伝説の六勇者(従者リュートの物語)

09.

09.

リノと呼ばれた少年は、腕を掴まれたまま激しく抵抗する。

「７万zなんて大金、持ってるわけないじゃないか、やだな 冗談だよ。だから、なっ、離してくれよ。頼むよ。」

人相の悪い男たちは、抵抗するリノに言い放つ。

「どうせまた貯めるんだろ、俺らが有意義に使ってやるよ。
　嫌だって言うんなら、森に連れていってジャイアントオーグの餌にしてもいいんだぜ。
　常世の世界で家族と再開でもしてこいよ。」

人相の悪い男たちは、リノを痛めつけるように乱暴に地面に引きずり倒し馬乗りになりリノを殴りつけている。
そして、君を睨みつけ 恫喝する。

「おい、一文なしの兄ちゃんよ、悪いことは言わねーから、さっさと向こうに行けよ。」

君は...。



とっさに利き手を伸ばし、指先に集中しながら暴漢どもに声をかける。
「お前たち、この世界に六勇者が降臨した話を知らないのか？」

君の伸ばした指先に光が集まり始める。

「知らないなら、見せてやるよ、六勇者の力をな！」

君の指先の光が集まりながら形を作り始める。
その様子を目の当たりにした暴漢どもは、目を丸くし逃げ腰になった。

「お、おい、やべーよ。
　本物の六勇者だよ。」
「...に、逃げるぞ！」