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第一章
18,城
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「ユリウス様、どうも様子がおかしくないですか?」
「何が?」
「城内が・・・、殿下とリオノーラさんが牢を脱出したのに、あまり騒ぎになっていないような・・・。」
ユリウスとサシャフェルトは城内の中庭を歩いていた。サシャフェルトは憲兵の服に着替え、ユリウスは魔法で姿を隠している。
リオノーラとミカと別れてから、二人は、セテリオス城内の倉庫に忍び込んでいた。サシャフェルトは憲兵に変装し、城内の様子をさぐる予定だ。
「お二人が逃げてから、三日、いえ四日・・・。もっと大事になってるかと思いましたが・・・。」
「そのへんも、探ってみよう。サシャは王城で働く者達から情報を集めて。僕は王宮に行く。」
「くれぐれもお気をつけて。例え王に会っても、その・・・短気を起こされぬよう・・・。」
「心配しなくていい。直ぐに殺しちゃうなんて、もったいないだろ。」
ユリウスの気配が消えた。恐らく王宮の中へ飛んだのだろう。サシャフェルトは一人、中庭を歩き、まっすぐ憲兵達の詰め所に向かった。この城は六年前まで暮らしていた所だ。何処に何があるかぐらいは、覚えていた。
詰め所では、数人の憲兵達が食事をとっていた。サシャフェルトもさりげなく、近くのテーブルに座り、休憩する素振りで水を飲んだ。そして、密かに憲兵達の会話に耳をすませてみる。
「・・・今日は特に、誰も城には来ない予定だろ?。」
「いや、この後、アシュレイ伯爵が、陛下を訪問すると聞いたぞ。西門の奴らが言ってた。」
(アシュレイ伯爵!?)
ミカの鼓動が一瞬高くなる。しかし素振りには見せない。
「ああ、あの御仁か・・・。なぁ・・・どうして、自分の娘が罪人として捕らえられたと言うのに、処罰を受けないで済んでるんだ?。」
「しっ!。滅多な事を言うなよ。この国じゃ、何があったっておかしくはないさ。」
「聖女様を暗殺しようとした娘だろ?。今はベスパの塔に捕らえられてるらしいが、そのうち処刑される予定らしいぜ。」
「裁判も無しでかい?。」
「ああ、唯一反対しているのが、殺されかけた聖女様らしい。・・・どういう事だろうな。」
「余計な事、考えるなよ。お前も消されるぞ・・・。」
(・・・タイミング良く、良い話を聞かせてくれたものだ。)
しかし、憲兵達の会話を聞いて、ミカはかすかな戸惑いを覚えた。憲兵・・・即ち、下の者達には、ユリウスとリオノーラ脱走の件は、伝えられていないようだ。という事は、二人の捜索も大っぴらには、なされていない事になる。
(なるほど・・・、ベスパの塔は幾重にも術がかけられた、脱出不可能の牢。そこから逃げられたとなると、王や宮廷魔術師の名が折れると言う事か・・・。)
秘密裏に追手はかけられているだろうが、まさか二人が、遠い国のディーハに潜伏しているとは思わないだろう。
サシャフェルトは静かに立ち上がると、詰め所を後にした。そして、その足で西門の方へと向かう。
六年ぶりに、城内を歩いて感じるのは、懐かしさよりも哀苦が勝った。
サシャフェルトの父は、セテリオス国の宰相を務めていた。そして母は、ユリウスの母である第二王妃の筆頭侍女であった。
そのおかげで彼は、幼いユリウスの側近という立場で、城に上がる事が出来た。ミカルークとも出会い、そして、美しく聡明な第二王妃に、密かな憧れを感じていた。
あの頃のサシャフェルトは幸せだった。
六年前の事件は、彼の全てを奪った。宰相だった父は、第二王妃を庇ったため、母と共に処刑された。会うだけで、喜びを感じさせてくれた第二王妃も、一緒に働いていた年長の仲間達も、全て失った。
ミカルークと共に、犯罪者として連れて行かれた鉱山の環境は劣悪だった。文官を志していたサシャフェルトにとって、生き延びる事は無理かと思える程に。早々に彼は死を覚悟した。
(死ねば家族や仲間と会える。)
そう思っていた。
サシャフェルトが鉱山で命を繋げたのは、ミカルークのおかげだった。彼は何かにつけ、サシャフェルトを庇った。
そのせいで、時には、サシャフェルト以上に殴られ、傷が痛むのか、眠る事も出来ないようだった。
「ミカ、お前まで僕に付き合う必要はない。お前一人ならここでも充分やっていける。もう僕を庇うな。」
「うるさい、これは俺が好きでやってるんだ。つべこべ言うな。」
顔中腫れあがって、人相が変わっているというのに、そんな憎まれ口を叩いていた。
「お前はばかだ。」
「ああ、だから利口なお前と二人で、ちょうどいいだろう?」
感情など、とっくに枯れたと思っていたのに。家族を失った時以来の涙が、サシャフェルトの目に浮かんだ。そして、彼の心に生きる為の熱が戻ってきたのだ。
騎士の家を出自とするミカルークが、今の様にくだけた口調になったのは、鉱山で使役する様になってからだ。生き延びる為の、彼なりの処世術だろう。そして、サシャフェルトは頭を使い、犯罪者達や見張りから、自分達を守る方法を考えた。
そして二人で五年半、庇い合いながら地獄の中を耐えてきた。
(私が、あの状況で世界を恨まなかったのは、ミカのおかげだ。だが、ユリウス殿下は・・・。)
ベスパの塔で、たった一人。ユリウスには誰も居なかった。半年前に鉱山から助けられてから半年。サシャフェルトには未だに、ユリウスの真意は分からない。ただ、時折見せるユリウスの様子から、現王に対する憎しみが、相当なものである事が分かる。だが、それだけだろうか?。父王への復讐・・・それだけで済むのだろうか?。
自分と、何よりもミカルークを救ってくれた恩は、強く感じている。そしてユリウスは、自分が敬愛していた第二王妃の忘れ形見でもある。サシャフェルトは何があろうと、ユリウスに忠誠を誓うと決めていた。
それでも、一度目の時間が巻き戻った時、サシャは初めてユリウスに対して畏怖以上の恐れを感じた。
時を戻す程の所業を、人が為すなどあり得るのだろうか?それはもう、神の領域では無いだろうか。
(古代の荒ぶる神の生まれ変わり・・・。)
意図せず、老婆の予言の言葉を思い出していた。
「何が?」
「城内が・・・、殿下とリオノーラさんが牢を脱出したのに、あまり騒ぎになっていないような・・・。」
ユリウスとサシャフェルトは城内の中庭を歩いていた。サシャフェルトは憲兵の服に着替え、ユリウスは魔法で姿を隠している。
リオノーラとミカと別れてから、二人は、セテリオス城内の倉庫に忍び込んでいた。サシャフェルトは憲兵に変装し、城内の様子をさぐる予定だ。
「お二人が逃げてから、三日、いえ四日・・・。もっと大事になってるかと思いましたが・・・。」
「そのへんも、探ってみよう。サシャは王城で働く者達から情報を集めて。僕は王宮に行く。」
「くれぐれもお気をつけて。例え王に会っても、その・・・短気を起こされぬよう・・・。」
「心配しなくていい。直ぐに殺しちゃうなんて、もったいないだろ。」
ユリウスの気配が消えた。恐らく王宮の中へ飛んだのだろう。サシャフェルトは一人、中庭を歩き、まっすぐ憲兵達の詰め所に向かった。この城は六年前まで暮らしていた所だ。何処に何があるかぐらいは、覚えていた。
詰め所では、数人の憲兵達が食事をとっていた。サシャフェルトもさりげなく、近くのテーブルに座り、休憩する素振りで水を飲んだ。そして、密かに憲兵達の会話に耳をすませてみる。
「・・・今日は特に、誰も城には来ない予定だろ?。」
「いや、この後、アシュレイ伯爵が、陛下を訪問すると聞いたぞ。西門の奴らが言ってた。」
(アシュレイ伯爵!?)
ミカの鼓動が一瞬高くなる。しかし素振りには見せない。
「ああ、あの御仁か・・・。なぁ・・・どうして、自分の娘が罪人として捕らえられたと言うのに、処罰を受けないで済んでるんだ?。」
「しっ!。滅多な事を言うなよ。この国じゃ、何があったっておかしくはないさ。」
「聖女様を暗殺しようとした娘だろ?。今はベスパの塔に捕らえられてるらしいが、そのうち処刑される予定らしいぜ。」
「裁判も無しでかい?。」
「ああ、唯一反対しているのが、殺されかけた聖女様らしい。・・・どういう事だろうな。」
「余計な事、考えるなよ。お前も消されるぞ・・・。」
(・・・タイミング良く、良い話を聞かせてくれたものだ。)
しかし、憲兵達の会話を聞いて、ミカはかすかな戸惑いを覚えた。憲兵・・・即ち、下の者達には、ユリウスとリオノーラ脱走の件は、伝えられていないようだ。という事は、二人の捜索も大っぴらには、なされていない事になる。
(なるほど・・・、ベスパの塔は幾重にも術がかけられた、脱出不可能の牢。そこから逃げられたとなると、王や宮廷魔術師の名が折れると言う事か・・・。)
秘密裏に追手はかけられているだろうが、まさか二人が、遠い国のディーハに潜伏しているとは思わないだろう。
サシャフェルトは静かに立ち上がると、詰め所を後にした。そして、その足で西門の方へと向かう。
六年ぶりに、城内を歩いて感じるのは、懐かしさよりも哀苦が勝った。
サシャフェルトの父は、セテリオス国の宰相を務めていた。そして母は、ユリウスの母である第二王妃の筆頭侍女であった。
そのおかげで彼は、幼いユリウスの側近という立場で、城に上がる事が出来た。ミカルークとも出会い、そして、美しく聡明な第二王妃に、密かな憧れを感じていた。
あの頃のサシャフェルトは幸せだった。
六年前の事件は、彼の全てを奪った。宰相だった父は、第二王妃を庇ったため、母と共に処刑された。会うだけで、喜びを感じさせてくれた第二王妃も、一緒に働いていた年長の仲間達も、全て失った。
ミカルークと共に、犯罪者として連れて行かれた鉱山の環境は劣悪だった。文官を志していたサシャフェルトにとって、生き延びる事は無理かと思える程に。早々に彼は死を覚悟した。
(死ねば家族や仲間と会える。)
そう思っていた。
サシャフェルトが鉱山で命を繋げたのは、ミカルークのおかげだった。彼は何かにつけ、サシャフェルトを庇った。
そのせいで、時には、サシャフェルト以上に殴られ、傷が痛むのか、眠る事も出来ないようだった。
「ミカ、お前まで僕に付き合う必要はない。お前一人ならここでも充分やっていける。もう僕を庇うな。」
「うるさい、これは俺が好きでやってるんだ。つべこべ言うな。」
顔中腫れあがって、人相が変わっているというのに、そんな憎まれ口を叩いていた。
「お前はばかだ。」
「ああ、だから利口なお前と二人で、ちょうどいいだろう?」
感情など、とっくに枯れたと思っていたのに。家族を失った時以来の涙が、サシャフェルトの目に浮かんだ。そして、彼の心に生きる為の熱が戻ってきたのだ。
騎士の家を出自とするミカルークが、今の様にくだけた口調になったのは、鉱山で使役する様になってからだ。生き延びる為の、彼なりの処世術だろう。そして、サシャフェルトは頭を使い、犯罪者達や見張りから、自分達を守る方法を考えた。
そして二人で五年半、庇い合いながら地獄の中を耐えてきた。
(私が、あの状況で世界を恨まなかったのは、ミカのおかげだ。だが、ユリウス殿下は・・・。)
ベスパの塔で、たった一人。ユリウスには誰も居なかった。半年前に鉱山から助けられてから半年。サシャフェルトには未だに、ユリウスの真意は分からない。ただ、時折見せるユリウスの様子から、現王に対する憎しみが、相当なものである事が分かる。だが、それだけだろうか?。父王への復讐・・・それだけで済むのだろうか?。
自分と、何よりもミカルークを救ってくれた恩は、強く感じている。そしてユリウスは、自分が敬愛していた第二王妃の忘れ形見でもある。サシャフェルトは何があろうと、ユリウスに忠誠を誓うと決めていた。
それでも、一度目の時間が巻き戻った時、サシャは初めてユリウスに対して畏怖以上の恐れを感じた。
時を戻す程の所業を、人が為すなどあり得るのだろうか?それはもう、神の領域では無いだろうか。
(古代の荒ぶる神の生まれ変わり・・・。)
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