無頓着な彼は。

はぴたん

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ま、まさか透先輩にまでキスされるなんて、、

思ってもみなかった事が起き、頭は大混乱だ。

当の本人は俺の顔を見てふふっと優しく微笑んでいる。
さすがイケメン、手馴れてる。

俺の方が焦るばかりでなんだか悔しい。
今も真っ赤になっている事を気づいていないフリしながら透先輩をぐいぐい引っ張っている。


混乱しながらとりあえず真っ直ぐ引っ張りながら歩いていると、重厚感のあるドアが見えてきた。

もしかしてあれが食堂?と見つめていると、


ガチャ


「あ!!やっときた!!」
「ほんとだ!恭ちゃん!!」
ひょっこり顔を出した海先輩と海先輩の声を聞きすぐにひょっこりした空先輩だ。

「こんばんは。
遅くなってしまってすみません。」
誰かのせいで。という言葉は飲み込んでおいた。

すぐにてててっと2人が駆け寄ってくる。

「あれ?なんか恭ちゃん顔赤くない?」
「あれ?ほんとだ!!どうしたの?」
俺を囲みながら質問される。

やばい、と少し慌てながら「なんでもありません!少し暑いかも、、」そう言って手で扇ぐ。

後ろでふふっと笑い声が聞こえるが無視だ。
透先輩のせいなのに!

「ふ~ん。ま!とりあえず早く中に入ろ!」
「こっちこっち!!」
そう言いながら2人が腕にしがみつく。
ちなみにその前に掴んでいた透先輩の腕は離していた。


そのまま2人に連れられてドアをくぐる。


もはや食堂と言うより豪華なリビングだ。

キッチンはどこかのレストランのように豪華でなんだか凄そうなシェフが腕を奮っている。


大理石の床に高そうな長テーブルとイスが置かれている。
1組用のレストランのようだ。


すでに座っている傑先輩と夕先輩。

「遅かったな。」
とじっと見てくる傑先輩。
全て見透かされそうで思わず目を逸らしながら「すみません。」と謝った。

「ごめんなさい。俺が悪いんです。
2人で少し話し込んでしまって、ね?」
透先輩がそう言いながらチラッと視線を向ける。

俺もチラッと視線を合わせて傑先輩に向き直り、
「はい。すみませんでした。」と言った。


「ふーん。透がそんなに話し込むなんて。
珍しいな?」
なんだか疑うような目でニヤリと笑いながらそう言う傑先輩。
なんだか怖い、、


この空気にいたたまれなくなった時、
「きょうちゃんもう来てる~?」
ガチャッとドアが開くと同時に明るい声が聞こえた。

救世主こと大智先輩だ。

すぐに俺と目が合う。

「あ!来てんじゃ~ん!!
ごめんね!おまたせ!
早く座ろ~!!」
そう言って椅子を引いてどうぞ。と促してくれる大智先輩。
お言葉に甘えて座ると隣に座ろうとした海先輩を少し押しながら隣に大智先輩が座った。


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