私だけが知っている〜キモい主人公を彼氏にしたあとで、イケメンに改造しちゃいます〜

yanako

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感動と感謝をあなたに

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ソフィアさんと手を繋いだまま歩く。

「マイロがね~、女の子連れて来る日がくるなんて、思わなかったわ~」

ソフィアさんが嬉しそうに話す。

「姉ちゃん!!」
「いいじゃない!?本当のことなんだから」

咎めるマイロを気にもせず、ソフィアさんが答えた。


「夏休みに入って帰って来たマイロを見て驚いたわ!だって、カッコよくなってるんだもの!!」

ソフィアさんは興奮して、私の手をブンブンと振った。

「マイロの髪を切ってくれたのも、洗顔方法について教えてくれたのも、アイラちゃんなんだって?ありがとうね!アイラちゃん!あなたは救世主だわっ!」

「姉ちゃん!!もういいから!!」

「もうよくないわよ!この感動と感謝をアイラちゃんにもれなく伝えたいのよ!」


ソフィアさんが私をじっと見つめる。

「アイラちゃん。私は本当に嬉しいの。マイロはいい子なのよ。優しくて、人を傷つけたりすることを好まないわ。なのに、マイロ自身は傷つけられることが多くて……。でも、あなたと出会ってからのマイロは本当に幸せそうなんだもの」

「姉ちゃん……」

ソフィアさんが私に感謝を伝えてくれている間、マイロは困ったような、照れているような顔をしていた。


「私が、マイロの役に立てているのなら、とても嬉しいことです。確かにマイロは沢山喋るタイプではありませんが、相手を思いやる優しさがありますし、知的で魅力的な人ですから」

私がそういうと、ソフィアさんは足を止めて、私に抱きついた。

「アイラちゃん!あなたはなんて素敵な人なの!今日は来てくれて本当にありがとう!ほら、マイロ!あなたもお礼を言いなさいよ!」

ソフィアさんに褒められて、恥ずかしくなった私は、思わずマイロを見た。

すると、マイロは真っ赤になって、立ちつくしていた。


「ま、マイロ?どうしたの?大丈夫?」

私は心配になってマイロに声をかけた。

「だ、だ、大丈夫だよ……た、ただ恥ずかしかっただけ……」

「恥ずかしがることないじゃない!だって本当のことだもの。ねぇ?アイラちゃん?嬉しいわ~本当のマイロの姿をみてくれる人がこんなに可愛いお嬢さんで!お母さんもとってもとっても喜ぶわ~」


ソフィアさんは嬉しそうに言った。


「家には?母さんがいるの?」

「母さんもいるけど、お兄ちゃんもお父さんもいるわよ?」

「なっ?なんで兄ちゃんと父さんが?仕事は???」

困惑しているマイロ。あわあわとしている。


「だって……みんなそれどころじゃないじゃない?マイロがお友だち、しかも女の子を連れてくるって言うんだから。父さんも、お兄ちゃんも、早退してきたみたいよ?」

「そ、早退……って」




    
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