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あまり似てないお姉ちゃん
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馬車の中では、天然酵母のパンの作り方を説明したり、好きなサンドイッチの具材を話し合ったり、他愛もない話をして過ごした。
段々景色が長閑なものへと変わって行き、もうすぐマイロの実家に到着するのが分かると、急に緊張してきた。
「マイロ。今回私がお邪魔すること、ご両親やお兄さんたちは大丈夫なの?」
「うん。大丈夫。母さんはすごい喜んでた」
「本当?ならいいけど」
「本当だよ。本当にすごい喜んでたし、驚いてた」
それを聞いて私は安心した。
魔法の練習をするとはいえ、他人がやってきて10日間も滞在するのを、良く思わない場合もあるから。
「たまにね、母さんは王都までやってきて、一緒にご飯食べたりして会ってたんだ。僕のこと心配してたから。馴染めているのかって」
マイロはポツリといった。
「大丈夫って言ってたけどさ、本当は分かっていたんだと思う。だって友達の名前とか出てこないんだからさ。でも、最近はアイラの話をよくするようになってたから、僕の初めての友達だって認識していると思う」
「私の話をしてたの?」
「そう。スムージーを飲むようになった話とかね。それを聞いてから、母さんも家でスムージー飲んでるから」
と言って、マイロは笑った。
「だから、大丈夫。心配しないでね」
「分かった。ありがとう。でも、やっぱり緊張するなぁ」
私がそういうと、マイロは笑った。
やがて馬車が止まり、先に降りたマイロの手を取って馬車を降りた。
「マイロ!そのお嬢さんがアイラちゃんなのね?」
女性の声がするので、顔を上げると、そこには、マイロのお姉さんと思われる女性がいた。
「はじめまして。アイラ・ブラウンと申します。10日間お邪魔いたします。宜しくお願いします」
慌てて頭を下げると、
「こちらこそ、よろしくね。マイロがいつもお世話になっているみたいで、本当にありがとう」
マイロのお姉さんは嬉しそうに話している。
「姉さんただいま。僕の友だちのアイラ。アイラ、僕の姉さんのソフィア」
「ごめんなさいね、名前も言わずに。私はソフィア。ようこそ!アイラちゃん!気楽に過ごしてちょうだいね!みんな待ってるわ、さぁ行きましょう!」
ソフィアさんは私と手を繋いで歩き出した。
明るく、活発なソフィアさん。
あまりにもマイロと違う性格に戸惑い、思わずマイロを見ると
「姉さんは、人と関わるのが好きな人なんだ」
とマイロが笑っている。
「そうね、そこはマイロとは似てないかもしれないわね」
ソフィアさんも笑うと
「でも、私もアイラちゃんのこと、好きになりそうだわっ!私のこと、姉だと思って過ごしてちょうだいね」
と言って、マイロを慌てさせていた。
段々景色が長閑なものへと変わって行き、もうすぐマイロの実家に到着するのが分かると、急に緊張してきた。
「マイロ。今回私がお邪魔すること、ご両親やお兄さんたちは大丈夫なの?」
「うん。大丈夫。母さんはすごい喜んでた」
「本当?ならいいけど」
「本当だよ。本当にすごい喜んでたし、驚いてた」
それを聞いて私は安心した。
魔法の練習をするとはいえ、他人がやってきて10日間も滞在するのを、良く思わない場合もあるから。
「たまにね、母さんは王都までやってきて、一緒にご飯食べたりして会ってたんだ。僕のこと心配してたから。馴染めているのかって」
マイロはポツリといった。
「大丈夫って言ってたけどさ、本当は分かっていたんだと思う。だって友達の名前とか出てこないんだからさ。でも、最近はアイラの話をよくするようになってたから、僕の初めての友達だって認識していると思う」
「私の話をしてたの?」
「そう。スムージーを飲むようになった話とかね。それを聞いてから、母さんも家でスムージー飲んでるから」
と言って、マイロは笑った。
「だから、大丈夫。心配しないでね」
「分かった。ありがとう。でも、やっぱり緊張するなぁ」
私がそういうと、マイロは笑った。
やがて馬車が止まり、先に降りたマイロの手を取って馬車を降りた。
「マイロ!そのお嬢さんがアイラちゃんなのね?」
女性の声がするので、顔を上げると、そこには、マイロのお姉さんと思われる女性がいた。
「はじめまして。アイラ・ブラウンと申します。10日間お邪魔いたします。宜しくお願いします」
慌てて頭を下げると、
「こちらこそ、よろしくね。マイロがいつもお世話になっているみたいで、本当にありがとう」
マイロのお姉さんは嬉しそうに話している。
「姉さんただいま。僕の友だちのアイラ。アイラ、僕の姉さんのソフィア」
「ごめんなさいね、名前も言わずに。私はソフィア。ようこそ!アイラちゃん!気楽に過ごしてちょうだいね!みんな待ってるわ、さぁ行きましょう!」
ソフィアさんは私と手を繋いで歩き出した。
明るく、活発なソフィアさん。
あまりにもマイロと違う性格に戸惑い、思わずマイロを見ると
「姉さんは、人と関わるのが好きな人なんだ」
とマイロが笑っている。
「そうね、そこはマイロとは似てないかもしれないわね」
ソフィアさんも笑うと
「でも、私もアイラちゃんのこと、好きになりそうだわっ!私のこと、姉だと思って過ごしてちょうだいね」
と言って、マイロを慌てさせていた。
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