう言えばサミダレ国にも勇者がいるって聞いてたっけ
でも一度会ってるって、どういうことだろ?
あの時会ったのはトガツメヒメとそのお付きの人だけだったはず
「あの、サミダレのどこで会いましたっけ?」
「本当に覚えておらんのだな。拙と廊下ですれちがったであろう」
「いやそんな一瞬のこと覚えてないですよ! 武者の恰好した女性結構いましたし!」
「そ、そう、か・・・。この鎧、拙の勇者武具なんだけどなぁ」
しょぼんとするアラマキさんはかなり可愛いけど、聞いてたイメージとちょっと違う
真面目で愚直で、悪に対しては厳しくて、任務を切々とこなす鋼の女ってイメージだったんだけど
今見た感じだとどこか抜けた気のいいお姉さんって感じ
年齢は、若い・・・。十七歳だ
鎧のせいでもう少し年上に見えるけど、目元とか見たらちゃんと年相応の少女だ
「それで、そのアラマキさんが何の用ですの?」
「うむ、実は母う・・・、トガツメヒメ様の命を受けて魔王がなぜ復活しているのかを調査にきたのだが、お主たちが一番復活魔王との接触率が高い。何か掴んでおるやも、と思ってな」
「確かに結構な頻度で遭遇してるけど、自我を保ってなかった魔王は倒しちゃったし、自我をちゃんと持ってて、味方になってくれた魔王や古代の魔王はあまり情報を持ってなかったよ。あ、こういうのは落ちてたんだけど」
私は尻尾で空間から黒い液体の入った小瓶を取り出した
復活した魔王を倒したりしたときにたまに出て来るこの変な液体
液体なのは間違いないけど、その性質はスライムみたいな流動する何か
私でも鑑定できないから小瓶に入れてしまっておいたんだよね
「ほほぉ、これは興味深いでござる」
「分かるの?」
「全くわからん! なにこれ」
全員ずっこける
「ともかく重要な物に間違いはないのであろう。拙の能力じゃ全く何かは分からんが、この街ならば調べれる者もいるのではないか?」
「だから私達この街に来たんですけど?」
「・・・。そうか! よし、拙もついて行こう」
「はぁ、まぁいいけど」
こうしてアラマキさんを加え、街へと入ったのでした
あまりにも唐突すぎて誰も反応できなかった
「て、敵!」
「違う違う! 拙は敵ではない! ほれ、見たことあるであろう?」
「いや知らないですけど」
がっくり肩を落とす武者お姉さん
「そう、で、ござるか」
「どなたですか?」
「一度会っているというのに・・・。拙はサミダレの勇者アラマキ、にござる」
「アラマキさんって、あの!? 勇者の中でも最強と名高い」
「そうでござる! 拙こそ最強の勇者アラマキにござる! 知っておったか少年!」
そう言えばサミダレ国にも勇者がいるって聞いてたっけ
でも一度会ってるって、どういうことだろ?
あの時会ったのはトガツメヒメとそのお付きの人だけだったはず
「あの、サミダレのどこで会いましたっけ?」
「本当に覚えておらんのだな。拙と廊下ですれちがったであろう」
「いやそんな一瞬のこと覚えてないですよ! 武者の恰好した女性結構いましたし!」
「そ、そう、か・・・。この鎧、拙の勇者武具なんだけどなぁ」
しょぼんとするアラマキさんはかなり可愛いけど、聞いてたイメージとちょっと違う
真面目で愚直で、悪に対しては厳しくて、任務を切々とこなす鋼の女ってイメージだったんだけど
今見た感じだとどこか抜けた気のいいお姉さんって感じ
年齢は、若い・・・。十七歳だ
鎧のせいでもう少し年上に見えるけど、目元とか見たらちゃんと年相応の少女だ
「それで、そのアラマキさんが何の用ですの?」
「うむ、実は母う・・・、トガツメヒメ様の命を受けて魔王がなぜ復活しているのかを調査にきたのだが、お主たちが一番復活魔王との接触率が高い。何か掴んでおるやも、と思ってな」
「確かに結構な頻度で遭遇してるけど、自我を保ってなかった魔王は倒しちゃったし、自我をちゃんと持ってて、味方になってくれた魔王や古代の魔王はあまり情報を持ってなかったよ。あ、こういうのは落ちてたんだけど」
私は尻尾で空間から黒い液体の入った小瓶を取り出した
復活した魔王を倒したりしたときにたまに出て来るこの変な液体
液体なのは間違いないけど、その性質はスライムみたいな流動する何か
私でも鑑定できないから小瓶に入れてしまっておいたんだよね
「ほほぉ、これは興味深いでござる」
「分かるの?」
「全くわからん! なにこれ」
全員ずっこける
「ともかく重要な物に間違いはないのであろう。拙の能力じゃ全く何かは分からんが、この街ならば調べれる者もいるのではないか?」
「だから私達この街に来たんですけど?」
「・・・。そうか! よし、拙もついて行こう」
「はぁ、まぁいいけど」
こうしてアラマキさんを加え、街へと入ったのでした
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