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湿地に到着した君たちは、難なくルブラの花を手に入れる。
ルブラの花を摘み取ると、周囲に墓前に供える線香のような香りが広がる。
「リュート兄ちゃん、宿屋のおやじに渡す以外に、おいらにも作ってくれよ。
おいらもリュート兄ちゃんに作ってやるからさ。」
「ああ、お互いに世話になることがないようにしような。」
「もちろん!
おいらはともかく、敵と戦うリュート兄ちゃんの事を心配してやってるんだぜ!
(ごめん...。)」
「ん?何か言ったか?」
「あはははっ、耳よすぎだぜ。」
リノは笑いながら、君と宿屋で待つ男性の分のルブラの花を手渡す。
君は ルブラの花を神器の鞄へと収納し、街へと引き返していった。
街に帰り、宿屋にいるルームサービスの男にルブラの花を渡した君たちは、水と酒の都アルティアを散策することにした。
アルティアは見た目には華やかな印象だが、酒の都だからだろうか、朝から酔いつぶれている人の姿も見える。
その酔いつぶれた姿は、どこか悲壮感を感じさせていた。
そんなコトなど気にしていないのだろう 太陽のような満面の笑みでリノが君に声をかけてくる。
「リュート兄ちゃん、この街のオススメに案内してやるよ。」
そう言うと、リノは君の手を引き街の中央へと向かった。
街の中央には、まだ完成して数年くらいだろうか、新しい彫像が飾られていた。
その新しい彫像は、水と酒の都と呼ばれるに値する 立派や噴水と 美しい女神が象られた彫像である。
女神の担ぐ水瓶からは、水が常に流れ続けている。
「これが水の竜神アミュールの彫像だぜ。」
「竜神?
いや、そんなことより、アミュールは どちらかと言えば男かと思ってたよ。」
「アミュールは男だよ。
ここの領主だった人たちが、ちょっとばかり綺麗に作りすぎたのさ。」
リノは そう君に説明すると、寂しそうにアミュールの像を見上げていた。その手には、ルブラの花を握りしめて...。
湿地に到着した君たちは、難なくルブラの花を手に入れる。
ルブラの花を摘み取ると、周囲に墓前に供える線香のような香りが広がる。
「リュート兄ちゃん、宿屋のおやじに渡す以外に、おいらにも作ってくれよ。
おいらもリュート兄ちゃんに作ってやるからさ。」
「ああ、お互いに世話になることがないようにしような。」
「もちろん!
おいらはともかく、敵と戦うリュート兄ちゃんの事を心配してやってるんだぜ!
(ごめん...。)」
「ん?何か言ったか?」
「あはははっ、耳よすぎだぜ。」
リノは笑いながら、君と宿屋で待つ男性の分のルブラの花を手渡す。
君は ルブラの花を神器の鞄へと収納し、街へと引き返していった。
街に帰り、宿屋にいるルームサービスの男にルブラの花を渡した君たちは、水と酒の都アルティアを散策することにした。
アルティアは見た目には華やかな印象だが、酒の都だからだろうか、朝から酔いつぶれている人の姿も見える。
その酔いつぶれた姿は、どこか悲壮感を感じさせていた。
そんなコトなど気にしていないのだろう 太陽のような満面の笑みでリノが君に声をかけてくる。
「リュート兄ちゃん、この街のオススメに案内してやるよ。」
そう言うと、リノは君の手を引き街の中央へと向かった。
街の中央には、まだ完成して数年くらいだろうか、新しい彫像が飾られていた。
その新しい彫像は、水と酒の都と呼ばれるに値する 立派や噴水と 美しい女神が象られた彫像である。
女神の担ぐ水瓶からは、水が常に流れ続けている。
「これが水の竜神アミュールの彫像だぜ。」
「竜神?
いや、そんなことより、アミュールは どちらかと言えば男かと思ってたよ。」
「アミュールは男だよ。
ここの領主だった人たちが、ちょっとばかり綺麗に作りすぎたのさ。」
リノは そう君に説明すると、寂しそうにアミュールの像を見上げていた。その手には、ルブラの花を握りしめて...。
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