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一方その頃、それぞれに用意されてた個室で目覚める六勇者たち。


【信仰の勇者
  宮前の部屋】

夜明け前から部屋の中で祈りを捧げていた宮前 源次郎は、夜明けと共に部屋の掃除を始め、またゆっくりと祈りを捧げている。
そんな彼の部屋の扉を誰かがノックする。

「はい。どちら様でしょうか。」

宮前の返事に扉の外から、鬼島 蒼汰の声が響く。

「おーい、朝飯は羊が部屋に運ぶんだとよ。それ食い終わったら広場に集合らしいぜ!」


(羊...だと?
 さすが異世界、動物も仕事をしているのか。)

「おい、聞こえてんのか!?」

宮前は 慌てて扉を開け、鬼島に頭を軽く下げる。

「すみません。考え事をしていました。わざわざ、ありがとうございます。
 鬼島殿も朝が早いんですね。」

「おいおい、異世界でスゲー能力を手に入れてんだぜ。
 早く化物どもに使いたくて眠れねーだろ。
 なんだかワクワクするよな。」

「そうですかね...。」

(殺し合いを前にワクワクなど、正気の沙汰とは思えないな。
 まったく節操がない...。)


宮前は 鬼島に礼を述べたあと、部屋の扉を締め、部屋に羊が来るのをワクワクしながら待った。






暫くすると、部屋に初老の男性が現れた。


(この身なり...執事ですね。)


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