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第十一章 四天王ジャダーカ
到着前日
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鏡を作り終えて、またピリピリしてしまうかと思われたリィカだが、そうはならなかった。
まだやれること、やりたいことがあった事を思いだしたからだ。
一つが、凝縮魔法を自在にコントロールできるようになること。
もう一つが、魔力の探査。ユーリと泰基が、リィカがデウスに捕らえられたときに見つけたその技術。
最終防衛線に到着するまでに、それらをできるようになろうと、練習を始めていた。
リィカは、ふう、と大きく息を吐く。
馬車の中では、主に魔力の探査の練習をしているが、なかなかに難しい。
結構な速さで移動しているから、じっくり探れない事も原因の一つかもしれない。
でも、移動時間をただ緊張して過ごすだけは、もったいない。
(今できることは、全部やるんだ)
戦いの中で何が役に立つかなど、分からないから。
あの時やっておけばよかったと後悔しないように。
強敵だろうジャダーカとの戦いに向けて、リィカは、決意を固めていた。
※ ※ ※
アレクは、自分の肩にもたれて眠るリィカを優しい目で見た。
集中しすぎて、疲れてしまったのだろう。
魔力の探査も、凝縮魔法の練習も、ひどく集中力を使うようだ。
トラヴィスの話では、明日には最終防衛線に到着する。
到着すれば、すぐ魔族との戦いに突入するだろう。
リィカが望むのは、ジャダーカとの戦いだ。
勝てないと言われ続けて、悔しかったのだろう。
戦いを望むリィカの気持ちは、分からなくはない。
(――でも俺は、お前を失いたくないんだ)
こんな事を考えていると知ったら、リィカは怒るだろうか。
一目惚れという言葉が、どうしても脳裏によぎる。
ジャダーカはきっとリィカを望んでいる。リィカを手に入れたいと思っている。
リィカが負けても、死なないかもしれない。
でもその時、リィカはジャダーカの腕の中にいるのだろう。逆らえない奴隷として、ジャダーカの側で一生を過ごすんだろう。
それを黙って見ていることなど、アレクにはできなかった。
(だから、俺は………………)
アレクは、ある決意を固めていた。
そして、翌日朝。
「見えました! 最終防衛線です!!」
トラヴィスからの知らせが響く。
馬車で出発して七日目の朝だった。
--------------------------------------------
亀展開でしたが、次回からジャダーカが登場します。
次回、主人公組はお休みです。
まだやれること、やりたいことがあった事を思いだしたからだ。
一つが、凝縮魔法を自在にコントロールできるようになること。
もう一つが、魔力の探査。ユーリと泰基が、リィカがデウスに捕らえられたときに見つけたその技術。
最終防衛線に到着するまでに、それらをできるようになろうと、練習を始めていた。
リィカは、ふう、と大きく息を吐く。
馬車の中では、主に魔力の探査の練習をしているが、なかなかに難しい。
結構な速さで移動しているから、じっくり探れない事も原因の一つかもしれない。
でも、移動時間をただ緊張して過ごすだけは、もったいない。
(今できることは、全部やるんだ)
戦いの中で何が役に立つかなど、分からないから。
あの時やっておけばよかったと後悔しないように。
強敵だろうジャダーカとの戦いに向けて、リィカは、決意を固めていた。
※ ※ ※
アレクは、自分の肩にもたれて眠るリィカを優しい目で見た。
集中しすぎて、疲れてしまったのだろう。
魔力の探査も、凝縮魔法の練習も、ひどく集中力を使うようだ。
トラヴィスの話では、明日には最終防衛線に到着する。
到着すれば、すぐ魔族との戦いに突入するだろう。
リィカが望むのは、ジャダーカとの戦いだ。
勝てないと言われ続けて、悔しかったのだろう。
戦いを望むリィカの気持ちは、分からなくはない。
(――でも俺は、お前を失いたくないんだ)
こんな事を考えていると知ったら、リィカは怒るだろうか。
一目惚れという言葉が、どうしても脳裏によぎる。
ジャダーカはきっとリィカを望んでいる。リィカを手に入れたいと思っている。
リィカが負けても、死なないかもしれない。
でもその時、リィカはジャダーカの腕の中にいるのだろう。逆らえない奴隷として、ジャダーカの側で一生を過ごすんだろう。
それを黙って見ていることなど、アレクにはできなかった。
(だから、俺は………………)
アレクは、ある決意を固めていた。
そして、翌日朝。
「見えました! 最終防衛線です!!」
トラヴィスからの知らせが響く。
馬車で出発して七日目の朝だった。
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亀展開でしたが、次回からジャダーカが登場します。
次回、主人公組はお休みです。
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