555 / 612
第十六章 三年目の始まり
心の中の切れる音
しおりを挟む
「終わったのか……」
アークバルトがやや呆然とつぶやいたのを聞いて、ユーリは苦笑した。
つい先ほどまで苦戦していたように見えたのに、一瞬で勝負がついてしまったのだから、その気持ちは分かる。
「警戒していたのは確かです。僕たちが戦ったマンティコアと違うことも多かったですから」
アレクもバルももしも魔剣を使っていれば、最初の剣技を放った時点で相手を倒せていた。そもそも、周囲に人さえいなければ、リィカが一人で三体とも倒しきることだってできただろうと思う。
けれどそこまでは言わず、ユーリは自らが作った《結界》に手を触れる。アレク、バル、リィカの顔を見て、そして《結界》を解除した。
「いけっ!」
その瞬間、リィカが魔法を放つ。凝縮魔法だ。同時にアレクが駆け出して、バルとユーリが後を追う。
リィカも駆け出そうとして、足にズキッと痛みが走る。すっかり忘れていたが、《強化・速》の効果を強引に押さえ込んだせいで、足が痛かったのだ。
走るのを諦めて、放った魔法に集中する。放ったのは一発だけだ。狙いは、物陰から隠れるようにこちらの様子を見ていた一人の人物。
「ギャンッ!」
気付かれていると思っていなかったのか、自分が狙われるとは思っていなかったのか。逃げるそぶりすら見せず、リィカの魔法がその男に命中した。
※ ※ ※
アレクは、リィカの魔法が命中して倒れた男に剣を突きつけ、観察する。
魔族ではなく人間だ。それは間違いない。フードを被っているが、それは外れているから、肌も髪の色も耳も、よく見えるから間違いない。
「ヒィッ!?」
抜き身の剣を目にして悲鳴を上げても、逃げる気配さえない。見た目からして戦闘向きではないと思ったが、おそらくその通りだろう。
リィカの気配がすぐ追いついてこないので、どうしたのかとチラッと見ると、足を痛そうに引きずって歩いている。どうかしたのか、と心配になるが、すぐ目の前に意識を戻した。
「あのマンティコアは、お前の仕業だな?」
「ヒェッ!?」
「悲鳴はいいから、答えろ」
「ヒイィィィィッ!」
「……………」
すっかり怯えてしまっている男に、アレクは対処に困る。だからといって、剣を突きつけるのをやめて逃げられるのも問題だ。
バルとユーリに視線を向けてみるが、二人とも処置無しとでも言いたげに、首を横に振るだけだ。
(どうしろって言うんだ……?)
困り果てたアレクだが、救いの声は別の所からやってきた。
「アレク、今兵士がこちらに向かっている。そちらに引き渡そう」
「兄上」
アークバルトだ。兵士とは、要するに軍のことだろうか。倒してしまったから、軍が来てもやることがない……というわけではなく、諸々の後片付けにも必要だ。
「念のための確認だけど、こいつがあのマンティコアを放ったのか?」
「今のところ、おそらくですけど。ですが、この学園内に外部の人間がいる時点で、十分怪しいと思います」
「そうだね。仮にマンティコアと関係なかったとしても、どうやって入り込んだのか、それを聞き取る必要はあるね」
アークバルトのうっすらした笑いに、アレクの背筋に冷たいものが走る。何となく、その雰囲気が父王と似ている気がして、アレクは目を泳がせた。
とりあえず、学園の教師が持ってきてくれた縄で、その男を縛る。
そして話がどう広まったのか、かなりの生徒たちが集まって賑わっている場を見ながら、アレクはユーリを見た。
「怪我人は?」
「一番怪我が重かった人は治りましたよ。それ以外は、これから確認します」
「……そうか」
安心していいのかどうか分からないが、少なくともユーリがこうしているということは、緊急性はないのだろう。
そう判断して、やっと近づいてきたリィカに視線を送った。
「リィカは、足をどうしたんだ?」
「え?」
気付いてなかったらしいユーリが声をあげる。リィカは困ったように笑った。
「みんなが来る前に、マンティコアを引き離そうと思って、《強化・速》を使ったの。でも、思ったより動きが速くて無理だなって思って」
魔法の効果で強引に引き上げられた速さで動く体を、強引に押さえ込んだ。そのせいで足に負担がかかってしまった。
「大丈夫だよ、ちょっとたてば治るから」
そう言って笑うリィカを、アレクはジッと見る。これがいつもなら、早くユーリに回復してもらえと言うのに、その言葉が口から出てこない。
「――あの、アレク」
リィカの表情が、不意に真剣なものに変わった。
「今日授業が終わったらね……ちょっと話、いいかな」
言いにくそうにしながら、その目に悲痛なものがあるような、そんなリィカにアレクは心の中の何かが切れたような気がした。
「分かった。――じゃあ、今から行くか」
「え?」
リィカの疑問を無視して、その体を横抱きに抱き上げる。何か言われる前に、アレクが先手を打った。
「こんな騒ぎになったんだ、今日の授業はもうやらないだろう。行くぞ」
抱き上げたまま、さっさと歩き出す。バルやユーリの呼び止める声がしたが、チラッと見るとアークバルトが二人を止めていた。
抱き上げられたリィカは、驚いたように動こうとして「いたっ」と小さくつぶやいて動きが止まる。
結局、顔だけ上げてアレクを見た。
「アレク、行くってどこ行くの!?」
「決まっている。――城の、俺の部屋だ」
「……え?」
目を大きく見開くリィカにそれ以上答えることなく、アレクは歩を進めたのだった。
※ ※ ※
レーナニアは、アレクと抱えられているリィカの後ろ姿を見ていた。きっと、リィカが話をするのだろう。果たしてその結果はどうなるのだろうか。
そこまで考えて、レーナニアの頭がズキン、と痛んだ。
「あ」
久しぶりの感覚だった。
痛みと共に思い出した"記憶"に、レーナニアは去っていくアレクとリィカに向けて思わず手を伸ばしていた。
「レーナ、どうかした?」
「……い、いえ。なんでもありません、アーク様」
慌ててレーナニアは表情を取り繕う。そして怪訝そうなアークバルトを促して、この場の対応に当たる。
もしかして、自分は余計な事をしてしまったかもしれない、と思う。けれどもう、どうすることもできない。
(リィカさん、どうか道を間違わないで)
それを願うしかなかった。
アークバルトがやや呆然とつぶやいたのを聞いて、ユーリは苦笑した。
つい先ほどまで苦戦していたように見えたのに、一瞬で勝負がついてしまったのだから、その気持ちは分かる。
「警戒していたのは確かです。僕たちが戦ったマンティコアと違うことも多かったですから」
アレクもバルももしも魔剣を使っていれば、最初の剣技を放った時点で相手を倒せていた。そもそも、周囲に人さえいなければ、リィカが一人で三体とも倒しきることだってできただろうと思う。
けれどそこまでは言わず、ユーリは自らが作った《結界》に手を触れる。アレク、バル、リィカの顔を見て、そして《結界》を解除した。
「いけっ!」
その瞬間、リィカが魔法を放つ。凝縮魔法だ。同時にアレクが駆け出して、バルとユーリが後を追う。
リィカも駆け出そうとして、足にズキッと痛みが走る。すっかり忘れていたが、《強化・速》の効果を強引に押さえ込んだせいで、足が痛かったのだ。
走るのを諦めて、放った魔法に集中する。放ったのは一発だけだ。狙いは、物陰から隠れるようにこちらの様子を見ていた一人の人物。
「ギャンッ!」
気付かれていると思っていなかったのか、自分が狙われるとは思っていなかったのか。逃げるそぶりすら見せず、リィカの魔法がその男に命中した。
※ ※ ※
アレクは、リィカの魔法が命中して倒れた男に剣を突きつけ、観察する。
魔族ではなく人間だ。それは間違いない。フードを被っているが、それは外れているから、肌も髪の色も耳も、よく見えるから間違いない。
「ヒィッ!?」
抜き身の剣を目にして悲鳴を上げても、逃げる気配さえない。見た目からして戦闘向きではないと思ったが、おそらくその通りだろう。
リィカの気配がすぐ追いついてこないので、どうしたのかとチラッと見ると、足を痛そうに引きずって歩いている。どうかしたのか、と心配になるが、すぐ目の前に意識を戻した。
「あのマンティコアは、お前の仕業だな?」
「ヒェッ!?」
「悲鳴はいいから、答えろ」
「ヒイィィィィッ!」
「……………」
すっかり怯えてしまっている男に、アレクは対処に困る。だからといって、剣を突きつけるのをやめて逃げられるのも問題だ。
バルとユーリに視線を向けてみるが、二人とも処置無しとでも言いたげに、首を横に振るだけだ。
(どうしろって言うんだ……?)
困り果てたアレクだが、救いの声は別の所からやってきた。
「アレク、今兵士がこちらに向かっている。そちらに引き渡そう」
「兄上」
アークバルトだ。兵士とは、要するに軍のことだろうか。倒してしまったから、軍が来てもやることがない……というわけではなく、諸々の後片付けにも必要だ。
「念のための確認だけど、こいつがあのマンティコアを放ったのか?」
「今のところ、おそらくですけど。ですが、この学園内に外部の人間がいる時点で、十分怪しいと思います」
「そうだね。仮にマンティコアと関係なかったとしても、どうやって入り込んだのか、それを聞き取る必要はあるね」
アークバルトのうっすらした笑いに、アレクの背筋に冷たいものが走る。何となく、その雰囲気が父王と似ている気がして、アレクは目を泳がせた。
とりあえず、学園の教師が持ってきてくれた縄で、その男を縛る。
そして話がどう広まったのか、かなりの生徒たちが集まって賑わっている場を見ながら、アレクはユーリを見た。
「怪我人は?」
「一番怪我が重かった人は治りましたよ。それ以外は、これから確認します」
「……そうか」
安心していいのかどうか分からないが、少なくともユーリがこうしているということは、緊急性はないのだろう。
そう判断して、やっと近づいてきたリィカに視線を送った。
「リィカは、足をどうしたんだ?」
「え?」
気付いてなかったらしいユーリが声をあげる。リィカは困ったように笑った。
「みんなが来る前に、マンティコアを引き離そうと思って、《強化・速》を使ったの。でも、思ったより動きが速くて無理だなって思って」
魔法の効果で強引に引き上げられた速さで動く体を、強引に押さえ込んだ。そのせいで足に負担がかかってしまった。
「大丈夫だよ、ちょっとたてば治るから」
そう言って笑うリィカを、アレクはジッと見る。これがいつもなら、早くユーリに回復してもらえと言うのに、その言葉が口から出てこない。
「――あの、アレク」
リィカの表情が、不意に真剣なものに変わった。
「今日授業が終わったらね……ちょっと話、いいかな」
言いにくそうにしながら、その目に悲痛なものがあるような、そんなリィカにアレクは心の中の何かが切れたような気がした。
「分かった。――じゃあ、今から行くか」
「え?」
リィカの疑問を無視して、その体を横抱きに抱き上げる。何か言われる前に、アレクが先手を打った。
「こんな騒ぎになったんだ、今日の授業はもうやらないだろう。行くぞ」
抱き上げたまま、さっさと歩き出す。バルやユーリの呼び止める声がしたが、チラッと見るとアークバルトが二人を止めていた。
抱き上げられたリィカは、驚いたように動こうとして「いたっ」と小さくつぶやいて動きが止まる。
結局、顔だけ上げてアレクを見た。
「アレク、行くってどこ行くの!?」
「決まっている。――城の、俺の部屋だ」
「……え?」
目を大きく見開くリィカにそれ以上答えることなく、アレクは歩を進めたのだった。
※ ※ ※
レーナニアは、アレクと抱えられているリィカの後ろ姿を見ていた。きっと、リィカが話をするのだろう。果たしてその結果はどうなるのだろうか。
そこまで考えて、レーナニアの頭がズキン、と痛んだ。
「あ」
久しぶりの感覚だった。
痛みと共に思い出した"記憶"に、レーナニアは去っていくアレクとリィカに向けて思わず手を伸ばしていた。
「レーナ、どうかした?」
「……い、いえ。なんでもありません、アーク様」
慌ててレーナニアは表情を取り繕う。そして怪訝そうなアークバルトを促して、この場の対応に当たる。
もしかして、自分は余計な事をしてしまったかもしれない、と思う。けれどもう、どうすることもできない。
(リィカさん、どうか道を間違わないで)
それを願うしかなかった。
0
お気に入りに追加
70
あなたにおすすめの小説
【完結】「父に毒殺され母の葬儀までタイムリープしたので、親戚の集まる前で父にやり返してやった」
まほりろ
恋愛
十八歳の私は異母妹に婚約者を奪われ、父と継母に毒殺された。
気がついたら十歳まで時間が巻き戻っていて、母の葬儀の最中だった。
私に毒を飲ませた父と継母が、虫の息の私の耳元で得意げに母を毒殺した経緯を話していたことを思い出した。
母の葬儀が終われば私は屋敷に幽閉され、外部との連絡手段を失ってしまう。
父を断罪できるチャンスは今しかない。
「お父様は悪くないの!
お父様は愛する人と一緒になりたかっただけなの!
だからお父様はお母様に毒をもったの!
お願いお父様を捕まえないで!」
私は声の限りに叫んでいた。
心の奥にほんの少し芽生えた父への殺意とともに。
※他サイトにも投稿しています。
※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
※「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
※タイトル変更しました。
旧タイトル「父に殺されタイムリープしたので『お父様は悪くないの!お父様は愛する人と一緒になりたくてお母様の食事に毒をもっただけなの!』と叫んでみた」
子育て失敗の尻拭いは婚約者の務めではございません。
章槻雅希
ファンタジー
学院の卒業パーティで王太子は婚約者を断罪し、婚約破棄した。
真実の愛に目覚めた王太子が愛しい平民の少女を守るために断行した愚行。
破棄された令嬢は何も反論せずに退場する。彼女は疲れ切っていた。
そして一週間後、令嬢は国王に呼び出される。
けれど、その時すでにこの王国には終焉が訪れていた。
タグに「ざまぁ」を入れてはいますが、これざまぁというには重いかな……。
小説家になろう様にも投稿。
妻がエロくて死にそうです
菅野鵜野
大衆娯楽
うだつの上がらないサラリーマンの士郎。だが、一つだけ自慢がある。
美しい妻、美佐子だ。同じ会社の上司にして、できる女で、日本人離れしたプロポーションを持つ。
こんな素敵な人が自分のようなフツーの男を選んだのには訳がある。
それは……
限度を知らない性欲モンスターを妻に持つ男の日常
戦争から帰ってきたら、俺の婚約者が別の奴と結婚するってよ。
隣のカキ
ファンタジー
国家存亡の危機を救った英雄レイベルト。彼は幼馴染のエイミーと婚約していた。
婚約者を想い、幾つもの死線をくぐり抜けた英雄は戦後、結婚の約束を果たす為に生まれ故郷の街へと戻る。
しかし、戦争で負った傷も癒え切らぬままに故郷へと戻った彼は、信じられない光景を目の当たりにするのだった……
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)電子書籍発売中!
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
妹を見捨てた私 ~魅了の力を持っていた可愛い妹は愛されていたのでしょうか?~
紗綺
ファンタジー
何故妹ばかり愛されるの?
その答えは私の10歳の誕生日に判明した。
誕生日パーティで私の婚約者候補の一人が妹に魅了されてしまったことでわかった妹の能力。
『魅了の力』
無自覚のその力で周囲の人間を魅了していた。
お父様お母様が妹を溺愛していたのも魅了の力に一因があったと。
魅了の力を制御できない妹は魔法省の管理下に置かれることが決まり、私は祖母の実家に引き取られることになった。
新しい家族はとても優しく、私は妹と比べられることのない穏やかな日々を得ていた。
―――妹のことを忘れて。
私が嫁いだ頃、妹の噂が流れてきた。
魅了の力を制御できるようになり、制限つきだが自由を得た。
しかし実家は没落し、頼る者もなく娼婦になったと。
なぜこれまであの子へ連絡ひとつしなかったのかと、後悔と罪悪感が私を襲う。
それでもこの安寧を捨てられない私はただ祈るしかできない。
どうかあの子が救われますようにと。
晴れて国外追放にされたので魅了を解除してあげてから出て行きました [完]
ラララキヲ
ファンタジー
卒業式にて婚約者の王子に婚約破棄され義妹を殺そうとしたとして国外追放にされた公爵令嬢のリネットは一人残された国境にて微笑む。
「さようなら、私が産まれた国。
私を自由にしてくれたお礼に『魅了』が今後この国には効かないようにしてあげるね」
リネットが居なくなった国でリネットを追い出した者たちは国王の前に頭を垂れる──
◇婚約破棄の“後”の話です。
◇転生チート。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げてます。
◇人によっては最後「胸糞」らしいです。ごめんね;^^
◇なので感想欄閉じます(笑)
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる