55 / 284
第3章 悪役令嬢は関わりたくない
5
しおりを挟む
次の日の午後、ちょうどお茶の時間にミリア達がやってきた。もちろんノエルも一緒だ。
そして、
「クリフ様・・・!。」
「やあ、アリアナ嬢・・・招いてくれてありがとう。」
湖をバックに、クリフは晴れやかに、そして少し照れくさそうに笑っている。
(うっわ~、美しい景色と相まって、ますます美形度が増してるよ、この人!)
前回の事件、・・・皇太子暗殺未遂事件に関しては、クリフにお咎めは無かったらしい。むしろ、事件を未然に防いだという事で、皇帝から感謝されたとか・・・?
(これもお父様に聞いたことだけどね・・・。ほんと情報通過ぎて怖いわ・・・。)
「アリアナ様、お招き頂きありがとうございます。素晴らしい所ですね、こんな素敵な別荘、見たことが無いですわ。」
私とミリアはお互い駆け寄ってと両手を握り合った。
「遠い所を来てくれて嬉しいです。疲れてはいないですか?」
「全然!。この景色見たら、疲れなんか吹っ飛んじゃったわ。早くあそびたい!」
ジョージアは湖に行きたくてうずうずしているようだ。
「アリアナ様、ありがとうございます。」
大人しいレティシアも、きらきら目を輝かせている。
(良かったぁ!皆を招待して。グスタフの件で気分悪かったけど、夏休みを楽しむのはこれからよね!)
玄関で私の両親と兄も皆を迎えた。
「いらっしゃい。ようこそコールリッジ家へ。」
「お、おまねき頂きありがとうございます。」
「わ、私も、お招き頂き、ありがとうございます。」
「ありがとうございます。」
さすがに、コールリッジ公爵の前で、皆は緊張しているようだ。だか、
「皆、アリアナと仲良くしてくれてありがとう。アリアナが事件に巻き込まれた時、皆が助けてくれたと聞いた。心から感謝するよ。」
父がそう言うと恐縮しながらも嬉しそうだった。
「私と夫は明後日には領都に戻りますが、皆さんはゆっくりしてくださいね。アリアナ、皆さんをお部屋にご案内してね。」
「はい、お母様。」
使用人達が皆の荷物を先に部屋へと運び始める。
「やぁ、いらっしゃい。来てくれて嬉しいよ。」
兄のクラークは皆にそう言うと、ノエルとクリフに向かって
「明日は一緒に遠乗りしないか?良いコースがあるんだ。」
「あ、ありがとうございます。」
「ぜひ、ご一緒させてください。」
ノエルは緊張気味に、クリフは笑みを浮かべてそう言った。
(そういえばクラークは別荘に来て以来、遠乗りに行ってばかりだったわね。
)
フェミニストの彼だが、流石に女子の中に交じって遊ぶのは恥ずかしかったようだ。
グスタフが来た時に兄も一緒だったならば、少しは援護してくれたかもしれない残念だった。
(だって一応、ディーンは私の寮へ訪ねてきたこともあったし、夕暮れの散歩だってしたんだからね・・・。まぁ、両方とも私に謝まる為だったけど・・・。)
そうして、皆を部屋に案内しようとした時だった。玄関の外で、カラカラと馬車が着いた音がしたのだ。
「あら、また誰かが来たようですね。」
母がそう言うと、執事が確認する為外へ出た。そして戻って来ると、
「ギャロウェイ家ご子息のディーン様と・・・、パーシヴァル第二皇子がいらっしゃいました。」
そう私達に告げたのだ。
(はぁ!?パーシヴァル!?。ディーンが来るとは聞いてたけど、なんでパーシヴァルまで来るの!?)
着くなりディーンは父と母に、深々と頭を下げた。
「コールリッジ公爵、この度はお招きいただきありがとうございます。すみません、私一人で来るはずだったのですが、パーシヴァル殿下がどうしても一緒にと・・・。」
こういう所は、本当にしっかりしているけど、礼儀正し過ぎて子供らしくない。対してパーシヴァルは、
「ディーンにくっ付いて来てしまったよ。連絡もせずに、すまないね。しばらく世話になるが良いかな?。」
と全く悪びれた様子もない。でも何故か人を嫌な気分にさせないのだ。
「かような所へ、お越しいただけるとは・・・。殿下にはご不便な思いをさせるかもしれませんが、精いっぱいおもてなしさせて頂きます。」
父は突然の第二皇子の訪問にも冷静に、如才無く頭を下げた。
「ディーン君も、よく来てくれたね。アリアナが待ちかねていただろう。さぁ、荷物を置いたら庭のテーブルにお茶を用意させよう。ゆっくりしてくれたまへ。」
「はい、ありがとうございます。」
(昨日の父との話を思うと、普通の会話にも含みがあるように思えてしまうわね・・・)
やっぱり父は狸なのだ。
そして、
「クリフ様・・・!。」
「やあ、アリアナ嬢・・・招いてくれてありがとう。」
湖をバックに、クリフは晴れやかに、そして少し照れくさそうに笑っている。
(うっわ~、美しい景色と相まって、ますます美形度が増してるよ、この人!)
前回の事件、・・・皇太子暗殺未遂事件に関しては、クリフにお咎めは無かったらしい。むしろ、事件を未然に防いだという事で、皇帝から感謝されたとか・・・?
(これもお父様に聞いたことだけどね・・・。ほんと情報通過ぎて怖いわ・・・。)
「アリアナ様、お招き頂きありがとうございます。素晴らしい所ですね、こんな素敵な別荘、見たことが無いですわ。」
私とミリアはお互い駆け寄ってと両手を握り合った。
「遠い所を来てくれて嬉しいです。疲れてはいないですか?」
「全然!。この景色見たら、疲れなんか吹っ飛んじゃったわ。早くあそびたい!」
ジョージアは湖に行きたくてうずうずしているようだ。
「アリアナ様、ありがとうございます。」
大人しいレティシアも、きらきら目を輝かせている。
(良かったぁ!皆を招待して。グスタフの件で気分悪かったけど、夏休みを楽しむのはこれからよね!)
玄関で私の両親と兄も皆を迎えた。
「いらっしゃい。ようこそコールリッジ家へ。」
「お、おまねき頂きありがとうございます。」
「わ、私も、お招き頂き、ありがとうございます。」
「ありがとうございます。」
さすがに、コールリッジ公爵の前で、皆は緊張しているようだ。だか、
「皆、アリアナと仲良くしてくれてありがとう。アリアナが事件に巻き込まれた時、皆が助けてくれたと聞いた。心から感謝するよ。」
父がそう言うと恐縮しながらも嬉しそうだった。
「私と夫は明後日には領都に戻りますが、皆さんはゆっくりしてくださいね。アリアナ、皆さんをお部屋にご案内してね。」
「はい、お母様。」
使用人達が皆の荷物を先に部屋へと運び始める。
「やぁ、いらっしゃい。来てくれて嬉しいよ。」
兄のクラークは皆にそう言うと、ノエルとクリフに向かって
「明日は一緒に遠乗りしないか?良いコースがあるんだ。」
「あ、ありがとうございます。」
「ぜひ、ご一緒させてください。」
ノエルは緊張気味に、クリフは笑みを浮かべてそう言った。
(そういえばクラークは別荘に来て以来、遠乗りに行ってばかりだったわね。
)
フェミニストの彼だが、流石に女子の中に交じって遊ぶのは恥ずかしかったようだ。
グスタフが来た時に兄も一緒だったならば、少しは援護してくれたかもしれない残念だった。
(だって一応、ディーンは私の寮へ訪ねてきたこともあったし、夕暮れの散歩だってしたんだからね・・・。まぁ、両方とも私に謝まる為だったけど・・・。)
そうして、皆を部屋に案内しようとした時だった。玄関の外で、カラカラと馬車が着いた音がしたのだ。
「あら、また誰かが来たようですね。」
母がそう言うと、執事が確認する為外へ出た。そして戻って来ると、
「ギャロウェイ家ご子息のディーン様と・・・、パーシヴァル第二皇子がいらっしゃいました。」
そう私達に告げたのだ。
(はぁ!?パーシヴァル!?。ディーンが来るとは聞いてたけど、なんでパーシヴァルまで来るの!?)
着くなりディーンは父と母に、深々と頭を下げた。
「コールリッジ公爵、この度はお招きいただきありがとうございます。すみません、私一人で来るはずだったのですが、パーシヴァル殿下がどうしても一緒にと・・・。」
こういう所は、本当にしっかりしているけど、礼儀正し過ぎて子供らしくない。対してパーシヴァルは、
「ディーンにくっ付いて来てしまったよ。連絡もせずに、すまないね。しばらく世話になるが良いかな?。」
と全く悪びれた様子もない。でも何故か人を嫌な気分にさせないのだ。
「かような所へ、お越しいただけるとは・・・。殿下にはご不便な思いをさせるかもしれませんが、精いっぱいおもてなしさせて頂きます。」
父は突然の第二皇子の訪問にも冷静に、如才無く頭を下げた。
「ディーン君も、よく来てくれたね。アリアナが待ちかねていただろう。さぁ、荷物を置いたら庭のテーブルにお茶を用意させよう。ゆっくりしてくれたまへ。」
「はい、ありがとうございます。」
(昨日の父との話を思うと、普通の会話にも含みがあるように思えてしまうわね・・・)
やっぱり父は狸なのだ。
20
お気に入りに追加
425
あなたにおすすめの小説
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。
木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。
彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。
こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。
だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。
公爵令嬢は薬師を目指す~悪役令嬢ってなんですの?~【短編版】
ゆうの
ファンタジー
公爵令嬢、ミネルヴァ・メディシスは時折夢に見る。「治癒の神力を授かることができなかった落ちこぼれのミネルヴァ・メディシス」が、婚約者である第一王子殿下と恋に落ちた男爵令嬢に毒を盛り、断罪される夢を。
――しかし、夢から覚めたミネルヴァは、そのたびに、思うのだ。「医者の家系《メディシス》に生まれた自分がよりによって誰かに毒を盛るなんて真似をするはずがないのに」と。
これは、「治癒の神力」を授かれなかったミネルヴァが、それでもメディシスの人間たろうと努力した、その先の話。
※ 様子見で(一応)短編として投稿します。反響次第では長編化しようかと(「その後」を含めて書きたいエピソードは山ほどある)。
【完結】【35万pt感謝】転生したらお飾りにもならない王妃のようなので自由にやらせていただきます
宇水涼麻
恋愛
王妃レイジーナは出産を期に入れ替わった。現世の知識と前世の記憶を持ったレイジーナは王子を産む道具である現状の脱却に奮闘する。
さらには息子に殺される運命から逃れられるのか。
中世ヨーロッパ風異世界転生。
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます
久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。
その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。
1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。
しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか?
自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと!
自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ?
ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ!
他サイトにて別名義で掲載していた作品です。
ぽっちゃり令嬢の異世界カフェ巡り~太っているからと婚約破棄されましたが番のモフモフ獣人がいるので貴方のことはどうでもいいです~
碓氷唯
ファンタジー
幼い頃から王太子殿下の婚約者であることが決められ、厳しい教育を施されていたアイリス。王太子のアルヴィーンに初めて会ったとき、この世界が自分の読んでいた恋愛小説の中で、自分は主人公をいじめる悪役令嬢だということに気づく。自分が追放されないようにアルヴィーンと愛を育もうとするが、殿下のことを好きになれず、さらに自宅の料理長が作る料理が大量で、残さず食べろと両親に言われているうちにぶくぶくと太ってしまう。その上、両親はアルヴィーン以外の情報をアイリスに入れてほしくないがために、アイリスが学園以外の外を歩くことを禁止していた。そして十八歳の冬、小説と同じ時期に婚約破棄される。婚約破棄の理由は、アルヴィーンの『運命の番』である兎獣人、ミリアと出会ったから、そして……豚のように太っているから。「豚のような女と婚約するつもりはない」そう言われ学園を追い出され家も追い出されたが、アイリスは内心大喜びだった。これで……一人で外に出ることができて、異世界のカフェを巡ることができる!?しかも、泣きながらやっていた王太子妃教育もない!?カフェ巡りを繰り返しているうちに、『運命の番』である狼獣人の騎士団副団長に出会って……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる