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6章・変革の時
第2話 凄いぞ会長
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迷宮から戻った翌朝、ミザリが早朝からレヴィアを迎えに来る。
「レヴィア姉さん、今日はウィンター商会に冷倉庫を持っていく日だよ!」
「ああ、儲けに行こうか!」
ベットから跳ね起き、急いで身支度を始める為、脱衣所へと向かうレヴィア。
身動きの取れないエイトは、レヴィアに確認する。
「ねえ、レヴィア、何時に戻るの?」
「さあ?夜までには戻るかな。」
「まだ火傷が回復してないんだけど。」
「ああ、大丈夫。アルルが看病してくれるから。」
レヴィアは 脱衣所から顔を出し、ミザリを見る。
エイトを見つめていたミザリは、レヴィアの視線に気づく。
「いや、僕は気にしてな、いや、気にしてなくないんだけど、ほら。」
「ああ、アルルで大丈夫だそうだ。
明日は、アルルと買い物に行くから、ミザリが看病するから。」
「えー、聞いてないよ。」
文句を言うミザリだが、態度や表情は嬉しそうに見える。
「じゃあ、明日もアルルに・・・。」
ミザリは 頬を赤く染め返事をする。
「いや、しょうがないかな。アルルもほら、ずっと看病も大変だろうから。」
レヴィアは、楽しそうにニヤけている。
その後、着替え終わったレヴィアは、アルルの到着を待って出かけることにした。
~ウィンター商会~
ウィンター商会の店内は ハロルド商会と比べると、内装も展示品も立派で、購買意欲を刺激される陳列がされている。
しばらく店内で待っていると、ウィンター会長の会長室に2人は案内される。
「まさか、こんなに早く帰還するとは思ってもいなかったよ。」
「ああ、最後の階は、調査団に守られながらだったから、楽に進めたからね。」
「いや、うちの調査団がいなくても、全く問題なかっただろう。」
ウィンターは、笑顔で会話をしている。
レヴィアの持ってきたであろう新商品が気にもなっている様子だ。
「ところで、約束通り面白い物を持ってきた。」
レヴィアは 四次元ポシェットから、冷鱗石と図面を取り出す。
「ああ、冷鱗石だろ。知ってるよ。ただ、この明るさでは実用不可なんだがね。」
ウィンターは 期待していた分、かなり落ち込んだ顔で、図面を開く。
「・・・。」
「・・・。」
徐々に、図面を食い入るように見つめる ウィンターの表情が険しくなっていく。
「・・・。」
「すばらしい!すばらしいよ、レヴィア会長!」
興奮するウィンターに、ミザリが説明する。
「商品名は 冷倉庫。
簡単に説明すると、温度の循環を利用して物を冷やす仕組みなんだ。」
「まったく、うちの技術者は 先に大量の冷鱗石を発見してるのに 何をしているんだ。」
レヴィアは、興奮するウィンターに商談を持ち掛けた。
「で、こちらの要求としては、今回、レヴィア商会の設立に関する届け出費用を全額見てもらいたい。
それで、この商品の権利から製造図面まで、ウィンター会長に譲渡しよう。」
レヴィアの要求に即答するウィンター。
「いいだろう。うちの調査団を使えば、すぐに生産も可能で販売できる機械だ。
その金額に、40,000枚上乗せで権利を買い取ろう。」
「40,000枚?」
レヴィアの予想を遥かに超える条件をウィンターが提示する。
レヴィアの予想では、むしろ届け出費用を折半といったところで落ち着くと考えていたのだが、ウィンターの出した条件は違っていた。
そのことに、逆に警戒するレヴィア。
そんな表情を読み取って、笑顔で話し始めるウィンター。
「私の調査団は 冷鱗石の発掘作業に回すとして問題ないのだが、冒険に特化した者が2名いる。この2名をレヴィア団に加えてもらいたい。
もちろん、彼女らの蘇生費用も報酬も、全額ウィンター商会で持つ。レヴィア会長には、無報酬で雇ってもらって、自由に指示してもらって構わない。」
条件を聞いたミザリが、ウィンターに質問する。
「魔装具の分配は?」
「魔装具は、今後も仲間内で分配してくれて構わない。
私は、最下層を冒険するパーティに、ウィンター商会のメンバーがいることが重要なんだよ。」
「・・・?」
不思議そうな顔をするレヴィアに、ミザリが小声で説明する。
「レヴィア姉さん、ハロルド商会も レイヴァ団に娘が所属しているというだけで、装備品や消耗品の売り上げが伸びてるんだよ。ウィンター会長も同じ考えなんじゃないかな?」
「その通り!」
「!!!」
聞こえるはずのない会話にウィンター参加したことに、レヴィアとミザリは驚く。
すると、ウィンターは、耳栓のしてある左耳を見せながら話し始めた。
「すまない。魔装具の地獄耳の耳栓を使わせてもらっているから、内緒話も聞こえてしまうんだよ。」
「ああ、そういうことか。私は、パーティに入れるのは問題ないが、エイトと相談して決めたい。
ここのリーダーは、エイトだからね。」
「知ってるよ。伝説のエイト=アテラティッツ=タイタン、本人だろうからね。」
「伝説?」
ミザリは話が理解できない。
もちろん、レヴィアも同じ状況のはずなのだが、レヴィアは普段と変わらない表情のままでいる。
「・・・いまの君達では、エイトくんの足手まといになるんじゃないかな。」
そういうと、ウィンターは、目にも止まらぬ速さで、懐から短剣を取り出し、2人に向ける。
レヴィアは、見切っているのか、微動だにしない。
しかし、ミザリは、一瞬の出来事に驚き、椅子から落ちている。
「私も昔、冒険者をしていてね。これくらいは出来るんだよ。」
「ああ、私とエイトの次くらいに強いだろうね。」
ウィンターはニッコリと笑うと、短剣をしまう。
「悪いことは言わない。エイトくんと相談して、出発を2年は、先に延ばしたまえ。
25階以降は、君たちでも歯が立たないだろうから。」
「ご忠告、ありがとう。」
レヴィアは 席を立ち、帰ろうとするが、扉の前で立ち止まる。
「ああ、そうだった。ほら、魔法円の・・・。チョビスケの種類は何だったかな?」
「あのカメか・・・。確か、巨大陸ガメだったかな?」
「良かった。謎が解けたよ。ありがとう。」
レヴィアは、礼を言うと会長室を出る。
ミザリも慌てて後を追う。
ウィンター商会からの帰り道、何かを考えながら レヴィアが歩いている。
「・・・。」
「ねえ、ミザリ・・・。」
ふと振り返ったレヴィアが、ミザリに話しかける。
「あの魔装具は、いくらで買えると思う?」
「・・・あれは、絶対に手放さないと思うよ。レヴィア姉さん、ずっとそんなこと考えてたの?」
~ to be continued
「レヴィア姉さん、今日はウィンター商会に冷倉庫を持っていく日だよ!」
「ああ、儲けに行こうか!」
ベットから跳ね起き、急いで身支度を始める為、脱衣所へと向かうレヴィア。
身動きの取れないエイトは、レヴィアに確認する。
「ねえ、レヴィア、何時に戻るの?」
「さあ?夜までには戻るかな。」
「まだ火傷が回復してないんだけど。」
「ああ、大丈夫。アルルが看病してくれるから。」
レヴィアは 脱衣所から顔を出し、ミザリを見る。
エイトを見つめていたミザリは、レヴィアの視線に気づく。
「いや、僕は気にしてな、いや、気にしてなくないんだけど、ほら。」
「ああ、アルルで大丈夫だそうだ。
明日は、アルルと買い物に行くから、ミザリが看病するから。」
「えー、聞いてないよ。」
文句を言うミザリだが、態度や表情は嬉しそうに見える。
「じゃあ、明日もアルルに・・・。」
ミザリは 頬を赤く染め返事をする。
「いや、しょうがないかな。アルルもほら、ずっと看病も大変だろうから。」
レヴィアは、楽しそうにニヤけている。
その後、着替え終わったレヴィアは、アルルの到着を待って出かけることにした。
~ウィンター商会~
ウィンター商会の店内は ハロルド商会と比べると、内装も展示品も立派で、購買意欲を刺激される陳列がされている。
しばらく店内で待っていると、ウィンター会長の会長室に2人は案内される。
「まさか、こんなに早く帰還するとは思ってもいなかったよ。」
「ああ、最後の階は、調査団に守られながらだったから、楽に進めたからね。」
「いや、うちの調査団がいなくても、全く問題なかっただろう。」
ウィンターは、笑顔で会話をしている。
レヴィアの持ってきたであろう新商品が気にもなっている様子だ。
「ところで、約束通り面白い物を持ってきた。」
レヴィアは 四次元ポシェットから、冷鱗石と図面を取り出す。
「ああ、冷鱗石だろ。知ってるよ。ただ、この明るさでは実用不可なんだがね。」
ウィンターは 期待していた分、かなり落ち込んだ顔で、図面を開く。
「・・・。」
「・・・。」
徐々に、図面を食い入るように見つめる ウィンターの表情が険しくなっていく。
「・・・。」
「すばらしい!すばらしいよ、レヴィア会長!」
興奮するウィンターに、ミザリが説明する。
「商品名は 冷倉庫。
簡単に説明すると、温度の循環を利用して物を冷やす仕組みなんだ。」
「まったく、うちの技術者は 先に大量の冷鱗石を発見してるのに 何をしているんだ。」
レヴィアは、興奮するウィンターに商談を持ち掛けた。
「で、こちらの要求としては、今回、レヴィア商会の設立に関する届け出費用を全額見てもらいたい。
それで、この商品の権利から製造図面まで、ウィンター会長に譲渡しよう。」
レヴィアの要求に即答するウィンター。
「いいだろう。うちの調査団を使えば、すぐに生産も可能で販売できる機械だ。
その金額に、40,000枚上乗せで権利を買い取ろう。」
「40,000枚?」
レヴィアの予想を遥かに超える条件をウィンターが提示する。
レヴィアの予想では、むしろ届け出費用を折半といったところで落ち着くと考えていたのだが、ウィンターの出した条件は違っていた。
そのことに、逆に警戒するレヴィア。
そんな表情を読み取って、笑顔で話し始めるウィンター。
「私の調査団は 冷鱗石の発掘作業に回すとして問題ないのだが、冒険に特化した者が2名いる。この2名をレヴィア団に加えてもらいたい。
もちろん、彼女らの蘇生費用も報酬も、全額ウィンター商会で持つ。レヴィア会長には、無報酬で雇ってもらって、自由に指示してもらって構わない。」
条件を聞いたミザリが、ウィンターに質問する。
「魔装具の分配は?」
「魔装具は、今後も仲間内で分配してくれて構わない。
私は、最下層を冒険するパーティに、ウィンター商会のメンバーがいることが重要なんだよ。」
「・・・?」
不思議そうな顔をするレヴィアに、ミザリが小声で説明する。
「レヴィア姉さん、ハロルド商会も レイヴァ団に娘が所属しているというだけで、装備品や消耗品の売り上げが伸びてるんだよ。ウィンター会長も同じ考えなんじゃないかな?」
「その通り!」
「!!!」
聞こえるはずのない会話にウィンター参加したことに、レヴィアとミザリは驚く。
すると、ウィンターは、耳栓のしてある左耳を見せながら話し始めた。
「すまない。魔装具の地獄耳の耳栓を使わせてもらっているから、内緒話も聞こえてしまうんだよ。」
「ああ、そういうことか。私は、パーティに入れるのは問題ないが、エイトと相談して決めたい。
ここのリーダーは、エイトだからね。」
「知ってるよ。伝説のエイト=アテラティッツ=タイタン、本人だろうからね。」
「伝説?」
ミザリは話が理解できない。
もちろん、レヴィアも同じ状況のはずなのだが、レヴィアは普段と変わらない表情のままでいる。
「・・・いまの君達では、エイトくんの足手まといになるんじゃないかな。」
そういうと、ウィンターは、目にも止まらぬ速さで、懐から短剣を取り出し、2人に向ける。
レヴィアは、見切っているのか、微動だにしない。
しかし、ミザリは、一瞬の出来事に驚き、椅子から落ちている。
「私も昔、冒険者をしていてね。これくらいは出来るんだよ。」
「ああ、私とエイトの次くらいに強いだろうね。」
ウィンターはニッコリと笑うと、短剣をしまう。
「悪いことは言わない。エイトくんと相談して、出発を2年は、先に延ばしたまえ。
25階以降は、君たちでも歯が立たないだろうから。」
「ご忠告、ありがとう。」
レヴィアは 席を立ち、帰ろうとするが、扉の前で立ち止まる。
「ああ、そうだった。ほら、魔法円の・・・。チョビスケの種類は何だったかな?」
「あのカメか・・・。確か、巨大陸ガメだったかな?」
「良かった。謎が解けたよ。ありがとう。」
レヴィアは、礼を言うと会長室を出る。
ミザリも慌てて後を追う。
ウィンター商会からの帰り道、何かを考えながら レヴィアが歩いている。
「・・・。」
「ねえ、ミザリ・・・。」
ふと振り返ったレヴィアが、ミザリに話しかける。
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