オタクな母娘が異世界転生しちゃいました

41.動きだす『おにぎり屋フジヤマ』-2

「あまり種類を増やしても、材料も増えるし、手間もかかるしだから、最初は3、4種類でいきましょう」
「賛成！」

「テオ、この辺りは汁物は塩味のスープが多いの？」
「そうだね、塩味の野菜スープばかりだよ」
「醤油が特産品なのに？」
「ほとんど、王都向けに売るから。村の人はあまり食べない。高いし」
「塩の方が安いの？」
「岩塩が出る山があるから」

「となると、醤油や味噌の汁物は食べたことない可能性が高いわね」
ロナは考える。豚汁と牛肉の芋煮汁の２種で考えていた汁物をどうしようか。
村民は食べたことがないという。

「ママが前に作った、鶏肉とキャベツの塩スープ美味しかったなぁ～。まずは馴染みのある、塩味スープを出して、それからスープの種類も増やしていけばいいじゃん♪
」

「梨奈！あなた、なんて柔軟な発想なの！テオも梨奈もあなたたちは最高のブレインだわっ！」
「…ブレインって？」
「西の国の言葉で、直訳は『脳みそ』だけど、この場合は『計画を作ったり戦略を練ったりする役割の人』のことかな」


「…脳みそ…」