ミガモクツ

黒山羊

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次の君の記憶は、別の場所になるようだ。
少し古めかしい一軒家の縁側で庭には、植えられたばかりの柿の木が見える。
その縁側では、先ほどの幼い少女と、老婆が座って絵本を眺めている。


「おばあちゃん、次は この絵本を読んで。」

「はいはい。
 チーちゃんは、この絵本が好きなのね。」

「だって、お姫様がチーちゃんと同じ名前なんだよ?」

「うふふっ。
 そうね。」


少女は、おばあちゃんの膝の上に ちょこんと座ると絵本を読んでもらっている。




絵本を読み終えた後、少女は絵本を本棚へと片付ける。


「チーちゃんの子供にも、この絵本を読んであげるんだ。」

「きっと、チーちゃんの子供も喜ぶだろうね。」

「おばあちゃん、その時は おばあちゃんがチーちゃんの子供にも読んであげてよ。」

「おやおや、おばあちゃんも長生きしなくっちゃね。」


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