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25連れ帰られて*
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(*R18表現あります)
レイのアパルトマンに連れて帰られた。
「くそっ」
そう言って、レイはいきなりシャワーを浴びてくると言った。
「頭を整理するから」
「はい……どうぞ……」
帰っていきなりシャワーに行かれたら、私はどうすればいいのだろう。
レイも何からどうやって話せばいいのか混乱しているようだった。
そう考えながら私が部屋を見回す。台所もリビングもぐちゃぐちゃに散らかっていた。
私がいなかったひと月、部屋の片付けをしなかったのかもしれない。
掃除メイドを頼めばいいのにと思いながら、迷った挙句、部屋のゴミをまとめて掃除を始めた。
キッチンやリビングは散らかったままだったが、私が使っていた部屋は出て行った時と同じ状態で、きれいに保たれていた。
洗濯に出す衣類を袋に入れ、ベッドのシーツを変えようかと掛け布団をめくると、レイの匂いがふわっとシーツから漂った。
私は思わず顔をシーツにうずめその香りを胸いっぱいに吸い込んだ。
フェロモンたっぷりの艶やかなレイの匂いは、懐かしく、私にとっては最高に落ち着く香りだった。
その時、シャワーを終えて浴室から出てきたレイに私は気付かなかった。
ベッドの上で私が顔を埋め、匂いを嗅いでる姿を見られてしまった。
その瞬間、レイのたくましい腕に引き寄せられ、私はキスされていた。
レイの唾液が口の中に入り込み、私の舌が跳ねる。
激しく吸い付いた唇は音を立てて私の舌を味わった。
レイは逃げようとする私を力で押さえつけ、ベットに両腕を押し付けた。
「いや、嫌、離して…」
匂いを嗅いでいた姿を見られ、恥ずかしすぎて私は目を開けられない。
「今……何してたの?」
意地悪い声が耳元で囁かれる。
「……っ……ちっ……違っ……っ」
耳たぶを軽く噛まれる。
「違わないだろ、言えよ……何してたの」
すぐ目の前でレイの黒い瞳が揺れる。
首筋を舐められ、そのままレイの舌がまた私の唇をこじ開けようとする。
「いや、嫌よはなし…」
石鹸の香りに混じって、レイの濃厚な匂いが鼻腔をくすぐる。
「う……っうぐっ…」
唾液が混ざり合う水音が重なる。
レイは首すじに印を付ける。片手で私の体をなぞった。
「いや、嫌だはなし…」
涙が出てくる。恥ずかしい。
ちゃんと話もしていないのに、私は今レイに抱かれそうになっている。
レイは湿った熱い胸を私に押し付ける。
なんでこうなるんだろう……私の頭の中がふわふわしてくる。
そんなつもりはなかった。
先ず順序だてて二人でいろいろ話し合わなければならないと思っていた。
レイの手が下りていき私の下着の中に入ってきた。
「嫌よ、合意じゃないわ。こんなの無理やり……よ……」
「訴えたかったら訴えろ、受けて立つ」
レイは言い切った。
男らしい堂々とした態度に私は流されてしまいそうだ。
アルファ特有の洗練された空気をまとった魅惑的な匂いが一気に部屋中に充満する。
私は目を開けて、レイの淫らに整いすぎた男の顔を見上げる。
「ダメなのに……レイがほしくて……たまらない……」
目に涙を浮かべながら私が放ったその言葉は、ゴーサインだった。
発情期はこないように薬を呑んでいるのに、私からもオメガ特有の抗えない匂いがたつ。
レイの親指が私の目尻を優しく撫でる。
そのまま下げられた手は私の服を押し上げ素肌を直接撫でてくる。
指が肌に触れるとビクンと胸が動く。
私の声とは思えない音が鼻から抜ける。
「…なぁ…………俺を……好き?…」
額に汗を浮かべて、頬を真っ赤にしている私の表情が、レイの欲望をかき立て、性欲を喚起させる。
レイは両腕を私の服の下から背中に回し、おもいきり抱き締めた。
「どれだけアイラに触りたかったかわかる?…」
そう言いながら両手で優しく背を撫でる。
「可愛くて、心地よくて、愛しい……」
明るいランプの光の中で私のシミひとつない奇麗な肌を眺め、レイは満足げに笑った。
全力で首を振り、いやいやしながら私はレイの肩を押した。
「…シャワーも浴びてないのに………」
私は涙ながらに、レイの体の下から抜け出した。
あまりにもその姿が可愛くて、可愛くて。レイは私を抱き寄せてキスをした。
「アイラの匂いが好きなのに、シャワーなんて関係ないに決まってるだろう」
私を膝の上に抱え上げ、向かい合わせになり言い聞かせる。
赤くなり俯く私の顔を覗き込むように、レイは自分の舌を突き出した。
キスしてという意味かと戸惑いながらも私はその舌を唇で咥えた。
キスを続けながらレイはベッドに私を寝かせる。
「よく考えろ…本当に嫌か?なぁ…アイラ…」
ねだるかのように訊いてくるレイに、もう嫌とは言えない。
私は涙ぐみながら答えるしかなかった。
「いい……です……レイの好きなようにしてください……」
レイはニヤリと笑って頷いた。
私の見開かれた目が狼狽えるように揺れたが、次の瞬間には桜唇がとろりと溶けた。
僅かに開いた唇の奥から、朱色の可愛い舌が現れてレイの舌に可愛く吸い付いた。
***
私はピタリとレイにひっついてくる。
レイは私の腕をとった。
「シャワーに行くぞ」
と私を浴室に連れて行った。
「シーツ汚してしまったの、嫌だから……」
私はそう言って、四つん這いになって汚れたシーツをはがしにかかった。シーツは二人の愛で汚れていた。
「ははっ。どれだけ掃除好きなんだよ」
そう言ってレイはシーツごと私を抱きかかえ、浴室まで歩いて行った。
お互いの体を洗い合い、目があったらレイが優しくキスをした。湯船に湯がたまると私を先に入らせた。
「ちょっとつめて」
レイは無理やり一緒に入った。
狭いので体がくっつく。
レイは背中から抱えるように私を抱っこした。
額を肩に置いて私の背中越しに
「いなくなるかと思った…」
と私の首筋にキスした。
涙が溢れだした。
気付かれないように我慢したけど、肩が震えてすすり泣いているのがレイにも伝わってしまった。
「レイ……好きです」
そう言うと狭い湯船の中で無理やり向かい合わせになり、レイに腕を回して私は抱きついた。
「俺も、好きだよ……泣くなよ。好きだよ、初めて会った日からアイラ以外は考えられない」
レイは首すじにチュッと印を付けた。
レイのアパルトマンに連れて帰られた。
「くそっ」
そう言って、レイはいきなりシャワーを浴びてくると言った。
「頭を整理するから」
「はい……どうぞ……」
帰っていきなりシャワーに行かれたら、私はどうすればいいのだろう。
レイも何からどうやって話せばいいのか混乱しているようだった。
そう考えながら私が部屋を見回す。台所もリビングもぐちゃぐちゃに散らかっていた。
私がいなかったひと月、部屋の片付けをしなかったのかもしれない。
掃除メイドを頼めばいいのにと思いながら、迷った挙句、部屋のゴミをまとめて掃除を始めた。
キッチンやリビングは散らかったままだったが、私が使っていた部屋は出て行った時と同じ状態で、きれいに保たれていた。
洗濯に出す衣類を袋に入れ、ベッドのシーツを変えようかと掛け布団をめくると、レイの匂いがふわっとシーツから漂った。
私は思わず顔をシーツにうずめその香りを胸いっぱいに吸い込んだ。
フェロモンたっぷりの艶やかなレイの匂いは、懐かしく、私にとっては最高に落ち着く香りだった。
その時、シャワーを終えて浴室から出てきたレイに私は気付かなかった。
ベッドの上で私が顔を埋め、匂いを嗅いでる姿を見られてしまった。
その瞬間、レイのたくましい腕に引き寄せられ、私はキスされていた。
レイの唾液が口の中に入り込み、私の舌が跳ねる。
激しく吸い付いた唇は音を立てて私の舌を味わった。
レイは逃げようとする私を力で押さえつけ、ベットに両腕を押し付けた。
「いや、嫌、離して…」
匂いを嗅いでいた姿を見られ、恥ずかしすぎて私は目を開けられない。
「今……何してたの?」
意地悪い声が耳元で囁かれる。
「……っ……ちっ……違っ……っ」
耳たぶを軽く噛まれる。
「違わないだろ、言えよ……何してたの」
すぐ目の前でレイの黒い瞳が揺れる。
首筋を舐められ、そのままレイの舌がまた私の唇をこじ開けようとする。
「いや、嫌よはなし…」
石鹸の香りに混じって、レイの濃厚な匂いが鼻腔をくすぐる。
「う……っうぐっ…」
唾液が混ざり合う水音が重なる。
レイは首すじに印を付ける。片手で私の体をなぞった。
「いや、嫌だはなし…」
涙が出てくる。恥ずかしい。
ちゃんと話もしていないのに、私は今レイに抱かれそうになっている。
レイは湿った熱い胸を私に押し付ける。
なんでこうなるんだろう……私の頭の中がふわふわしてくる。
そんなつもりはなかった。
先ず順序だてて二人でいろいろ話し合わなければならないと思っていた。
レイの手が下りていき私の下着の中に入ってきた。
「嫌よ、合意じゃないわ。こんなの無理やり……よ……」
「訴えたかったら訴えろ、受けて立つ」
レイは言い切った。
男らしい堂々とした態度に私は流されてしまいそうだ。
アルファ特有の洗練された空気をまとった魅惑的な匂いが一気に部屋中に充満する。
私は目を開けて、レイの淫らに整いすぎた男の顔を見上げる。
「ダメなのに……レイがほしくて……たまらない……」
目に涙を浮かべながら私が放ったその言葉は、ゴーサインだった。
発情期はこないように薬を呑んでいるのに、私からもオメガ特有の抗えない匂いがたつ。
レイの親指が私の目尻を優しく撫でる。
そのまま下げられた手は私の服を押し上げ素肌を直接撫でてくる。
指が肌に触れるとビクンと胸が動く。
私の声とは思えない音が鼻から抜ける。
「…なぁ…………俺を……好き?…」
額に汗を浮かべて、頬を真っ赤にしている私の表情が、レイの欲望をかき立て、性欲を喚起させる。
レイは両腕を私の服の下から背中に回し、おもいきり抱き締めた。
「どれだけアイラに触りたかったかわかる?…」
そう言いながら両手で優しく背を撫でる。
「可愛くて、心地よくて、愛しい……」
明るいランプの光の中で私のシミひとつない奇麗な肌を眺め、レイは満足げに笑った。
全力で首を振り、いやいやしながら私はレイの肩を押した。
「…シャワーも浴びてないのに………」
私は涙ながらに、レイの体の下から抜け出した。
あまりにもその姿が可愛くて、可愛くて。レイは私を抱き寄せてキスをした。
「アイラの匂いが好きなのに、シャワーなんて関係ないに決まってるだろう」
私を膝の上に抱え上げ、向かい合わせになり言い聞かせる。
赤くなり俯く私の顔を覗き込むように、レイは自分の舌を突き出した。
キスしてという意味かと戸惑いながらも私はその舌を唇で咥えた。
キスを続けながらレイはベッドに私を寝かせる。
「よく考えろ…本当に嫌か?なぁ…アイラ…」
ねだるかのように訊いてくるレイに、もう嫌とは言えない。
私は涙ぐみながら答えるしかなかった。
「いい……です……レイの好きなようにしてください……」
レイはニヤリと笑って頷いた。
私の見開かれた目が狼狽えるように揺れたが、次の瞬間には桜唇がとろりと溶けた。
僅かに開いた唇の奥から、朱色の可愛い舌が現れてレイの舌に可愛く吸い付いた。
***
私はピタリとレイにひっついてくる。
レイは私の腕をとった。
「シャワーに行くぞ」
と私を浴室に連れて行った。
「シーツ汚してしまったの、嫌だから……」
私はそう言って、四つん這いになって汚れたシーツをはがしにかかった。シーツは二人の愛で汚れていた。
「ははっ。どれだけ掃除好きなんだよ」
そう言ってレイはシーツごと私を抱きかかえ、浴室まで歩いて行った。
お互いの体を洗い合い、目があったらレイが優しくキスをした。湯船に湯がたまると私を先に入らせた。
「ちょっとつめて」
レイは無理やり一緒に入った。
狭いので体がくっつく。
レイは背中から抱えるように私を抱っこした。
額を肩に置いて私の背中越しに
「いなくなるかと思った…」
と私の首筋にキスした。
涙が溢れだした。
気付かれないように我慢したけど、肩が震えてすすり泣いているのがレイにも伝わってしまった。
「レイ……好きです」
そう言うと狭い湯船の中で無理やり向かい合わせになり、レイに腕を回して私は抱きついた。
「俺も、好きだよ……泣くなよ。好きだよ、初めて会った日からアイラ以外は考えられない」
レイは首すじにチュッと印を付けた。
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