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転生者6

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 クピトダンジョン
 クピト山にあることからそう名付けられた
 単純な構造ながら、周辺国の勇者が最初の試練として訪れることが多い
 最深部ではその勇者に見合った装備が手に入る
 メシア装備と呼ばれ、フィオナちゃんはメシアスーツとのこと
 何故わかるかというと、それは森エルフたちがこのダンジョンの管理者だから
 バララスラの勇者はメシアスーツと決まってるらしい
 まあメシアスーツ自体が装備した人の力に応じて能力が変わるスーツだから、フィオナちゃんが着用したときに、お父さんと同じ力になるとは限らないんだけどね
「ゴクリッ」
 フィオナちゃんが息を飲む
 緊張するよね、仕方ないね
 恐る恐る私達は扉を開いて中に入る
 途端に扉は閉まってしまい、辺りは暗闇に包まれる
「うわわわわ、暗い怖い! 助けて!」
「落ち着いてエルヴィス」
 エルヴィス君暗所恐怖症なのかな?
 あ、でも大丈夫そう。松明がボボッと灯った
「おうっふ、びっくりしたあ」
 エルヴィス君はカード魔法を構えてた
「あ、奥に道が続いてるわ」
 メアリーは松明じゃ足りない明かりを光魔法で補ってくれる
 うん、普通に昼間くらい明るくなった
「じゃあ進みますか。先頭は私に任せて。探知しながら進むからね!」
 クンカクンカと匂いを嗅ぎながら進む
 猫なのに犬のよう
 別に探知するのに嗅ぐ必要ないんだけど、雰囲気は大事よ
「クンカクンカ、こっちだよ!」
 まっすぐだから別にそんなこと言う必要ないんだけど、雰囲気は大事よ
 とにかくまっすぐ進むと、少し開けた場所に到着
 その中央に鎧が一個転がっていた
「あれがメシアスーツかな? うーん、だとしたら早すぎる気がする」
「気を付けて、探知に敵性反応。あれ魔物だよ」
 わたしはその鎧に近づくと、空爪で引っ掻く
 すると鎧ががたがたと動き出して組みあがった
「鎧型魔物。アンデッドの一つ、リビングデッドだよ」
 リビングデッドは鎧の持ち主が死んで魂が取りついたもの
 鎧が本体になってるから一応物理攻撃も効くんだけど、結構硬いから普通は光魔法の一つの浄化魔法で倒すんだ
 まあそこはね
「ホーリー」
 メアリーが一撃で倒しちゃった
 これなら順調に進めそうだね
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