猫になったから気ままに暮らしたい

転生者5

　歩いて三十分くらいでダンジョンの入り口に到着
　その間アシュト君と色々お話ができた
　まず彼は日本で高校生だった
　意外と充実した毎日を送っていたけど、ある日海で泳いでいたところを波にさらわれて亡くなった
　気づくと赤ん坊の姿で森エルフに転生していたんだって
　あ、転生前に一応バステト様に会ってたみたい
　何になりたいか聞かれ、エルフが大好きだった彼は自然と共に生きる森エルフになった
　転生者や異世界人には特有で固有のスキルが生まれるんだけど
　あ、生まれるってのはバステト様の加護とは違って、世界を渡る時に体が変化して、その時に生じた力がスキルとなる
　これはバステト様に教わったことだけど、実のところ完全に解明されたわけじゃないんだって
　ただ地球から転生、転移してきた人たちには強いスキルが生じやすいみたい
　で、そのアシュト君の力なんだけど、絶対防御領域って言うスキルで、範囲を指定して超強力な結界を張れる力
　見せてもらったけど、今の私の力で打ち破るイメージが全くわかない
　メアリーの魔法や、フィオナちゃんの勇者の力でもまだまだ無理だと思う
「結構頑張って力を強化したんですよ。まあこの辺りじゃそれくらいしかやることないですしね。あ、森エルフの瞑想って知ってます？　これいいですよ。心が落ち着いて、自然と一体となる。精霊達との対話もたのしいですし」
　結構話すなこの子
「へー、ミアさんって女子大生だったんですかぁ。きっと素敵なひとだったんだろうなぁ。てかそのストーカー許せないです！」
「いやいやそんないいもんじゃなかったよ私は。ただの本の虫だったし」
　弾む会話で三十分なんてあっという間だった
　そしてダンジョン前
「僕はここまでです。頑張ってくださいね！」
「ありがとうアシュト君」
　さて、それじゃあいっちょやったりますか！