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第3章 悪役令嬢は関わりたくない

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次の日の午後、ちょうどお茶の時間にミリア達がやってきた。もちろんノエルも一緒だ。
そして、

「クリフ様・・・!。」

「やあ、アリアナ嬢・・・招いてくれてありがとう。」

湖をバックに、クリフは晴れやかに、そして少し照れくさそうに笑っている。


(うっわ~、美しい景色と相まって、ますます美形度が増してるよ、この人!)


前回の事件、・・・皇太子暗殺未遂事件に関しては、クリフにお咎めは無かったらしい。むしろ、事件を未然に防いだという事で、皇帝から感謝されたとか・・・?


(これもお父様に聞いたことだけどね・・・。ほんと情報通過ぎて怖いわ・・・。)


「アリアナ様、お招き頂きありがとうございます。素晴らしい所ですね、こんな素敵な別荘、見たことが無いですわ。」

私とミリアはお互い駆け寄ってと両手を握り合った。


「遠い所を来てくれて嬉しいです。疲れてはいないですか?」

「全然!。この景色見たら、疲れなんか吹っ飛んじゃったわ。早くあそびたい!」

ジョージアは湖に行きたくてうずうずしているようだ。

「アリアナ様、ありがとうございます。」

大人しいレティシアも、きらきら目を輝かせている。

(良かったぁ!皆を招待して。グスタフの件で気分悪かったけど、夏休みを楽しむのはこれからよね!)


玄関で私の両親と兄も皆を迎えた。

「いらっしゃい。ようこそコールリッジ家へ。」

「お、おまねき頂きありがとうございます。」

「わ、私も、お招き頂き、ありがとうございます。」

「ありがとうございます。」

さすがに、コールリッジ公爵の前で、皆は緊張しているようだ。だか、


「皆、アリアナと仲良くしてくれてありがとう。アリアナが事件に巻き込まれた時、皆が助けてくれたと聞いた。心から感謝するよ。」


父がそう言うと恐縮しながらも嬉しそうだった。


「私と夫は明後日には領都に戻りますが、皆さんはゆっくりしてくださいね。アリアナ、皆さんをお部屋にご案内してね。」

「はい、お母様。」


使用人達が皆の荷物を先に部屋へと運び始める。


「やぁ、いらっしゃい。来てくれて嬉しいよ。」

兄のクラークは皆にそう言うと、ノエルとクリフに向かって

「明日は一緒に遠乗りしないか?良いコースがあるんだ。」

「あ、ありがとうございます。」

「ぜひ、ご一緒させてください。」

ノエルは緊張気味に、クリフは笑みを浮かべてそう言った。

(そういえばクラークは別荘に来て以来、遠乗りに行ってばかりだったわね。

フェミニストの彼だが、流石に女子の中に交じって遊ぶのは恥ずかしかったようだ。

グスタフが来た時に兄も一緒だったならば、少しは援護してくれたかもしれない残念だった。


(だって一応、ディーンは私の寮へ訪ねてきたこともあったし、夕暮れの散歩だってしたんだからね・・・。まぁ、両方とも私に謝まる為だったけど・・・。)


そうして、皆を部屋に案内しようとした時だった。玄関の外で、カラカラと馬車が着いた音がしたのだ。

「あら、また誰かが来たようですね。」

母がそう言うと、執事が確認する為外へ出た。そして戻って来ると、


「ギャロウェイ家ご子息のディーン様と・・・、パーシヴァル第二皇子がいらっしゃいました。」


そう私達に告げたのだ。

(はぁ!?パーシヴァル!?。ディーンが来るとは聞いてたけど、なんでパーシヴァルまで来るの!?)

着くなりディーンは父と母に、深々と頭を下げた。


「コールリッジ公爵、この度はお招きいただきありがとうございます。すみません、私一人で来るはずだったのですが、パーシヴァル殿下がどうしても一緒にと・・・。」


こういう所は、本当にしっかりしているけど、礼儀正し過ぎて子供らしくない。対してパーシヴァルは、


「ディーンにくっ付いて来てしまったよ。連絡もせずに、すまないね。しばらく世話になるが良いかな?。」


と全く悪びれた様子もない。でも何故か人を嫌な気分にさせないのだ。


「かような所へ、お越しいただけるとは・・・。殿下にはご不便な思いをさせるかもしれませんが、精いっぱいおもてなしさせて頂きます。」


父は突然の第二皇子の訪問にも冷静に、如才無く頭を下げた。


「ディーン君も、よく来てくれたね。アリアナが待ちかねていただろう。さぁ、荷物を置いたら庭のテーブルにお茶を用意させよう。ゆっくりしてくれたまへ。」

「はい、ありがとうございます。」

(昨日の父との話を思うと、普通の会話にも含みがあるように思えてしまうわね・・・)


やっぱり父は狸なのだ。
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