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41.金のあるところ
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エイヘッド特別隊が到着した日の午後、現在アツリュウの執務室となっている部屋に、男たちが集まった。
補佐官のオルゴン、アツリュウの護衛と補佐を兼ねるモーリヒルドから同行してきた4人の兵士、エイヘッド特別隊のスオウ隊長と副隊長、キボネ、そして……
「執行官のソバと申します」
役人らしく、きっちりと整えられた服装と髪型、都から6日の船旅を終えて今日到着した疲れは微塵も感じられなかった。
年齢不詳な感じだが、おそらく40代手前であろう男性ソバは、一言そう名乗り、無表情のまま、アツリュウが「よろしくたのむ」と握手のため出した手を握り返した。
セウヤ殿下が送ってきた執行官ソバは、エイヘッド領の財務処理において、領主代行よりも強い権限を持たされている。
アツリュウは領主代行として、領主と同じ権限をもつが「金についてはすべて自由にはできない」ということらしい。エイヘッド領での金の動きに目を光らせる役割が、このソバの仕事だ。
「皆集まってくれてありがとう。これからすべきことの方向を決めるため皆とそう……」
アツリュウは相談……と言いかけて、スオウ隊長の冷たい視線を思い出し、咳ばらいを1つした。
「皆の意見を聞かせてもらいたい。まずは連日の領民の陳情について、オルゴン補佐官説明してくれ」
「代行がエイヘッドに着任したことが領民の知るところとなり、数日前から陳情を訴える領民が、領主城に多数訪れています。今の人員では処理が追い付かず、城の前は領民の長蛇の列です」
オルゴンは淡々と話を進める。
「陳情内容は、主に農村、漁村部における貧困の窮状を訴えるものが最も多い。食料、医療、住居の不足。原因は租税の取り過ぎです」
オルゴンは一つ息を吐いた。いい話は一つもない。
「海賊騒ぎの後、観光都市として潤っていたエイドドアドに人が訪れなくなった。人が来ない、物が売れない、店が閉まる、仕事が無くなる……まあ面白いように悪い方へ転がって、エイヘッドを見限った者達、特に金がある商家や貴族たちが続々とこの地を離れている。増々エイドドアドを初め、商いをしている所はどこも活気を失い……領民たちは仕事を失う」
アツリュウも海賊騒ぎの深刻さを、甘くみていたなと思う。
ヒシダ総監はここ10年海賊を見ていないという、だから実際のところ海賊騒ぎはあっても、海賊はいないのだ。
それでも、領主が逃げたとあれば、そんな危険な場所に人は行きたくないし、物も売りたくない。当然の流れではある。
「この領地が長年抱えている問題。街道、橋、水路など領地の整備が至る所で十分になされていない。そして、エイヘッド最大の港であるエイドドアド港について」
オルゴンは言葉を止めて、頭に手をやって、こちらが相当厄介です、と続けた。
「代行は明日、商業ギルドの方々と面会なさいます。このエイドドアドの港の現状について、彼らは相当な不満があるようで、彼らの勢いを見るに……陳情というよりは、もはや糾弾。彼らを納得させられないければ、今後の我々の活動は著しく難しくなるかと、彼らがエイヘッドの主要な街を動かしていますからね」
「港のことについては私が説明しよう」
アツリュウはヒシダ総監と何回か面会し、エイドドアド港の抱える問題について話を聞いていた。
「エイドドアドの港には立派な軍港があるわけだが、スオウ隊長も今日見たと思う」
先ほどのやり取りを反省して、なるべく代行らしい言葉を選んで話す。相変わらず彼の視線は冷たい。
「ヒシダ総監の話によると、あの軍港は港の防御として意味がないそうだ。さらに、エイヘッドの産業を支える木材業だが、今まで使えていた大型の搬出船が、あの軍港を造ったために使えなくなった。信じがたい話だが、エイヘッドの命ともいえる木材を出す船を、あの軍港が蓋をして止めているということだ」
「あの軍港ができたのはいつですか?」
ソバ執行官が静かな口調で聞いた。
「5年前と聞いている」
「では5年分の木材の滞りがあるということですね」
彼はそれは深刻ですね、と呟いた。
「小型船での木材搬出はあるそうで、木材の流通は止まってはいない。だが、流通の規模は縮小している……」
アツリュウもそう答えると、深刻な状況だと同じく呟いた。
「明日の商業ギルドとの面会、代行はどうお答えになるおつもりですか?」
ずっと黙って聞いていたスオウ隊長が、アツリュウに問うた。
「そうですね、今のところ彼らに何の良い話もできないですね」
正直に答えた。
「セウヤ殿下から援助をもらう約束など、今回の任を受けるにあたって無かったのですか?」
スオウ隊長の問いにアツリュウはセウヤ殿下の言いぐさを思い出して笑ってしまった。
「セウヤ殿下は、エイヘッドなどいらないと言ってましたよ。でも拾うには金が掛かり、捨てるにはシュロムに傷が付く、面倒な場所だと。セウヤ殿下は全て知っているようでした、エイヘッドの現状を」
「こんな場所だと分かっていて、あなたは引き受けたのか?」
スオウ隊長にしては馬鹿みたいな質問だった。
私に断ることができたとでも思うのですか?と問いたかった、さらに、あなただってこんな場所まできたでしょう?と言ってやりたかった。がそんなことは恐ろしくて言えない。
「セウヤ殿下は拾うには金が掛かると……、その通りで、今出されたエイヘッドの問題のほとんどは、金があれば解決できることのように私は思う、違うだろうか?」
アツリュウが問うと、オルゴンがまあ、簡単に言えばそうですね、と答えた。
「では、どこから金を持ってくるかと言う話しだな、セウヤ殿下はくれないと思うけど」
アツリュウは座って小難しい話を聞くのが、何よりも苦手であるのに、さらに今日はこの筒着物の正装だ、息苦しさに耐えかねて、言葉遣いが普段の19歳に戻ってしまった。
「金の当てはないだろうかオルゴン」
彼は視線を合わせ、意味ありげな顔で黙った。言っていいのか?という顔だった。
「エンドバード領ミタツルギ家からの援助、または借用」
オルゴンが低い声で、けれどきっぱりと言った。
エンドバード領から金を借りる、すなわちエンドバード領主に頼むということ。あの男に……
胸の奥から嫌悪感がふき出した。そんなことは絶対に嫌だと大声で叫び出したいほどだった。
嫌だと口にだすのも、さらに嫌だ。自分が取り乱して嫌だと言ったら、何故かと問われる、あの男について話すことも嫌だ、考えることも、想像することも、関連することを話すことも、エンドバードと口にすることさえ……
アツリュウははっとして、ある考えに至った。
「もしかして、セウヤ殿下が俺を領主代行に選んだのは、ミタツルギ家の人間だから? エンドバード領の金で、ミタツルギ家に、ここを何とかしろってこと?」
オルゴンとキボネが大きく頷いた。
「そうだったんだ……なんでセウヤ殿下が俺なんかを代行にしたのか、本当に謎だったんだけども今分かった」
「アツリュウ様、今のは口に出して言わない方が良かった……」
キボネが呆れて言った。
大きなため息をスオウ隊長が吐いた。わざと聞こえるようにか、思わず出てしまったか、どちらにしても自分が彼を失望させていることは理解できた。
アツリュウは立ち上がった。執務室の中を行ったり来たり歩いた。落ち着きがないと言われるのは、物心ついたときからで、今更しょうがない。考えをまとめるときは動いたほうがいい案がでる。
あの男から金は借りたくない。考えろ、金を貸してくれそうな相手を、やはりセウヤ殿下に泣きつくしかないのか? 俺にあの人を動かせるとも思えない。だってあの人は初めから分かって俺をここに送り込んだのだから。皆の視線が自分を追うのもかまわず、うろうろ動いた。
「あった。金のあるところが!」
補佐官のオルゴン、アツリュウの護衛と補佐を兼ねるモーリヒルドから同行してきた4人の兵士、エイヘッド特別隊のスオウ隊長と副隊長、キボネ、そして……
「執行官のソバと申します」
役人らしく、きっちりと整えられた服装と髪型、都から6日の船旅を終えて今日到着した疲れは微塵も感じられなかった。
年齢不詳な感じだが、おそらく40代手前であろう男性ソバは、一言そう名乗り、無表情のまま、アツリュウが「よろしくたのむ」と握手のため出した手を握り返した。
セウヤ殿下が送ってきた執行官ソバは、エイヘッド領の財務処理において、領主代行よりも強い権限を持たされている。
アツリュウは領主代行として、領主と同じ権限をもつが「金についてはすべて自由にはできない」ということらしい。エイヘッド領での金の動きに目を光らせる役割が、このソバの仕事だ。
「皆集まってくれてありがとう。これからすべきことの方向を決めるため皆とそう……」
アツリュウは相談……と言いかけて、スオウ隊長の冷たい視線を思い出し、咳ばらいを1つした。
「皆の意見を聞かせてもらいたい。まずは連日の領民の陳情について、オルゴン補佐官説明してくれ」
「代行がエイヘッドに着任したことが領民の知るところとなり、数日前から陳情を訴える領民が、領主城に多数訪れています。今の人員では処理が追い付かず、城の前は領民の長蛇の列です」
オルゴンは淡々と話を進める。
「陳情内容は、主に農村、漁村部における貧困の窮状を訴えるものが最も多い。食料、医療、住居の不足。原因は租税の取り過ぎです」
オルゴンは一つ息を吐いた。いい話は一つもない。
「海賊騒ぎの後、観光都市として潤っていたエイドドアドに人が訪れなくなった。人が来ない、物が売れない、店が閉まる、仕事が無くなる……まあ面白いように悪い方へ転がって、エイヘッドを見限った者達、特に金がある商家や貴族たちが続々とこの地を離れている。増々エイドドアドを初め、商いをしている所はどこも活気を失い……領民たちは仕事を失う」
アツリュウも海賊騒ぎの深刻さを、甘くみていたなと思う。
ヒシダ総監はここ10年海賊を見ていないという、だから実際のところ海賊騒ぎはあっても、海賊はいないのだ。
それでも、領主が逃げたとあれば、そんな危険な場所に人は行きたくないし、物も売りたくない。当然の流れではある。
「この領地が長年抱えている問題。街道、橋、水路など領地の整備が至る所で十分になされていない。そして、エイヘッド最大の港であるエイドドアド港について」
オルゴンは言葉を止めて、頭に手をやって、こちらが相当厄介です、と続けた。
「代行は明日、商業ギルドの方々と面会なさいます。このエイドドアドの港の現状について、彼らは相当な不満があるようで、彼らの勢いを見るに……陳情というよりは、もはや糾弾。彼らを納得させられないければ、今後の我々の活動は著しく難しくなるかと、彼らがエイヘッドの主要な街を動かしていますからね」
「港のことについては私が説明しよう」
アツリュウはヒシダ総監と何回か面会し、エイドドアド港の抱える問題について話を聞いていた。
「エイドドアドの港には立派な軍港があるわけだが、スオウ隊長も今日見たと思う」
先ほどのやり取りを反省して、なるべく代行らしい言葉を選んで話す。相変わらず彼の視線は冷たい。
「ヒシダ総監の話によると、あの軍港は港の防御として意味がないそうだ。さらに、エイヘッドの産業を支える木材業だが、今まで使えていた大型の搬出船が、あの軍港を造ったために使えなくなった。信じがたい話だが、エイヘッドの命ともいえる木材を出す船を、あの軍港が蓋をして止めているということだ」
「あの軍港ができたのはいつですか?」
ソバ執行官が静かな口調で聞いた。
「5年前と聞いている」
「では5年分の木材の滞りがあるということですね」
彼はそれは深刻ですね、と呟いた。
「小型船での木材搬出はあるそうで、木材の流通は止まってはいない。だが、流通の規模は縮小している……」
アツリュウもそう答えると、深刻な状況だと同じく呟いた。
「明日の商業ギルドとの面会、代行はどうお答えになるおつもりですか?」
ずっと黙って聞いていたスオウ隊長が、アツリュウに問うた。
「そうですね、今のところ彼らに何の良い話もできないですね」
正直に答えた。
「セウヤ殿下から援助をもらう約束など、今回の任を受けるにあたって無かったのですか?」
スオウ隊長の問いにアツリュウはセウヤ殿下の言いぐさを思い出して笑ってしまった。
「セウヤ殿下は、エイヘッドなどいらないと言ってましたよ。でも拾うには金が掛かり、捨てるにはシュロムに傷が付く、面倒な場所だと。セウヤ殿下は全て知っているようでした、エイヘッドの現状を」
「こんな場所だと分かっていて、あなたは引き受けたのか?」
スオウ隊長にしては馬鹿みたいな質問だった。
私に断ることができたとでも思うのですか?と問いたかった、さらに、あなただってこんな場所まできたでしょう?と言ってやりたかった。がそんなことは恐ろしくて言えない。
「セウヤ殿下は拾うには金が掛かると……、その通りで、今出されたエイヘッドの問題のほとんどは、金があれば解決できることのように私は思う、違うだろうか?」
アツリュウが問うと、オルゴンがまあ、簡単に言えばそうですね、と答えた。
「では、どこから金を持ってくるかと言う話しだな、セウヤ殿下はくれないと思うけど」
アツリュウは座って小難しい話を聞くのが、何よりも苦手であるのに、さらに今日はこの筒着物の正装だ、息苦しさに耐えかねて、言葉遣いが普段の19歳に戻ってしまった。
「金の当てはないだろうかオルゴン」
彼は視線を合わせ、意味ありげな顔で黙った。言っていいのか?という顔だった。
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オルゴンが低い声で、けれどきっぱりと言った。
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胸の奥から嫌悪感がふき出した。そんなことは絶対に嫌だと大声で叫び出したいほどだった。
嫌だと口にだすのも、さらに嫌だ。自分が取り乱して嫌だと言ったら、何故かと問われる、あの男について話すことも嫌だ、考えることも、想像することも、関連することを話すことも、エンドバードと口にすることさえ……
アツリュウははっとして、ある考えに至った。
「もしかして、セウヤ殿下が俺を領主代行に選んだのは、ミタツルギ家の人間だから? エンドバード領の金で、ミタツルギ家に、ここを何とかしろってこと?」
オルゴンとキボネが大きく頷いた。
「そうだったんだ……なんでセウヤ殿下が俺なんかを代行にしたのか、本当に謎だったんだけども今分かった」
「アツリュウ様、今のは口に出して言わない方が良かった……」
キボネが呆れて言った。
大きなため息をスオウ隊長が吐いた。わざと聞こえるようにか、思わず出てしまったか、どちらにしても自分が彼を失望させていることは理解できた。
アツリュウは立ち上がった。執務室の中を行ったり来たり歩いた。落ち着きがないと言われるのは、物心ついたときからで、今更しょうがない。考えをまとめるときは動いたほうがいい案がでる。
あの男から金は借りたくない。考えろ、金を貸してくれそうな相手を、やはりセウヤ殿下に泣きつくしかないのか? 俺にあの人を動かせるとも思えない。だってあの人は初めから分かって俺をここに送り込んだのだから。皆の視線が自分を追うのもかまわず、うろうろ動いた。
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