【完結】私のことを、愛して

yanako

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6.心を決めた

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「もう少し、もう少しよ」
誰かの声が聴こえて目が覚めた時、私は暖色の部屋にいた。


「目が覚めた?興奮状態になって倒れちゃったから、心配したわ」

「お母様……ごめんなさい……心配させて……」

「今日は食事を部屋に運ばせるから、食べて寝なさいね」

お母様は私の頬を撫でて、出て行った。


食欲なんてない。
このまま、妹として生きていくのは、耐えられない。
もう、おばあちゃんも死んでしまった。
私も、死んでしまおう。
最後に、領地の景色を見て。



運ばれてきた食事を断って、私は眠った。
心を決めてしまったら、苦しさから解放された気がした。



次の日の朝、食事の際に私は言った。
「お父様、アニーの育った領地が見たいです」

「それは構わないが、どうしたんだ?」

「おばあさまの葬儀には参列しないのですか?」

「私と妻だけで参列しようと考えていた。アリーも行くのか?」

「アニーを育ててくれたお礼を言いたいのです」


私とお父様との会話を黙って聞いていた妹がニッコリと笑って

「アリーは優しいのね?会ったことも無いおばあさまの葬儀に参列してくれるなんて。いいじゃないですか、お父様。皆でおばあさまの葬儀に参列しましょう」
と言った。

「そうだな。じゃそうするか」
お父様はそう言って、全員で参列することになった。


おばあちゃんのお墓にお花を供えたら、私も逝くからね。おばあちゃん。


※※※※※※
アリー 妹
アニー 姉(主人公)
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