伝説の六勇者(従者リュートの物語)

13.

13.

君は レヴィの店で試着し使い勝手を確認したのだが...。

「ねぇ、リュートくん。」
「どうしました、レヴィさん？」
「何というか、その鎧なんだけど...。」

黒鋼の重装鎧を試着する君に、レヴィが何か言いたそうな表情を見せる。
君もレヴィの言いたいことが、なんとなく理解できたのだが、一応最後まで試着してみた...。
その様子を見ていたリノが お腹を抱えて笑っている。

「リュート兄ちゃん、そんな重そうな鎧着て何すんのさ？
　ゆっくり動く標的じゃん。」
「ああ、リノ。俺も分かっていたんだが、最高級品と聞いて着てみたい衝動が...。」
「リュートくんの場合、着てみたいって言うか、着せられてるって言うか、サイズがね、ほら。」
「レヴィさん、分かっています。鎧が大きすぎてぶかぶかですし、何より重すぎて立ち上がることも出来ないみたいです。」

君の言葉を聞き、レヴィもリノも大爆笑している。

その後、レヴィに見立ててもらい、比較的重量の軽い 革製の鎧兜一式。
同じく比較的軽い 革製の小型盾。
初心者にも使いやすく遠距離の敵を攻撃できるスリング。
そして、近接時に使う為のダガー。
という装備で落ち着いた。

リノも同じようにスリングと旅人用の頑丈な服を貰ったようだ。