17 / 20
16.最終日
しおりを挟む
「王太子殿下がお越しになりました」
「通してちょうだい」
翌日の朝食後。手紙に書いてあったとおり、ルトが直接来た。とうとう最終日。出迎える私も緊張している。
ルトの姿が見えて、私はドレスの裾をつまんで、淑女の礼をした。
「エナ、顔を上げてくれ。今の俺は、一人の男として君に会いに来たんだから」
「……かしこまりました」
一瞬ためらって、でもすぐに顔をあげた。そして、ルトがその手に何かを持っているのに気付いた。けれど布がかかっているから、それが何なのかが分からない。
「ドレス、着てくれたんだな。……似合ってる」
「あ、ありがとうございます」
そう、今私が着ているのは、昨日ルトから贈られたドレスだ。今まで、意図的に赤いドレスを避けていたから、すごく緊張して、でも嬉しくてドキドキした。
どうしよう。どうしたらいいのだろうか。刺繍を終えたハンカチを渡したい。渡して、今の私自身の気持ちを伝えたい。
でも、どうしようか。先にルトからの十日目の贈り物を受け取ってからにするべきか。
そんなことを考えて、うつむいてしまっていたら、目の前のルトが動くのが見えた。
「……どう、したんですか?」
目の前のルトは、私に片膝をついたのだ。驚きすぎて、逆に言葉を出すのも難しくなった。
ルトは、少し緊張した顔で笑った。
「エナ。――改めて、君に結婚を申し込むよ。エナを愛している。俺には、エナだけいればいい。今度こそ、君を裏切る真似はしないと誓う。だから……」
ルトは手に持っているものの、布を取り払った。そこから出てきたのは、ティアラ。婚姻式で私が頭に戴いたけれど、どうしても身につける気になれなかったもの。
それが今、ルトの手にある。
「俺の、側にいて欲しい。もっと我が儘を言えば、俺を支えて欲しい。俺は弱いから、すぐ逃げたくなるから。俺の側にいて、俺を助けて欲しい。このティアラを、エナの頭に載せることを、許してくれないか」
――ああもう本当に、この人は。
自分の言葉で、自分の想いを、ちゃんと紡いでくれるから。真っ直ぐ私の目を見て、言ってくれるから。だから、嬉しい。だから、信じていいと思う。
私は、ハンカチを差し出して、広げる。そこに刺繍したのは、王家の紋章だ。嫁ぐ女性が相手の家の紋章を刺繍したものを渡すのは、"自分はいつでもあなたと供にある"ことを意味する。
「ルト、あなたのことを愛しています。ずっとあなたの側にいたい。私だけを、側にいさせてほしい」
私も、しっかり目を見て、言葉を伝える。きちんとあなたに伝わるように。
「我が儘を言うなら、私は全部放り投げて逃げたくなるときがあるから、私を支えて下さい。――このハンカチ、受け取って下さい」
言って跪くと、頭を差し出す。それで、意図が通じたのだろう、ルトが立ち上がったのが見えた。
「ありがとう、エナ」
そっと、ルトの手が私の頭にくる。そして、頭に感じる重さに、ティアラが載せられたことが分かった。
それを感じて、ハンカチを持った手を伸ばすと、ルトがそれを受け取って、私の手を引く。つられて立ち上がった。
泣き笑いのような笑顔のルトに、最後、私は釘を刺した。
「でももし、次に浮気したら、今度は王太子妃としてのすべてを放り投げるからね」
「……ハイ」
肩を落としたルトの顔が情けな過ぎて、私は笑いを堪えられなかった。笑う私を、ルトは何とも言えない顔で見ていたけれど、やがて一緒に笑い出す。
それが、この十日間のゴールだった。
******
その翌日。
私とルトは、仲良く熱を出して、寝込んでいた。
ルトは、病み上がりなのに石を探すのに外をウロウロしていたのが、やっぱり祟ったらしい。
私はなぜなのかよく分からないけれど、ルトのが移ったのか、あるいは精神的にキツかったのが解放されたのか、そんなことを医師が言っていたけれど、よく分からない。
「気持ちいいな、水の石」
「でしょ? でも直接だと固いから、水に濡らした布にくるんだらどうかしら」
「それがいいな。エナが使ってくれ」
「駄目よ、まずはルトが使わないと」
「これは俺がエナにあげたものだぞ」
「ゴホン」
二人で横になって、せっかくだからともらった水の石をルトの額に当ててみた。元がヒンヤリしている石だから、こういうときにいいと思ったのだ。
でも、わざとらしい咳払いが私たちの会話を止めた。
「大変申し訳ありませんが、両殿下、報告を聞いて頂きたいのですが」
「俺たちは仕事できる状態じゃないぞ」
ルトの側近のメンノだ。体調を崩して寝ている寝室にまで押しかけてきた。とはいっても、ルトの言う通りに、仕事どころか体を起こしているのも辛い。
「そこは心配なさらずに、ゆっくり休んで下さい。仕事は国王陛下と王妃陛下に押しつけましたので」
「元々はあいつらの仕事だぞ。それをすでに隠居気分で、全部俺たちに押しつけてたんだろうが」
メンノの話に私はちょっとホッとした。仕事しろと言われたら、間違いなくグレる自信がある。仕事を押しつけられたという陛下方に、申し訳ないとさえ思えない。
「優秀な息子と嫁がいるんだから、自分たちが出張る必要がどこにある、と仰っていましたからね」
「自分たちが楽したいだけだろ」
「いつまでも年寄りが口を出していたら、若いもんの芽を潰してしまう。それは国の成長にも繋がらない、と仰っていますが」
「それっぽいことを言って、ごまかそうとするなと伝えろ」
笑いたいけど笑えないとは、このことだ。
結構早くから、ルトの父母である国王陛下と王妃陛下は"隠居"生活をしていて、仕事の大半をルトが担っていた。婚姻式の時のルトの疲労は、そのせいでもある。
"隠居"した国王ご夫妻は、仕事をしなくていい生活を満喫していらっしゃるようだけど、文句を言いたくなるときもある。
「伝えておきましょう。――ああ、そうそう。孫が出来たら真っ先に抱かせろと言っていましたが」
「やなこった、と言っておけ」
あっさり言い返したルトだけど、私は恥ずかしくなった。昨晩、私とルトは初めて寝室を共にしたのだ。それを見透かされたような言葉にしか聞こえない。
「エナ、大丈夫か? 顔がずいぶん赤くないか?」
「……ルトのせいよ」
「俺!? まて、俺が何かしたか!? いや、やっぱり一緒の部屋は駄目か? 俺は前の時ほど悪くないし、俺のがエナにうつったか!?」
本気で慌てふためいて、私の部屋を移す、いや自分がうつるなど言い出しているルトの手を、私は握る。
「嘘よ。あなたが側にいてくれた方が嬉しい」
「……ああ」
一瞬キョトンとしたルトだけど、すぐ笑って握った手を握り返してくれた。そして、二人で顔を合わせる。
「お互い、風邪をうつし合おうか。仕事はあいつらがやればいいんだから。二人でゴロゴロしよう」
「いいわね、それ」
ルトの、冗談っぽく聞こえるようでいて、ちっとも笑っていない目に、私も大真面目に同意する。
そして、お互いに指を絡めるように手を繋ぎなおして、笑みを交わした。
「またお二方のサボり癖が始まりましたね。……何としても、医師に頑張って風邪を治すよう言うしかないですか」
ぼやくようなメンノの言葉は私もルトも聞き流して、繋がれた手の温もりをただ感じたのだった。
ーーーーーーー
近況報告には、全21話と書きましたが、手直しした結果、全20話になりました。
残り三話。次話から二話分はパウラの話になります。
「通してちょうだい」
翌日の朝食後。手紙に書いてあったとおり、ルトが直接来た。とうとう最終日。出迎える私も緊張している。
ルトの姿が見えて、私はドレスの裾をつまんで、淑女の礼をした。
「エナ、顔を上げてくれ。今の俺は、一人の男として君に会いに来たんだから」
「……かしこまりました」
一瞬ためらって、でもすぐに顔をあげた。そして、ルトがその手に何かを持っているのに気付いた。けれど布がかかっているから、それが何なのかが分からない。
「ドレス、着てくれたんだな。……似合ってる」
「あ、ありがとうございます」
そう、今私が着ているのは、昨日ルトから贈られたドレスだ。今まで、意図的に赤いドレスを避けていたから、すごく緊張して、でも嬉しくてドキドキした。
どうしよう。どうしたらいいのだろうか。刺繍を終えたハンカチを渡したい。渡して、今の私自身の気持ちを伝えたい。
でも、どうしようか。先にルトからの十日目の贈り物を受け取ってからにするべきか。
そんなことを考えて、うつむいてしまっていたら、目の前のルトが動くのが見えた。
「……どう、したんですか?」
目の前のルトは、私に片膝をついたのだ。驚きすぎて、逆に言葉を出すのも難しくなった。
ルトは、少し緊張した顔で笑った。
「エナ。――改めて、君に結婚を申し込むよ。エナを愛している。俺には、エナだけいればいい。今度こそ、君を裏切る真似はしないと誓う。だから……」
ルトは手に持っているものの、布を取り払った。そこから出てきたのは、ティアラ。婚姻式で私が頭に戴いたけれど、どうしても身につける気になれなかったもの。
それが今、ルトの手にある。
「俺の、側にいて欲しい。もっと我が儘を言えば、俺を支えて欲しい。俺は弱いから、すぐ逃げたくなるから。俺の側にいて、俺を助けて欲しい。このティアラを、エナの頭に載せることを、許してくれないか」
――ああもう本当に、この人は。
自分の言葉で、自分の想いを、ちゃんと紡いでくれるから。真っ直ぐ私の目を見て、言ってくれるから。だから、嬉しい。だから、信じていいと思う。
私は、ハンカチを差し出して、広げる。そこに刺繍したのは、王家の紋章だ。嫁ぐ女性が相手の家の紋章を刺繍したものを渡すのは、"自分はいつでもあなたと供にある"ことを意味する。
「ルト、あなたのことを愛しています。ずっとあなたの側にいたい。私だけを、側にいさせてほしい」
私も、しっかり目を見て、言葉を伝える。きちんとあなたに伝わるように。
「我が儘を言うなら、私は全部放り投げて逃げたくなるときがあるから、私を支えて下さい。――このハンカチ、受け取って下さい」
言って跪くと、頭を差し出す。それで、意図が通じたのだろう、ルトが立ち上がったのが見えた。
「ありがとう、エナ」
そっと、ルトの手が私の頭にくる。そして、頭に感じる重さに、ティアラが載せられたことが分かった。
それを感じて、ハンカチを持った手を伸ばすと、ルトがそれを受け取って、私の手を引く。つられて立ち上がった。
泣き笑いのような笑顔のルトに、最後、私は釘を刺した。
「でももし、次に浮気したら、今度は王太子妃としてのすべてを放り投げるからね」
「……ハイ」
肩を落としたルトの顔が情けな過ぎて、私は笑いを堪えられなかった。笑う私を、ルトは何とも言えない顔で見ていたけれど、やがて一緒に笑い出す。
それが、この十日間のゴールだった。
******
その翌日。
私とルトは、仲良く熱を出して、寝込んでいた。
ルトは、病み上がりなのに石を探すのに外をウロウロしていたのが、やっぱり祟ったらしい。
私はなぜなのかよく分からないけれど、ルトのが移ったのか、あるいは精神的にキツかったのが解放されたのか、そんなことを医師が言っていたけれど、よく分からない。
「気持ちいいな、水の石」
「でしょ? でも直接だと固いから、水に濡らした布にくるんだらどうかしら」
「それがいいな。エナが使ってくれ」
「駄目よ、まずはルトが使わないと」
「これは俺がエナにあげたものだぞ」
「ゴホン」
二人で横になって、せっかくだからともらった水の石をルトの額に当ててみた。元がヒンヤリしている石だから、こういうときにいいと思ったのだ。
でも、わざとらしい咳払いが私たちの会話を止めた。
「大変申し訳ありませんが、両殿下、報告を聞いて頂きたいのですが」
「俺たちは仕事できる状態じゃないぞ」
ルトの側近のメンノだ。体調を崩して寝ている寝室にまで押しかけてきた。とはいっても、ルトの言う通りに、仕事どころか体を起こしているのも辛い。
「そこは心配なさらずに、ゆっくり休んで下さい。仕事は国王陛下と王妃陛下に押しつけましたので」
「元々はあいつらの仕事だぞ。それをすでに隠居気分で、全部俺たちに押しつけてたんだろうが」
メンノの話に私はちょっとホッとした。仕事しろと言われたら、間違いなくグレる自信がある。仕事を押しつけられたという陛下方に、申し訳ないとさえ思えない。
「優秀な息子と嫁がいるんだから、自分たちが出張る必要がどこにある、と仰っていましたからね」
「自分たちが楽したいだけだろ」
「いつまでも年寄りが口を出していたら、若いもんの芽を潰してしまう。それは国の成長にも繋がらない、と仰っていますが」
「それっぽいことを言って、ごまかそうとするなと伝えろ」
笑いたいけど笑えないとは、このことだ。
結構早くから、ルトの父母である国王陛下と王妃陛下は"隠居"生活をしていて、仕事の大半をルトが担っていた。婚姻式の時のルトの疲労は、そのせいでもある。
"隠居"した国王ご夫妻は、仕事をしなくていい生活を満喫していらっしゃるようだけど、文句を言いたくなるときもある。
「伝えておきましょう。――ああ、そうそう。孫が出来たら真っ先に抱かせろと言っていましたが」
「やなこった、と言っておけ」
あっさり言い返したルトだけど、私は恥ずかしくなった。昨晩、私とルトは初めて寝室を共にしたのだ。それを見透かされたような言葉にしか聞こえない。
「エナ、大丈夫か? 顔がずいぶん赤くないか?」
「……ルトのせいよ」
「俺!? まて、俺が何かしたか!? いや、やっぱり一緒の部屋は駄目か? 俺は前の時ほど悪くないし、俺のがエナにうつったか!?」
本気で慌てふためいて、私の部屋を移す、いや自分がうつるなど言い出しているルトの手を、私は握る。
「嘘よ。あなたが側にいてくれた方が嬉しい」
「……ああ」
一瞬キョトンとしたルトだけど、すぐ笑って握った手を握り返してくれた。そして、二人で顔を合わせる。
「お互い、風邪をうつし合おうか。仕事はあいつらがやればいいんだから。二人でゴロゴロしよう」
「いいわね、それ」
ルトの、冗談っぽく聞こえるようでいて、ちっとも笑っていない目に、私も大真面目に同意する。
そして、お互いに指を絡めるように手を繋ぎなおして、笑みを交わした。
「またお二方のサボり癖が始まりましたね。……何としても、医師に頑張って風邪を治すよう言うしかないですか」
ぼやくようなメンノの言葉は私もルトも聞き流して、繋がれた手の温もりをただ感じたのだった。
ーーーーーーー
近況報告には、全21話と書きましたが、手直しした結果、全20話になりました。
残り三話。次話から二話分はパウラの話になります。
82
お気に入りに追加
286
あなたにおすすめの小説
自殺した妻を幸せにする方法
久留茶
恋愛
平民出身の英雄アトラスと、国一番の高貴な身分の公爵令嬢アリアドネが王命により結婚した。
アリアドネは英雄アトラスのファンであり、この結婚をとても喜んだが、身分差別の強いこの国において、平民出のアトラスは貴族を激しく憎んでおり、結婚式後、妻となったアリアドネに対し、冷たい態度を取り続けていた。
それに対し、傷付き悲しみながらも必死で夫アトラスを支えるアリアドネだったが、ある日、戦にて屋敷を留守にしているアトラスのもとにアリアドネが亡くなったとの報せが届く。
アリアドネの死によって、アトラスは今迄の自分の妻に対する行いを激しく後悔する。
そしてアトラスは亡くなったアリアドネの為にある決意をし、行動を開始するのであった。
*小説家になろうにも掲載しています。
*前半は暗めですが、後半は甘めの展開となっています。
*少し長めの短編となっていますが、最後まで読んで頂けると嬉しいです。
夫の不貞現場を目撃してしまいました
秋月乃衣
恋愛
伯爵夫人ミレーユは、夫との間に子供が授からないまま、閨を共にしなくなって一年。
何故か夫から閨を拒否されてしまっているが、理由が分からない。
そんな時に夜会中の庭園で、夫と未亡人のマデリーンが、情事に耽っている場面を目撃してしまう。
なろう様でも掲載しております。
婚約者の浮気相手が子を授かったので
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ファンヌはリヴァス王国王太子クラウスの婚約者である。
ある日、クラウスが想いを寄せている女性――アデラが子を授かったと言う。
アデラと一緒になりたいクラウスは、ファンヌに婚約解消を迫る。
ファンヌはそれを受け入れ、さっさと手続きを済ませてしまった。
自由になった彼女は学校へと戻り、大好きな薬草や茶葉の『研究』に没頭する予定だった。
しかし、師であるエルランドが学校を辞めて自国へ戻ると言い出す。
彼は自然豊かな国ベロテニア王国の出身であった。
ベロテニア王国は、薬草や茶葉の生育に力を入れているし、何よりも獣人の血を引く者も数多くいるという魅力的な国である。
まだまだエルランドと共に茶葉や薬草の『研究』を続けたいファンヌは、エルランドと共にベロテニア王国へと向かうのだが――。
※表紙イラストはタイトルから「お絵描きばりぐっどくん」に作成してもらいました。
※完結しました
かわいそうな旦那様‥
みるみる
恋愛
侯爵令嬢リリアのもとに、公爵家の長男テオから婚約の申し込みがありました。ですが、テオはある未亡人に惚れ込んでいて、まだ若くて性的魅力のかけらもないリリアには、本当は全く異性として興味を持っていなかったのです。
そんなテオに、リリアはある提案をしました。
「‥白い結婚のまま、三年後に私と離縁して下さい。」
テオはその提案を承諾しました。
そんな二人の結婚生活は‥‥。
※題名の「かわいそうな旦那様」については、客観的に見ていると、この旦那のどこが?となると思いますが、主人公の旦那に対する皮肉的な意味も込めて、あえてこの題名にしました。
※小説家になろうにも投稿中
※本編完結しましたが、補足したい話がある為番外編を少しだけ投稿しますm(_ _)m
今日は私の結婚式
豆狸
恋愛
ベッドの上には、幼いころからの婚約者だったレーナと同じ色の髪をした女性の腐り爛れた死体があった。
彼女が着ているドレスも、二日前僕とレーナの父が結婚を拒むレーナを屋根裏部屋へ放り込んだときに着ていたものと同じである。
【完結】「心に決めた人がいる」と旦那様は言った
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
「俺にはずっと心に決めた人がいる。俺が貴方を愛することはない。貴女はその人を迎え入れることさえ許してくれればそれで良いのです。」
そう言われて愛のない結婚をしたスーザン。
彼女にはかつて愛した人との思い出があった・・・
産業革命後のイギリスをモデルにした架空の国が舞台です。貴族制度など独自の設定があります。
----
初めて書いた小説で初めての投稿で沢山の方に読んでいただき驚いています。
終わり方が納得できない!という方が多かったのでエピローグを追加します。
お読みいただきありがとうございます。
(完結)親友の未亡人がそれほど大事ですか?
青空一夏
恋愛
「お願いだよ。リーズ。わたしはあなただけを愛すると誓う。これほど君を愛しているのはわたしだけだ」
婚約者がいる私に何度も言い寄ってきたジャンはルース伯爵家の4男だ。
私には家族ぐるみでお付き合いしている婚約者エルガー・バロワ様がいる。彼はバロワ侯爵家の三男だ。私の両親はエルガー様をとても気に入っていた。優秀で冷静沈着、理想的なお婿さんになってくれるはずだった。
けれどエルガー様が女性と抱き合っているところを目撃して以来、私はジャンと仲良くなっていき婚約解消を両親にお願いしたのだった。その後、ジャンと結婚したが彼は・・・・・・
※この世界では女性は爵位が継げない。跡継ぎ娘と結婚しても婿となっただけでは当主にはなれない。婿養子になって始めて当主の立場と爵位継承権や財産相続権が与えられる。西洋の史実には全く基づいておりません。独自の異世界のお話しです。
※現代的言葉遣いあり。現代的機器や商品など出てくる可能性あり。
「あなたの好きなひとを盗るつもりなんてなかった。どうか許して」と親友に謝られたけど、その男性は私の好きなひとではありません。まあいっか。
石河 翠
恋愛
真面目が取り柄のハリエットには、同い年の従姉妹エミリーがいる。母親同士の仲が悪く、二人は何かにつけ比較されてきた。
ある日招待されたお茶会にて、ハリエットは突然エミリーから謝られる。なんとエミリーは、ハリエットの好きなひとを盗ってしまったのだという。エミリーの母親は、ハリエットを出し抜けてご機嫌の様子。
ところが、紹介された男性はハリエットの好きなひととは全くの別人。しかもエミリーは勘違いしているわけではないらしい。そこでハリエットは伯母の誤解を解かないまま、エミリーの結婚式への出席を希望し……。
母親の束縛から逃れて初恋を叶えるしたたかなヒロインと恋人を溺愛する腹黒ヒーローの恋物語。ハッピーエンドです。
この作品は他サイトにも投稿しております。
扉絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID:23852097)をお借りしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる