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猫の力54

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「まずこんにちは! うちの名前はクロっす! うちらの国は猫の猫による猫のための国で、多くの猫、猫魔物、猫妖怪、猫妖精に猫精霊が住んでるっす。王様はいないっすが、うちのじっちゃが同じようなことしてるっす。つまりうちは王女っす! あ、そこはどうでもいいっすね。ともかくうちのねえちゃんが言ってたんす。あ、うちのねえちゃんは予言ができるんすよすごいでしょ! で、そのねえちゃんが、三年前に、女神の加護を受けた猫魔物が生まれ、勇者と共に世界を救うって言ってたんすよね。そのあとバステト様が直々にバステト教会に降臨されて、加護を与えた子をよこしたからみんなで育てるのじゃぞって言ってたっす。それがあなたってことっす!」
 まくし立てるように一気に話し終えたクロ
「猫って皆話すの?」
 混乱して変なことを言うエルヴィス君
 もちろん話すに決まってるのにね
「それで、私が行ってどうしろと?」
「さぁ? ああああ!! そう言えば連れて来いとも言われてなかったっす! じっちゃからは様子を見て来るようにって・・・。失敬っす! あああ、なんでこう早とちりばかりしちゃうんすかね? やっぱりうち可愛いだけのだめだめ猫精霊っす・・・」
 あ、自分で可愛いって言っちゃうタイプなんだ
 まあすごく可愛いんだけどね
「それで、クロはこれからどうするの?」
「え? うーん、会えたから帰るっす。そういえばお昼寝の途中だったっす。それじゃあまた会おうっす! 気がむいたら猫王国に来て欲しいっすよ!」
 クロはそれだけ言って目の前から黒い靄と共に消えた
 鑑定で見てみたけど、彼女は闇の猫精霊という特殊な種族だった
 可愛い上に強いし精霊。今世界で起こってる問題が解決したあかつきには絶対行こう、猫王国
 その名の通り猫だけの王国っぽいし
「ねね、猫王国って遠い?」
「私知らない」
「私も」
「僕も知らないや」
 ・・・
 本当にあるのかな?
 ともかく突然の訪問者があってあたふたしたけど、私達は無事旅立ったのでした
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