無頓着な彼は。

はぴたん

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バスが到着し、葵と降りる。

大きな門がそびえ立ち、中には大学のような大きな建物が見える。

高校にしては大きい気がする。

呆気に取られていると、

「お待ちしておりました。
本日より当学園に入学の春白恭さんと広瀬葵さんですね。
私はおふたりを案内させていただく、普久原ふくはらゆうと申します。
当学園の養護教諭です。
エスカレーター式の当学園で外部からの入学はおふたりのみですので、会場までご案内させていただきます。
それでは私について来てください。」

なんとも丁寧な言葉遣いだが、
銀フレームのメガネが似合うイケメンお兄さんもとい普久原先生が言うとなんだかしっくりくる。

慌てて返事をし、
優しそうな笑顔を向ける普久原先生について行くと、大きな講堂についた。

ここで入学式が行われるそうだ。

「入学生はこちらのスペースにある椅子でしたら、どこでも座って大丈夫です。
それでは私はこれで失礼しますね。
私は保健室にいつでもいますので、何かあったらいつでも来てください。
お話し相手にもなりますので。」

それでは、と去ろうとする普久原先生に、

「ここまで連れてきていただき、ありがとうございます。
またぜひ話をしに行かせてください。」

とにっこり微笑むと、

少し驚いたように目を大きくさせ、
より一層優しく微笑んでくれた普久原先生。

「はい。楽しみにしています。」といい、
普久原先生は去っていった。



「きょうちゃん、きょうちゃん!
どこ座る?一緒にすわろうね!」
と俺の袖を引っ張る葵。

少し不機嫌そうだか気にせず、

「そうだね、後ろの方に座ろうか。」

と何となく後ろの方に一緒に腰掛けると、
葵の機嫌も直ったようでにこにこしながら、

「楽しみだね!いよいよきょうちゃんとの高校生活が始まるんだぁ~」
とわくわくしている。

そんな葵を微笑ましく見守っていると、どんどん周りに人が増えてきた。

俺たち以外の学生は中学から持ち上がりなのか、慣れたように入ってきてすぐ新入生スペースへ座っていく。

その際、チラッと視線を感じるがその原因は分かっている。

隣の葵だ。

にこにこ微笑む姿はアイドル顔負けの可愛さで、小さい頃から視線を集めている。

そんな葵とずっと一緒にいる事から、こんな視線には慣れっこだ。

葵は可愛いから、男にも人気があるみたいだなぁ。
とほんのり頬を染めながら歩いていく人を見ながら思う。

そんな姿が微笑ましくて、ふっと思わず微笑むと赤みが増したような、、気のせいか。
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