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第六章:新たな地へ

68.閑話:倉庫を使って整理整頓?

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「アック様、アック様! ラクルに来たついでに、ドロップ品をお預けになられてはいかがですか?」
「……ん? しかし倉庫を一つ借りるのはお金がかかるぞ……」
「ご心配には及びません!! わたし、稼いでますから! ドーンとお任せ下さいっ!!」
「それなら任せるが、その資金源はどこから――」
「ではではっ、倉庫長さんに話をして来ますねっ!」

 またしても逃げられた。
 一体どこで稼いでいるというのか、それとも別行動の最中に何か違うことでもしているのか。

 まずはレアガチャで出したアイテムを整理する。

 フィーサ……は、仲間だから別として。

 【SSレア 黒鉄剣 Lv.960】の剣先がボロボロだな。これはやめとくか。

 【Sレア イグニスメイル Lv.240】【Sレア クリムゾンガントレ Lv.300】

 【Lレア デーモンヘルム Lv.666】
 【SSSレア デーモンマント】
 【SSSレア ライトニングハーネス 麻痺付加 Lv.500】
 【SSSレア ドレイングローブ 触れた者の生命力を奪う Lv.--】
 【EXレア ミスリルブーツ 水耐性:氷耐性 Lv.900】

 ふむ、こんなところか。
 装備のドロップ品は少ないな。

 デーモン装備で手元にあるのは、ヘルムとマントだけか。
 釈然としないが、ルティが悪いわけでもないし何も言うまい。

 ミスリルブーツはフィーサも驚いていた。
 ミスリル装備を揃えれば、フィーサとの相乗効果でも生まれるかもしれないな。
 
 宝剣も900年経っているらしいし、アーティファクトみたいなものか。
 それにしてもレアガチャでは、装備をあまり出してくれない。

 それだけ覚えるスキルがあるということか。

「アック様~!! 許可が下りました。運びますよ~」
「それじゃあ、装備袋に入れてあるものだけを運ぶか」
「えええ? どうなっているんですか、その袋……底なしですか!?」
「おれは荷物持ちで、倉庫番だったからな。固有スキルくらい持っているぞ」
「ほえ~」

 底なしというほど数が無いし、ほとんどルティに破壊されていてとても軽い。
 少なくとも、ミスリルが揃うまではツギハギ装備になるだろう。

「倉庫だが、どれくらいの期間を借りたんだ?」
「一生ですっ!」
「……何? 一生? ど、どうやって……!?」
「えへへ、倉庫を一つ買っちゃいまして~」
「……」

 底知れない金持ちはルティなのでは……。
 どういう稼ぎ方をしているかは、聞かないでおくか。

「あっ、それから、真っ赤な装備品は頂いてもいいですか?」
「クリムゾンか? そういやそうだったな。いいぞ」
「ありがとうございますっっ! きっとお役に立てて見せますよ~」
「よく分からんが、期待しとく」

 倉庫を買うまでも無いくらい、装備品が少なすぎた。
 いっそのこと、ラクルの倉庫を拠点にしてみるか。

「アック様、倉庫の中にお部屋を作ってみたいです! いかがですか?」
「その辺は、フィーサたちともよく話し合って決めてくれ……」

 庶民じみたルティではあるが、手先が器用なドワーフ族のことだ。
 倉庫が倉庫じゃなくなる日も近い……かもしれない。
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