無頓着な彼は。

はぴたん

文字の大きさ
上 下
101 / 171

100

しおりを挟む
「ふぅ~いい湯だった~!」
そう言いながらリビングのドアを開けて入ってきた大智先輩。

手にはドライヤーが持たれている。

「恭ちゃん!夕が入れなくなるかな~と思ってコレ持ってきちゃった!」

そう言ってドライヤーを持ち上げる大智先輩。

こっちこっちと呼ばれるがまま行きそのまま大智先輩について行くと1階にある客間に着いた。


「リビングはみんないるし音が迷惑になっちゃいけないから、ここで乾かしてもらおっかな~?」

「はい「おい。別に迷惑じゃないからリビングで乾かせよ。」
いつの間についてきていたのか後ろから要がそう言った。
先輩なのに敬語じゃないし、、

「、、そっか~。
じゃあリビングに行こっか!」

「あ、はい。」
そう俺が言うや否やギュッと俺の腕を握って歩き出す大智先輩。

引っ張られるようにリビングへ戻った。


「ここにしよっか。
はい、これ!」

「任せてください!」
隅にあった1人がけソファに座る大智先輩。
近くにあったコンセントにプラグを差し込んだドライヤーを渡してくれたので受け取った。


スイッチをつけ乾かしていく。
染めているはずの金髪だが、とてもさらさらしていて指通りがいい。


「終わりましたよ。」.

「ありがと~!」
にっこり笑って振り向く大智先輩。
いつもの遊ばせた髪がしなっと落ち着いていて、いつもよりあどけない。

思わずキュンとしてしまった、、


「恭ちゃん?どうしたの?」

「、、あ、いや。
いつもと違ってなんか可愛いと思って、、」

「ふふっほんと?
俺、かわい?」
そう言いながら首を傾げる大智先輩。

あざとい。

「か、可愛いです。
いつもはかっこいい感じなんですが、セットしていないと可愛い感じです。」

「恭ちゃんに言われるとすっごく嬉しいな~
可愛い俺も好き?」

「、、好きです。」
言ったそばから照れてしまう。

そんな俺を見て嬉しそうに微笑む大智先輩。
なんかずるい。

俺ばかり恥ずかしかっている気がする、、


「嬉しい。俺もどんな恭ちゃんも好きだよ。」

そんな事言ってもらえると思っていなかったので、驚いてしまう。

よく見ると大智先輩の耳がほんのり赤く、先輩も照れているのが分かる。

同じだ。

俺と同じように照れてるんだ、と思うと恥ずかしさより嬉しさが勝つ。


「ふふっ俺も、嬉しいです。」
嬉しくなってにこにこしながらそう言った。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢の双子の兄

みるきぃ
BL
『魅惑のプリンセス』というタイトルの乙女ゲームに転生した俺。転生したのはいいけど、悪役令嬢の双子の兄だった。

王道学園と、平凡と見せかけた非凡

壱稀
BL
定番的なBL王道学園で、日々平凡に過ごしていた哀留(非凡)。 そんなある日、ついにアンチ王道くんが現れて学園が崩壊の危機に。 風紀委員達と一緒に、なんやかんやと奮闘する哀留のドタバタコメディ。 基本総愛され一部嫌われです。王道の斜め上を爆走しながら、どう立ち向かうか?! ◆pixivでも投稿してます。 ◆8月15日完結を載せてますが、その後も少しだけ番外編など掲載します。

「私が愛するのは王妃のみだ、君を愛することはない」私だって会ったばかりの人を愛したりしませんけど。

下菊みこと
恋愛
このヒロイン、実は…結構逞しい性格を持ち合わせている。 レティシアは貧乏な男爵家の長女。実家の男爵家に少しでも貢献するために、国王陛下の側妃となる。しかし国王陛下は王妃殿下を溺愛しており、レティシアに失礼な態度をとってきた!レティシアはそれに対して、一言言い返す。それに対する国王陛下の反応は? 小説家になろう様でも投稿しています。

冷酷な少年に成り代わってしまった俺の話

岩永みやび
BL
気が付いたら異世界にいた主人公。それもユリスという大公家の三男に成り代わっていた。しかもユリスは「ヴィアンの氷の花」と呼ばれるほど冷酷な美少年らしい。本来のユリスがあれこれやらかしていたせいで周囲とはなんだかギクシャク。なんで俺が尻拭いをしないといけないんだ! 知識・記憶一切なしの成り代わり主人公が手探り異世界生活を送ることに。 突然性格が豹変したユリスに戸惑う周囲を翻弄しつつ異世界ライフを楽しむお話です。 ※基本ほのぼの路線です。不定期更新。冒頭から少しですが流血表現あります。苦手な方はご注意下さい。

婚約破棄は十年前になされたでしょう?

こうやさい
恋愛
 王太子殿下は最愛の婚約者に向かい、求婚をした。  婚約者の返事は……。  「殿下ざまぁを書きたかったのにだんだんとかわいそうになってくる現象に名前をつけたい」「同情」「(ぽん)」的な話です(謎)。  ツンデレって冷静に考えるとうっとうしいだけって話かつまり。  本編以外はセルフパロディです。本編のイメージ及び設定を著しく損なう可能性があります。ご了承ください。  ただいま諸事情で出すべきか否か微妙なので棚上げしてたのとか自サイトの方に上げるべきかどうか悩んでたのとか大昔のとかを放出中です。見直しもあまり出来ないのでいつも以上に誤字脱字等も多いです。ご了承下さい。

いいですよ、離婚しましょう。だって、あなたはその女性が好きなのでしょう?

水垣するめ
恋愛
アリシアとロバートが結婚したのは一年前。 貴族にありがちな親と親との政略結婚だった。 二人は婚約した後、何事も無く結婚して、ロバートは婿養子としてこの家に来た。 しかし結婚してから一ヶ月経った頃、「出かけてくる」と言って週に一度、朝から晩まで出かけるようになった。 アリシアはすぐに、ロバートは幼馴染のサラに会いに行っているのだと分かった。 彼が昔から幼馴染を好意を寄せていたのは分かっていたからだ。 しかし、アリシアは私以外の女性と一切関わるな、と言うつもりもなかったし、幼馴染とも関係を切れ、なんて狭量なことを言うつもりも無かった。 だから、毎週一度会うぐらいなら、それくらいは情けとして良いだろう、と思っていた。 ずっと愛していたのだからしょうがない、とも思っていた。 一日中家を空けることは無かったし、結婚している以上ある程度の節度は守っていると思っていた。 しかし、ロバートはアリシアの信頼を裏切っていた。 そしてアリシアは家からロバートを追放しようと決意する。

【ガランド】羽切りトトセ「その愛は、手段を選ばない。」

さすらいの侍
BL
【20・30代女性向け】【完結】【スキマ時間にイッキ読み】【2万文字】【あらすじ】「愛と欲望が交錯する異世界物語」逃げたサーカス団の飛人・トオトセを偶然保護したカノ。すっかり魅了された彼は、トオトセを自分のそばに留めたくてたまらなかった。しかし、トオトセは故郷への思いを断ち切れず、泣く泣くカノの願いを拒む。互いの想いが絡み合う中、カノは思わぬ手段を選び、トオトセの運命を変える決断を下す。果たして二人はどのような結末を迎えるのか。(この作品は「ガランド・マカロン」のパロディです。先に原作をお読みください)

(完結)私の夫は死にました(全3話)

青空一夏
恋愛
夫が新しく始める事業の資金を借りに出かけた直後に行方不明となり、市井の治安が悪い裏通りで夫が乗っていた馬車が発見される。おびただしい血痕があり、盗賊に襲われたのだろうと判断された。1年後に失踪宣告がなされ死んだものと見なされたが、多数の債権者が押し寄せる。 私は莫大な借金を背負い、給料が高いガラス工房の仕事についた。それでも返し切れず夜中は定食屋で調理補助の仕事まで始める。半年後過労で倒れた私に従兄弟が手を差し伸べてくれた。 ところがある日、夫とそっくりな男を見かけてしまい・・・・・・ R15ざまぁ。因果応報。ゆるふわ設定ご都合主義です。全3話。お話しの長さに偏りがあるかもしれません。

処理中です...