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旅11

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「っち、こいつじゃ出力不足だったか。まあいい、今日は君たちの戦力を見に来ただけだ。いいデータが取れたよ」
「あなた、何者?」
「僕だけ情報をもらうのもフェアじゃない。だから君たちにも一つ、情報をあげよう。僕らは魔王様配下の異世界人。マデュラステラだ。まあ、君たちに敵対する組織だと思ってくれて構わない」
 こいつが、悪い異世界人ってことだ・・・
 それもこれだけの技術を持ったやつが所属してる
「僕らの数は多分、異世界人同盟と同じくらい、かな?」
「なんで情報を教えたの? あんたにメリットなんてないでしょ?」
「ん~? だってその方が面白そうじゃない。何もわからない奴をただ一方的に蹂躙するのなんて面白くない。異世界人同盟と力が拮抗してる今も面白くない。こちらが逆境であればあるほどさ、面白そうじゃない? ゲームでもそうでしょ?」
 それだけ言うとフードの少年もしくは少女はシュビンと、銅像と共に目の前から消えてしまった
 マデュラステラは魔王の配下って言ってた
 やっぱり魔王はいるってことになる
「魔王の、配下・・・」
 フィオナちゃんもそこが気になっているみたい
 もしその魔王が、フィオナちゃんのお父さんが倒したバグクイーンだとしたら、あり得ないことなのよね
 彼女は配下を自分の子供達である昆虫型魔物で固めていて、人間は全て敵として見ていた
 まあ操られる人間はいたけど、あいつはそんな感じじゃなかったね
 人間を配下として使うなんてことはそう、ありえない
「取りあえずもどろっかミア」
「うにゅ」
 街に戻ると歓声で迎えられた
 どうやら私達が勇者パーティーだってことが知られたみたい
「こんな小さな子が勇者とは、見かけによらないねぇ。街を守ってくれてありがとうね。ほら、猫ちゃんにこれ」
 おお、これはかつお節! さすが海がちかいだけはあるね
 香り最高!
「まさか銅像が魔物だたとは、いやはや、誰も気づかなかったよ」
「それは仕方ないですよ。あれ、魔力がなかったですから」
「魔力がない? そんな魔物がいるのかね?」
「うにゅ、あれはロボットという異世界の・・・。魔物みたいなもんだよ。悪い異世界人が操ってたから間違いない。それと・・・。あなたギルドの人だよね? 今すぐ全世界のギルドに通達して。魔王が復活してるって」
 それで街は大騒ぎになった
 いずれみんなが知ることだから早い方がいいよね
 ギルド職員らしきお姉さんをたまたま見つけたからついでに報告しておいた
 これから世界が騒がしくなるね
 私達も忙しくなるし、それに・・・
 私達以外の勇者たちもね
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