猫になったから気ままに暮らしたい

魔王との戦い40

　少し進むと急に明かりがともった
　おお、未来的な廊下だ！
　壁全体が光ってるんだけど、ところどころに黒いタールのようなものがこぼれてたり、壁を汚したりしてる
　この匂いが機械油の匂いだ
　なんでこんなに汚れ、て・・・
　ウィーーーーン
　何かが走って来た
　うっわこっわ！　なにこれ！　多脚がグネグネと動いて、真っ赤な目が光って、それで、何この気持ちの悪いフォルムは！
　明らかに敵！　見まごうことなく敵！
　それはグネグネとした触手のようなアームを動かしてこちらに向かってくる
「魔物！　みんな迎撃！」
　フィオナちゃんの号令で一斉に構える
「とりゃああですわ！」
　盾をぶん回すタルニャ
　伸びてきたドリル型アームをはじき返した上にドリルを破壊
「カード魔法、スラッシュ！」
　エルヴィスが丸ノコがついたアームを切り落とす
「エアリアルブレイド！」
　メアリーがビームのような物を放出しているアームを切り裂く
「セイヴクレッシェンド！」
　フィオナちゃんが上に斬り上げて私達を捕まえようとしている最後のアームを真っ二つにする
「仙力、崩壊肉球！」
　私は掌手のようにその機械魔物の本体を叩いた
　するとバゴンと内部から破壊されて、魔物は沈黙した
　機械だったけど、こんな気持ちの悪い魔物が今後も出てくるとなると気が滅入るかも
　強さはそれほどじゃなかったけど、精神的にやられる
「次、来てる！」
　ほっとしたのもつかの間、フィオナちゃんが魔物が迫ってるのを教えてくれた
　また同じ魔物だったから、同じような方法で難なく倒せたよ
　奇怪奇怪
　名前の通りかなり奇怪なダンジョンだね
　機械魔物たちの気持ち悪さもさることながら、このダンジョンもちょっと不気味
　機械油のような臭いがずっとしてるし、明るいかと思えば薄暗いところもあって、角から何かが飛び出してきそうな、なんだろう？　ホラーゲームの世界に入り込んだかのような感じ
　でもこの最奥にいる機械獣を倒しに行かなくちゃね