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第二十五章:約束された世界
後日譚3 シーニャのたどり道1
しおりを挟むアック、ルティシアがいなくなってから数日後。
シーニャはアックについて行かなかった自分に腹を立てていた。
「――ウニャ!! どこに行くか分からないのにどうしてついて行かなかったのだ……どうすればいいのだ? シーニャ、やっぱりアックのそばについていたいのだ」
アックとルティシアはすぐに帰って来る――そう思ってシーニャはイデアベルクにとどまった。
しかし一向に帰って来ないことに気づき、イデアベルクを出ようとするが……。
「ウニャ……どこに行けば会えるのだ? フィーサもオリカもいないのだ……」
探しに行きたいのに行けない。誰に頼ればいいのか分からないといった感じで、シーニャは一人で頭を悩ませながらイデアベルクを歩き回っていた。
そんな彼女の前に、
「そこを行く虎の娘! 迷っているならば、われと共に行かぬか?」
「わたしもわたしもっ! ルティちゃんに会いたい!!」
「ギルドメンバーを探す旅に同行するニャ!」
何なのだ? いっぺんに声をかけられても誰だか分からないのだ。
「ウニャ? 誰なのだ?」
アックと一緒にいた時に見たことがある人間と、竜とネコが目の前に立っているのだ。アックのことで何か知っているなら連れて行くしかないのだ。
「む。われは時空魔道士のウルティモなのだが……覚えておらぬのか?」
「時々アックといた男なのだ?」
「男……う、うむ。そういうことだ」
「分かったのだ! お前もくればいいのだ」
アックが嫌がっていなかった男なら役に立つかもしれないのだ。
「シーニャちゃん、わたしなら空から行けるよ~! だから一緒に行こうよ!」
「シーニャ、シーニャちゃんじゃないのだ! お前、ドワーフの竜だったはずなのだ。どうしてお前だけで動いているのだ?」
「ええと、それは~……」
空から行かなくても探しに行けるなら何でもいいのだ。こいつも連れて行くのだ。
「まぁいいのだ。お前を利用して探しに行くのだ」
「は、はは~……利用してもらおうかな」
こいつらはまだいいとして、問題はネコなのだ。
「ネコが何の用でアックに近づくのだ?」
「アックとマスタールティは釣りギルドのメンバーなのニャ! シャトンは二人が心配ニャ。ボクは小さな町や村に顔が利くニャ! 一緒に連れて行った方がいいと思うニャ~」
ネコは気に入らないのだ。でも何かの役に立つかもしれないし仕方なく連れて行くしか無いのだ。
「ウニャ……そこの男。どこから行けばアックが見つかるのだ?」
「ふむ。まずは彼が訪れたところをたどっていくのが近いだろうな。もちろん、何らかの敵がいる可能性もあるだろうが……それでも行くのであろう?」
「決まっているのだ! そうと決まれば早くするのだ! ウニャッ」
アックを探しに行きたいシーニャは、時空魔道士ウルティモ、竜人アヴィオル、シャトンといった異種族とパーティーを組んで、アックがたどった場所を目指すのだった。
「アックもドワーフもシーニャが絶対見つけるのだ!」
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