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アルカナティック・ドリーマー

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クリスマス・イヴに捧ぐ。
冒頭件書。我君ヲ愛ス。僕はお前にとって実に愛おしい存在と成りたく思ふ。
お前の為なら、僕はきっと死んでも死にきれないだらう。と心から思ふ。
僕の心には、君と言ふ月がくっきりと浮かぶばかりである。嫌いはぐっと呑み込んでくれ。
我君ヲ愛ス。死ンデモイイワ。ボルドームーンの音色。僕はそんな日常に、
君を重ねて満足しているやうな人間である。さて、起床しやうか。
 
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
 
“愛”、
というのは一過性の感情や恋情に由来するモノで、ただ当たり前に全うに生きている人間からしたら、とてつもなく複雑で且つとてつもなく身近な様なそうでないような印象を受けるのだろう、と僕は思う。
だが、僕は違う。否、もしかしたら…
 
“僕だから”、違うのかもしれない。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
アルカナティック・ドリーマー from.與常よじょうたき
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
與常槞、そんな奴がいる。ただ一人として、僕にはそんな奴に見える。
でも、きっと僕は周りとは違うのだろう。と呆気なく厨二病の単語ひとつで完結されそうな語彙を用いて発してみる。周りは僕に見向きもしないし、したとして精神科への受診を促して、終了。理に叶っている。
 
こんな、つまらないつまらない国語の説明文読解みたいな文を書いておいてアレだが、そうだ僕は違うのだ。と太宰の先人に倣って書いておいたりもする。
何故なにゆえ、僕の文は寄り道せずに簡潔に書けば、横書き三行程度で終わってしまうような箇条書きにしかならない短い文なのだ。だからこうして寄り道をする、演劇臭さはご勘弁を。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
與常槞、僕は周りとは違う僕に実態はあるが、魂はない、と仮定している。
というか、仮定しないと話が始まらない。そうだ、僕には親がいない。気付いた時にはダンボールの中だ。まるで子猫みたいに、雨の中タンクトップとハーフパンツ一枚で棄てられたように座っていた。でも何故かその時には眼鏡はかかっていたし、髪も束ねられていた。そして僕にはそれ以前の記憶が驚く程無い。否、あるとすれば、………これを“記憶”、と呼んで良いのかはさておき、僕の脳内なかにはもう一人、居眠りすることでしか時間を潰すことの出来ないある種憐れな野郎がいる。同じ顔、同じ髪色、同じ瞳の野郎がいる。
 
これを偶然と言わずして何と言うのだろうか?  
 
だだっ広く白だけの広がる世界で、僕は立ち、動き、歩けもするし座れもするが、“彼”は一人猫足のバスタブの中でその互い違いの長身を狭そうに押しくるめて寝てるか起きてるかするだけだ。
「お前、名前とかあるのか。」
と一度聞いてみたことがあったが、解答方法が俺程におかしかった。
 
「無い、と思うね。だって、ボクはキミみたいにヒトとの関わりが無いワケだし、……かといって関われるワケじゃない。キミの名前だって、最初から彫られていたんだろう?知っているさ。だってそうだよ…… “ボク”は、“キミ”。だからね。
ボクに名前なんて無いはずさ!だってボクは、“キミ”を通してしか生きていけない!
そんなけいみたいなことあるものか!どうせボクはキミでしかないんだから…
呼びたければ、勝手にでも付けておくれよ。ボクにはどの道学が無いんだ。」
 
もうそれ以上、そいつと話す様なことは出来なかった。三拍置いて、また“彼”は居眠りするように布団代わりのローヴに顔をうずめた。その時程、気味悪い時間は無かったように思う。
きっと彼は、ずっと僕みたいな奴を待っていたんだろう。長い事永い事、人体の中に居場所を求めて静かにさまよっていたのだろう。
見つけた場所がこんな所で悪かったなぁ!と心の奥底で叫んだ。だって僕は知らない、
きっと僕なんかが知って良いもんじゃない気が、彼と出会った時からずっとしているのだ。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
僕にはどうせ、価値などないのだろう。と、ふとしたときに声に出してみたりする。
きっとそうなのだろう。僕には何の才も趣味もなければ勉学も振るわない、運動も“できると言えば”の範疇で、特に秀でている訳でもない。しようがないじゃないか。
かと言って、それを理由に死んでみたり、なんてのが一番面白味のない事じゃないか。と、自分に言い聞かせている。何にせよ僕は生きていてもどうしようもない奴なのだ。
僕は自分の顔を「綺麗だ」と思ったことは一度もない。
だが世間一般からかんがみるに僕の顔は浮世離れしたような美人らしい。
というのも、飼い主がそうと言えばそう、であるからだ。
人間でないと仮定する僕にも、一応親代わりの人物は居るし家もある。
それも結構裕福らしい。
 
「あぁ、お帰り槞くん。疲れたでしょう、着替えて来なさい」
 
飼い主だ。僕は何故彼のことを飼い主と言うか……
 
「うん、綺麗だ。今日はいつにも増して……ね。描いてあげるよ。脱ぎなさい」
 
飼い主は画家だ。しかもそこそこ名の知れている奴だ。そんな彼は僕のことを見つけて、拾って、育てて、こうして……
 
「うん。綺麗だ。流石僕の息子だねぇ槞くん。じゃあ、今日はこんな感じにポーズ取ってみよっか。背筋は曲げて……あぁ、腕はピンとしててね。」
「うんうん、やっぱり綺麗だねぇ。肌も白くって。描いてあげるからそのまま動かないで。」
「陰影………そうだね、君軽く鍛えた方がいいよ。どうする?プロテインあるけど飲む?」
「…………いいねぇ、目つきが。なんでそんなエッチなの?あぁ、言わない方がいい?ハハ、君まだ精通もしてないもんねぇ、モテるのに。オナニーしてるとこ見た事ないもん。
何?君ホントは人間じゃなかったりするの?……そんな顔しないでよ!ハハハ…冗談だよ冗談。」
「……けどまぁ、君今十七なんでしょ?二十歳ハタチ越えても来なかったら、流石に病院行きなよ?ヒニョウキカ…とかでいいのかな、僕チンコに不調きたしたことないからわかんないけど。」
 
飼い主は、いつもいつもこうやって俺の身体を描く。
もう丸九年ほどこんな生活が続いている。というのも、僕が飼い主に拾われたのがそもそも外見からして六つの時だったからだ。
いくら探しても、俺は出生届が出された様子が無かったらしい。
家に連れ帰って、綺麗にして、飯に上げて、戸籍を作ってくれたのは正真正銘飼い主である。
 
「僕の呼び名かい?そうだねぇ、……生憎、僕は“オトウサン”って言葉が大の苦手でね、そうは呼ばれたくないんだ。かと言って、君に恩を売りたいわけでもないし。
……うーん、そうだね、……“飼い主”、とでも呼んでくれないか。
丁度君の髪は綺麗な赤混じりだからね。そうしておいた方が双方気が楽だろう。
縛る気なんて全くないからね、逆に僕も縛られたくないんだ。…困ったことがあったら、いつでも言うんだよ、槞くん。僕は戸籍上だけでも君の“父親”なんだから。」
 
「…描けたよ。お疲れ様槞くん。もう自由にしていいよ、ありがとうね。
どうする?ご飯にはまだ…早いな、コーヒーでも飲むかい?砂糖とミルクたっぷりのやつ。それともブラックがいいかい?」
 
飼い主はそうやっていつも俺を甘やかしてくる。
 
「カフェオレ…」
「あらやだ可愛い。いいよ、今日はゴディバもつけたげる。今日個展の話し合いに行ったら貰ってね。棒状の。美味しいよねアレ。エスプレッソにしようかな。」
 
そう言いながら飼い主は真っ黒に染まった中指を気にしてキッチンに入っていった。
こちらもこちらで寒いので服を着ながら、なんとなくで絵を覗き込む。
 
 
…やっぱりか。
 
やっぱり僕は、飼い主に余程美しく監視されているんだ。
そう、知覚せざるを得ない絵だった。ただ一つ気になったのは……
 
 
 
僕はこんなに美しく描かれるべき人だったろうか?
「槞くん。カフェオレできたよ、おいで」
 
飼い主が俺を呼ぶ。そんな人なのだ。そう、そんな…
 
「もうそろテストとか返って来た頃じゃない?どうだった?数学赤点引っかかった?」
「…三教科 」
 
急に飼い主が焦りだす。
 
「わぁ……えぇ、大丈夫?補習とか、」
「講座平均より上。」
 
赤点なんて一言も言ってないじゃないか。
 
「え、え!凄!えぇ凄いよ槞くん!!よく頑張ったね、凄い!え、あ、どうする?
今日のご飯何にしようかなぁ…やっぱすき焼き?すき焼きだよね!お肉買ってこよっか!」
「良いって、そもそも肉の気分じゃないし…」
「そっか。…でも凄いよ。じゃあ今日は消化良い物にしよっか。白身魚……鯛とか?
ロールキャベツでもいいね、美味しいし。槞くん好きだもんね。」
 
そう言って飼い主はマシンで淹れたエスプレッソに構った。
……機械如き、である。
 
(誕生日にコーヒーミルでもあげようかな…)
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
部屋。人間の一番性格の出る箇所だ、と思う。実際僕もそうだろう。
内装は、飼い主と折り合いをつけて置いた、木装調。だが何気なく冷たさを感じている。
椅子に座ってみるが、如何せんすることがない。かと言ってしたい事もない。
着替えてしまったから義務的にしなければならないこともない。

退屈、とでも言うのだろうか。

自慰か……する必要を感じない。してしまったら僕の中で何かが壊れる気がする。
だが飼い主は心配しているらしい。謎だ。
どうやら僕は一割の中に入っている様だ。

「あっ、あっ、だめ、イっちゃう、イっちゃう、やだ、やだぁ…」

ダメだ何も感じない。そもそも僕には他人に興味がないからいけないのかもしれない。
さて、分かりきっていたことだが本当にやることが無くなってしまった。

「………洗濯でもするか…」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「あれ、槞くん珍しいね。こんな時間から洗濯?」

飼い主が脱衣場と扉を挟んで地続きになった台所から顔を出した。

「テスト終わってすることない…」
「なるほどねぇ、うーん…別に僕も今手つけてる作品とか無いしなぁ……あ、味見でもする?お出汁の」
「先風呂掃除する」
「僕の息子ったら偉くて助かっちゃうねぇ、デザート作ってあーげよっと」

飼い主はいつもこんな感じなのだ。これが僕の日常の一端(いっぱし)である。
帰ってきて、デッサンモデルをして一服、自習、風呂掃除、夕飯、食器洗い、風呂、入る前に洗濯機のスイッチを入れて、上がったらそのまま干して掃除、そのまま就寝。
起床したら、前日に干した制服を着て、飼い主の作ってくれた弁当を手に電車に揺られ、帰路、帰宅………こんなものだ。
所詮僕はそんな生活しかまともにする事が出来ない。

「…今度色使いだけでも教えて貰おうか……」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「槞くん、ご飯出来たよ。おいで」
「今日は色々すり合わせた結果白菜と豚肉のミルフィーユ鍋になりました!美味しくできたはずだよ…ポン酢かけて食べてね。」
「………どう?おいしい?」
「うん、」
「よかったぁ、味見の時反応薄かったから心配になっちゃってさー…あホントだ美味しい」

どことなく乙女というか少女のような雰囲気を放つ飼い主だが、齢(よわい)三十六の未婚男性という情報を書き加えると何か世界の歪みの一部を覗きかけたような奇怪な印象を受ける。というのも、飼い主が僕のことを拾った時飼い主はまだ二十七で、ようやっと絵が金になるようになってきた頃の話だった。
何故(なにゆえ)僕を拾ったのか聞いてみると、

「僕ね、犬好きなの。実家で飼ってたんだけどねぇ、色々あって死んじゃってさ。
まさかそれっぽい髪の毛の子がこの世に居るとは思わなくて。勝手に運命じみたもの感じてさ。まぁ、だから何?って感じだろうけどね。……
…君、顔可愛かったからさ。成長したらどんな美人になってんだろうな!とか気になっちゃって。結局拾う人も居なさそうだし、僕はそもそも恋愛とかに興味は無いけど一人で暮らしてくのもなんか嫌でさ。……ごめんね、こんな自分勝手な父親で。
けど綺麗に育ってくれてよかった。それだけでメンタル保たれてるからね。」

との事だった。つまり僕は飼い主にとってただの人形だったか?記憶の依り代だったか?そんな不気味じみた発言をされた当時十五歳、僕は余計何者かがわからなくなった。
その日からだったろうか。
僕の“夢”に、“彼”が出てくるようになったのは。

「初めまして。やっと来てくれたんだね。待ってたよ…嗚呼そりゃあ待っていたよ與常槞クン。この世界にようこそ。そうだね……お祝いでもするかい?まぁ、ボクはそもそもそのやり方とやらを全く知らないんだが…ククク。“嬉しい”とはこう言うことかい?ねぇ…
折角来てくれたんだ。ボクと一緒にオハナシしよう。キミ……会えて嬉しいよ。ククク…」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「いってきまーす」
「行ってらっしゃい槞くーん!今日打ち合わせあるからいないかもしんなーい!」
「はーい」

朝。今日はやけに日が強い。かと言って、日常は日常であってそれが何ら変わり映えする訳ではない…と、思っていた。思っていたに過ぎなかった。

「君が與常槞君かい?いやはややはり美しいねぇ…
佐藤君!席をお借りしてもいいかい!……ありがとう感謝する!邪魔するよ。」

教室内で独り細々と弁当をつついていた僕にとって、こんな事は初めてだった。
まさか同学年だが接点のない色素もない知り得ない美人で変人な彼からお声がけをいただくなんて、僕は思いもしなかった。
(秀才め…)

「僕に何か用でも?」

思いがけず高圧的な態度が出る。

「そんなに気を悪くしないでくれ與常君、私はただ君と話をしたくてね…そうだ名前だ、名乗るのを忘れていたね。私の名前は静村北斗。是非サ行のズでなくタ行のヅで呼んでくれ。」

嗚呼知っているさ、と言いそうになるのをぐっと堪える。やはり変人だ、この人間は。

「……はぁ、」
「どうしたんだい與常君、いや槞君とでも呼ばせて貰おう。具合でも悪いのかい?
君の肌は唯でさえ白いのに今日は二段ほど元気がない様に見えるが」
「アルビノの君に言われたくない…」
「確かに、私の肌は黄色人種か疑わしい位白いし生まれた時から髪色は一切白髪はくはつで且つ弱視だが、別に日光以外で健康を害したコトは無かった様に思うよ。
君のソレは健康を害しているソレだ。次は、ぁ……家庭科か。是非睡眠してくれ。」

彼はちゃんと見えているのかどうかわからない赤い双眸そうぼうを広げたり縮めたりしながら僕に向かって大真面目にそう言った。
「……静村、」
「おお、何だい槞君。」
「…本当に見えてるのか?それ……」
「?嗚呼見えているよ。これくらいの距離ならまだ分かるさ。格好いいだろう?
特例として許されているモノクルでね。見てみるかい?」
「いや、そうじゃなくて…」

静村は分かっているようなそうでないような表情で僕の顔を覗き込んでくる。白銀色をした奇妙なくせ毛が僕の瞳に眩しく刺さってきて不快だ。

「…次多分化学……」
「あらら。」

静村は自信に向けて憐れみの声を出した。女か、お前は。

「おかしいなぁ、最近度数を新調したばかりなのに……」

そう言うと静村は僕の顔にもう一度向き直って言った。

「まぁいいさ、弱視とは本来こんなものだよ。それより槞くん、私は先程君に“話がある”と言ったね、その“話”なんだが……ここでは幾分話しづらいかい?」

何を言っている、とも思った。別に今現在このクラスに女子なんて居ないのだ。

「……男にすら聞かれても気色の悪い話なのか?」
「いや、そういう訳じゃないが…私からするとこれは不思議なことを言っているように思うんだ。まぁいい。ここから先は僕らだけの秘密としよう。」

すると静村は僕の方にぐっと顔を傾けて言った。

「デッサンモデルになってほしいんだ。」

なんだろう。慣れちゃいけない気が……

「いやぁ、変なことを言っているのは百も承知だよ。だがね、私は気になるんだ。
気になって気になって夜も興奮が治まらず眠れない、なんてことが幾日か続いているんだ。何せ君の父親はあの有名な“Kyouka Yojyou”なんだろう?長髪の青年のデッサンを沢山描いている……アレ君だろう?髪の毛のクセと脚の形ですぐわかった。
いやはやKyoukaの息子が君なんてとは思ったが、確かKyoukaの息子は養子だと聞いてねぇ…合点が行ったよ。失礼なことを言っているのは分かっているが………
君、本当に人間かい?」

僕の脳裏に脳内のアイツの顔が浮かんだ。気味悪いガミースマイルだ。
僕は半ば本能的に静村のことを睨んだ。

「冗談。冗談さ。流石に僕でもUMAまでは詳しくないよ。
だがね、私は思うんだよ與常槞くん。君の事を描いてみたい……とね。
実は、私は美術部に所属していてね。別に大学に興味は無いがただ好きでね。君のことを肉体的に美しいと感じるんだ。だから描きたい。」

静村を顔ごと見ると彼は静かに笑った。

「いつでもいい。放課後、美術室に来てくれないか。
生憎部員は少なくてね、総勢六人と言った感じだ。もう先輩も抜けてしまったし。
ちなみに部長は私だ。顧問なんて来た試しがないから、気軽に来てくれ。」

ミントとソープの匂いが嘘くささを加速させる。

「……暇があったら、な。」
「良いのかい與常君。嬉しいねぇ。この学校には石膏像が一体しかないから助かるよありがとう。ではまた。貴重な昼休みを奪ってしまってすまないね!
佐藤君!席をお貸し頂きありがとう!この借りはまたテスト前にでも返させてくれ!」

そう言って静村は自分の教室に戻って行った。

(嘘くさ…)

と言いながら、どこかしらに期待している僕も居た。
そうだろう。だってそうだ。


…僕には府内偏差値七十五の奴の考えていることなんて、わかりっこないのだ。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

(惚れたか?これが恋というモノだろうか、否違うか…でも何故だ?
何故私の瞳は……)


(何故あんなにも與常槞を捕らえたがる?)

「うーん……」
「……考えるのは、一旦保留にしておこう…」


続。
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