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幸せな日常 ◇◇美鈴視点
みちしるべ 3
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維月さんのそっけない返事を気にするでもなく、維月さんのお友達らしき男性は改めてわたしに微笑みかけてきた。
「あ、えーっと、突然割って入っちゃってごめんね。俺は維月とは大学ん頃からのツレで十川基紀。初めまして、よろしくね」
「あ、はい、あの……初めまして。木崎美鈴と言います」
わたしのぎこちない応えに、維月さんのお友達はにこにこと嬉しそうに目を細めて、感慨深げに「そーいやぁ維月の彼女に会うのは初めてだな」と呟いた。それはわたしに向かってというより維月さんを冷やかすような口調だった。維月さんはというと少し顔をしかめて、むっつりと口を噤んでいる。
さらりと口にされた「彼女」という言葉に今さらながら頬が熱って、声が上ずってしまった。こんなところでまさか維月さんのお友達に会うなんて思いもしなかったから、心の準備とかできてなくて、ちょっとドキドキしてしまう。でも突然すぎたおかげか、それとも維月さんのお友達……トガワさんの人懐っこい笑顔のせいか、必要以上に緊張せずにすんだかもしれない。
ともあれ、よろしくの意味を込めて軽く会釈をすると、トガワさんはちょっと照れくさそうな笑みを見せて髪をかき、笑顔で応じてくれた。けれどすぐに視線を維月さんに戻し、
「以前言ってた、ようやく落とせた娘って、この娘のことだよな?」
と、問いかける。トガワさんの維月さんを見る目にはからかいの色が含まれてたようだけど、維月さんはことさら焦りも動じもしない。
「落とせたとか……人聞きの悪いことを吹きこまないでほしいんだが」
ただ、ほんのちょっと声は低くなった気がする。
でもそこは友達同士の呼吸というのか、気まずい雰囲気になるようなことはなく、「いつものこと」みたい一種の狎れ合った空気があった。
「実際そんなような事言ってたじゃん? いろいろ話してくれたしな。維月が彼女のことに関して口数多くなるの珍しいって、みんな感心してたんだぜ?」
「お前らが根掘り葉掘り訊くからだろう」
維月さんの横で佇んだままのわたしは、なんとも気恥ずかしいというか、居たたまれない気分になり、肩をすぼませてしまう。こんな時、なんて対応したらいいんだろう。何か言った方がいいのかな、黙ったままでいるのは失礼かな。……などと思い巡らせていたのだけど、トガワさんはあっさりと話題を転じた。
「お、そうだ。ようやくと言えば、ようやく俺も自由の身になったぜ! いわゆるバツイチってやつになったわ。いやほんと……この一年マジ長かった……」
「ああ、決着ついたのか?」
「弁護士の費用とかそこそこかかったし、無事和解できたかってーとビミョーなとこだが、まぁ、なんとか終わった。維月にも面倒かけたし、報告というか、ぼちぼち連絡しようと思ってたところだったから、今日会えて良かったわ」
「元嫁とは、もう接触なしでいけるのか?」
「一応な。元嫁は実家に連れ戻されたし、たぶん今後は接触なしでいけるはず」
「連絡断ってたからアキヒロ達も心配してた。俺からメールでもしておこうか? 携帯替えたの、アキヒロ達は知らないだろ?」
「あ、そーいや維月以外には知らせてなかったか。ゴタゴタしてたしな……。すまん、頼んでいいか? 維月にはまた面倒かけるな」
「大したことはしてないし、……まぁそうだな、感謝の気持ちに品物添えたいというなら、ブランデーのV.S.O.P.を一瓶でいい」
「なんだよ、ちゃっかりしてんな。まー、用意しとくわ。俺のバツイチ祝いに維月もなんか用意しとけよ?」
二人のやりとりを傍で聞きながら、わたしはどこで口を挟もうかとずっとそわそわしていた。
笑顔で軽口をたたいているけれど、バツイチだの弁護士だのと……何やら穏やかではない言葉に戸惑ってしまう。事情を知らないわたしが「立ち聞き」してしまっていいのかな。遠慮した方がいいかもしれない。
様子を窺いつつ、話が一旦途切れたところで、わたしはすかさず割って入った。
「あ、あのっ、維月さん」
維月さんの腕に手をおいて声をかける。維月さんはハッとし、すまなそうな顔をしてわたしを見つめ返した。何か言いかけた維月さんをわたしは笑顔で制して、語を続けた。
「わたし、あのお店を見たくて。買いたいものもあるし……なので、よかったらゆっくり話しててください」
そう言ってから、わたしはすぐ近くのチョコレート専門店を指さした。
ともあれ、わたしは申し訳なさそうな顔をする維月さんと維月さんのお友達のトガワさんをその場に残し、チョコレート店に入った。さりげなく気を利かせたかったのだけど、不自然というか強引だったかも。
店内に入って、わたしは肩の力を抜いた。チョコレートの甘い香りにホッとする。
買い物かごを取り、早速店内を見て回ることにした。
有名なチョコレートショップで、あらかじめチェックしていたお店。だから「お店を見たい」といったのはその場しのぎの嘘ではない。
海外の有名なメーカーで、ちょっと高級なチョコ。賞味期限の近いチョコなどはかなり割引されてて、さっそくショッピングカートに入れた。各種フレーバーチョコは量り売りもしていて、量り売り用の籠も早速手に取った。
店内にカフェスペースもある。カフェでは期間限定のホットチョコレートジンジャーが人気みたい。あとで維月さんに寄ってもいいか聞いてみようかな。
そう考えて、ちらりと外に目をやる。
維月さんとトガワさんは案内板の前で立ち話を続けていた。ここからは二人の表情まではよく見えない。人の行き交いも多く、人影に隠れてしまうこともある。
「…………」
ふうっと息をついて、自分で自分の頬をぺちりと軽く叩いた。
もしかしたら顔がこわばってたかもしれない。頬は少し冷たかった。
偶然会ったのが維月さんの友達だったことには、ホッとした。会社の人でなくてよかった。
そういう安堵感とは別のところで、ふと、心にもたげてきた事柄があった。
トガワさんが連呼してたように、維月さんはいわゆる「三十路」という年齢なわけで、つまり……結婚していてもおかしくない年齢だ。
維月さんの交友関係すべてを把握しているわけじゃないけど、たしか既婚者が多かったはず。学生時代の友達の話はたまに話題にちらっとのぼるだけで、詳しく話してもらうことはそんなになく、会う機会もなかった。ただ話を聞いてなんとなく分かっていたのは、学生時代の友達は妻帯者が多いらしいということ。お子さんがいる方もいるみたい。
その他、維月さんの交流関係でわたしが知ってるのは、テニスクラブの方たち。テニスクラブの方たちとはお会いしたことがある。男性オンリーのテニスクラブではないのに男性ばかりだ。女性もいらっしゃるようだけど参加率は低いみたい。個人経営の小規模クラブだからなのかどうなのか、年齢層が高い。五十代六十代の男性が中心で、中には七十代という高齢者もいらっしゃる。なので、当然というか、既婚者がほとんど。維月さんと同年代の男性もいて、その方は未婚だと聞いているけれど。
維月さんの年齢的に、周りが既婚者ばかりでもおかしくない。独り身の方もいるにしても「結婚」を意識させられたりする年齢……なんだと思う。
わたしはといえば……わたしの友達の中に既婚者はまだいない。わたしの姉は早くに結婚してすでに一子を儲けているけれど……友達に限っていえば、大学や短大に進んだ子達はまだ働きだしたばかりで、結婚よりもまず「仕事」という感じだ。わたしと同じように高卒で就職した友人もいるけど、やはりまだ結婚話は話題に上らない。クラスメイトの中で一人くらいは結婚した子もいるかもしれないけど、そうした話はわたしの耳には入ってこないし、それほど仲良くしてなかった子達は近況を知る機会もない。要するに、わたしの周りは未婚者ばかりで、「結婚」はまだ「もうちょっと先」にあるもので、せいぜいふんわりと意識し始める程度なんだと思う。
顔を上げ、なんとはなしに店内を見回してみる。
店内には夫婦なのか恋人同士なのか「カップル」が多い。カフェというか、イートインスペースがあるからだろうか。わたしのように女性、あるいは男性一人、という客は見た限りいない。
量り売りのチョコレートを入れる籠を持ったまま、ぼんやりと思考を巡らせる。気になるフレバーのチョコを籠に一つ入れ、二つめを入れ、三つ、四つ、少しずつ移動して籠にチョコレートを入れていきながら、それでも維月さんのことが頭から離れない。時折ちらっと店の外に目をやる。今立ってる場所からは維月さんとトガワさんの姿は見えない。だけどなんとなく気になってつい目を向けてしまう。
どんな話をしてるんだろう。穏やかじゃない単語が出ていたから、明るい話題ではないみたいだけど。
バツイチとトガワさんは言ってた。声も表情も明るかったけど、それってつまり……「離婚」したということだよね?
身近にない事柄だから、少しだけ気にかかる。……少し、ではないかも。
ここ最近ずっと心にかかっているのは、「家族」という関係のこと。それは「結婚」にも繋がっている。
「あ、えーっと、突然割って入っちゃってごめんね。俺は維月とは大学ん頃からのツレで十川基紀。初めまして、よろしくね」
「あ、はい、あの……初めまして。木崎美鈴と言います」
わたしのぎこちない応えに、維月さんのお友達はにこにこと嬉しそうに目を細めて、感慨深げに「そーいやぁ維月の彼女に会うのは初めてだな」と呟いた。それはわたしに向かってというより維月さんを冷やかすような口調だった。維月さんはというと少し顔をしかめて、むっつりと口を噤んでいる。
さらりと口にされた「彼女」という言葉に今さらながら頬が熱って、声が上ずってしまった。こんなところでまさか維月さんのお友達に会うなんて思いもしなかったから、心の準備とかできてなくて、ちょっとドキドキしてしまう。でも突然すぎたおかげか、それとも維月さんのお友達……トガワさんの人懐っこい笑顔のせいか、必要以上に緊張せずにすんだかもしれない。
ともあれ、よろしくの意味を込めて軽く会釈をすると、トガワさんはちょっと照れくさそうな笑みを見せて髪をかき、笑顔で応じてくれた。けれどすぐに視線を維月さんに戻し、
「以前言ってた、ようやく落とせた娘って、この娘のことだよな?」
と、問いかける。トガワさんの維月さんを見る目にはからかいの色が含まれてたようだけど、維月さんはことさら焦りも動じもしない。
「落とせたとか……人聞きの悪いことを吹きこまないでほしいんだが」
ただ、ほんのちょっと声は低くなった気がする。
でもそこは友達同士の呼吸というのか、気まずい雰囲気になるようなことはなく、「いつものこと」みたい一種の狎れ合った空気があった。
「実際そんなような事言ってたじゃん? いろいろ話してくれたしな。維月が彼女のことに関して口数多くなるの珍しいって、みんな感心してたんだぜ?」
「お前らが根掘り葉掘り訊くからだろう」
維月さんの横で佇んだままのわたしは、なんとも気恥ずかしいというか、居たたまれない気分になり、肩をすぼませてしまう。こんな時、なんて対応したらいいんだろう。何か言った方がいいのかな、黙ったままでいるのは失礼かな。……などと思い巡らせていたのだけど、トガワさんはあっさりと話題を転じた。
「お、そうだ。ようやくと言えば、ようやく俺も自由の身になったぜ! いわゆるバツイチってやつになったわ。いやほんと……この一年マジ長かった……」
「ああ、決着ついたのか?」
「弁護士の費用とかそこそこかかったし、無事和解できたかってーとビミョーなとこだが、まぁ、なんとか終わった。維月にも面倒かけたし、報告というか、ぼちぼち連絡しようと思ってたところだったから、今日会えて良かったわ」
「元嫁とは、もう接触なしでいけるのか?」
「一応な。元嫁は実家に連れ戻されたし、たぶん今後は接触なしでいけるはず」
「連絡断ってたからアキヒロ達も心配してた。俺からメールでもしておこうか? 携帯替えたの、アキヒロ達は知らないだろ?」
「あ、そーいや維月以外には知らせてなかったか。ゴタゴタしてたしな……。すまん、頼んでいいか? 維月にはまた面倒かけるな」
「大したことはしてないし、……まぁそうだな、感謝の気持ちに品物添えたいというなら、ブランデーのV.S.O.P.を一瓶でいい」
「なんだよ、ちゃっかりしてんな。まー、用意しとくわ。俺のバツイチ祝いに維月もなんか用意しとけよ?」
二人のやりとりを傍で聞きながら、わたしはどこで口を挟もうかとずっとそわそわしていた。
笑顔で軽口をたたいているけれど、バツイチだの弁護士だのと……何やら穏やかではない言葉に戸惑ってしまう。事情を知らないわたしが「立ち聞き」してしまっていいのかな。遠慮した方がいいかもしれない。
様子を窺いつつ、話が一旦途切れたところで、わたしはすかさず割って入った。
「あ、あのっ、維月さん」
維月さんの腕に手をおいて声をかける。維月さんはハッとし、すまなそうな顔をしてわたしを見つめ返した。何か言いかけた維月さんをわたしは笑顔で制して、語を続けた。
「わたし、あのお店を見たくて。買いたいものもあるし……なので、よかったらゆっくり話しててください」
そう言ってから、わたしはすぐ近くのチョコレート専門店を指さした。
ともあれ、わたしは申し訳なさそうな顔をする維月さんと維月さんのお友達のトガワさんをその場に残し、チョコレート店に入った。さりげなく気を利かせたかったのだけど、不自然というか強引だったかも。
店内に入って、わたしは肩の力を抜いた。チョコレートの甘い香りにホッとする。
買い物かごを取り、早速店内を見て回ることにした。
有名なチョコレートショップで、あらかじめチェックしていたお店。だから「お店を見たい」といったのはその場しのぎの嘘ではない。
海外の有名なメーカーで、ちょっと高級なチョコ。賞味期限の近いチョコなどはかなり割引されてて、さっそくショッピングカートに入れた。各種フレーバーチョコは量り売りもしていて、量り売り用の籠も早速手に取った。
店内にカフェスペースもある。カフェでは期間限定のホットチョコレートジンジャーが人気みたい。あとで維月さんに寄ってもいいか聞いてみようかな。
そう考えて、ちらりと外に目をやる。
維月さんとトガワさんは案内板の前で立ち話を続けていた。ここからは二人の表情まではよく見えない。人の行き交いも多く、人影に隠れてしまうこともある。
「…………」
ふうっと息をついて、自分で自分の頬をぺちりと軽く叩いた。
もしかしたら顔がこわばってたかもしれない。頬は少し冷たかった。
偶然会ったのが維月さんの友達だったことには、ホッとした。会社の人でなくてよかった。
そういう安堵感とは別のところで、ふと、心にもたげてきた事柄があった。
トガワさんが連呼してたように、維月さんはいわゆる「三十路」という年齢なわけで、つまり……結婚していてもおかしくない年齢だ。
維月さんの交友関係すべてを把握しているわけじゃないけど、たしか既婚者が多かったはず。学生時代の友達の話はたまに話題にちらっとのぼるだけで、詳しく話してもらうことはそんなになく、会う機会もなかった。ただ話を聞いてなんとなく分かっていたのは、学生時代の友達は妻帯者が多いらしいということ。お子さんがいる方もいるみたい。
その他、維月さんの交流関係でわたしが知ってるのは、テニスクラブの方たち。テニスクラブの方たちとはお会いしたことがある。男性オンリーのテニスクラブではないのに男性ばかりだ。女性もいらっしゃるようだけど参加率は低いみたい。個人経営の小規模クラブだからなのかどうなのか、年齢層が高い。五十代六十代の男性が中心で、中には七十代という高齢者もいらっしゃる。なので、当然というか、既婚者がほとんど。維月さんと同年代の男性もいて、その方は未婚だと聞いているけれど。
維月さんの年齢的に、周りが既婚者ばかりでもおかしくない。独り身の方もいるにしても「結婚」を意識させられたりする年齢……なんだと思う。
わたしはといえば……わたしの友達の中に既婚者はまだいない。わたしの姉は早くに結婚してすでに一子を儲けているけれど……友達に限っていえば、大学や短大に進んだ子達はまだ働きだしたばかりで、結婚よりもまず「仕事」という感じだ。わたしと同じように高卒で就職した友人もいるけど、やはりまだ結婚話は話題に上らない。クラスメイトの中で一人くらいは結婚した子もいるかもしれないけど、そうした話はわたしの耳には入ってこないし、それほど仲良くしてなかった子達は近況を知る機会もない。要するに、わたしの周りは未婚者ばかりで、「結婚」はまだ「もうちょっと先」にあるもので、せいぜいふんわりと意識し始める程度なんだと思う。
顔を上げ、なんとはなしに店内を見回してみる。
店内には夫婦なのか恋人同士なのか「カップル」が多い。カフェというか、イートインスペースがあるからだろうか。わたしのように女性、あるいは男性一人、という客は見た限りいない。
量り売りのチョコレートを入れる籠を持ったまま、ぼんやりと思考を巡らせる。気になるフレバーのチョコを籠に一つ入れ、二つめを入れ、三つ、四つ、少しずつ移動して籠にチョコレートを入れていきながら、それでも維月さんのことが頭から離れない。時折ちらっと店の外に目をやる。今立ってる場所からは維月さんとトガワさんの姿は見えない。だけどなんとなく気になってつい目を向けてしまう。
どんな話をしてるんだろう。穏やかじゃない単語が出ていたから、明るい話題ではないみたいだけど。
バツイチとトガワさんは言ってた。声も表情も明るかったけど、それってつまり……「離婚」したということだよね?
身近にない事柄だから、少しだけ気にかかる。……少し、ではないかも。
ここ最近ずっと心にかかっているのは、「家族」という関係のこと。それは「結婚」にも繋がっている。
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