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第3部 幸せのために
帰郷
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クレアが乗せられた馬車は皇都を出発し、順調にユーリ王国を目指している。
馬車内では重い雰囲気を纏った騎士らに囲まれているので、息を吐くのもままならなかった。
ただ、クレアの心境はそれらがほとんど気にならないほど空虚なものだった。
力なく乗っていると、次第に窓の外から渓谷が見えてきた。
あれほど帰りたかった故郷なのに。
それなのに、何故自分はこんなにも悲しいのだろう。最早、涙は枯れ果てていた。
『クレア。俺は君が好きだ』
中庭の噴水の前でそう言って口付けてくれたアーサーのことを思い出すと、胸がギュッと締め付けられるように感じる。
『二度とお前が我が国に足を踏み入れることは許さん』
皇帝の冷たい声が、耳の奥で響く。
「まだ、私はあそこでやらなくてはならないことがあった。だけど……」
アーサーに「私のことは忘れてください」と、断腸の思いで別れの言葉を伝えたことが脳裏に過ぎる。
また、侯爵家の令嬢がクレアの代わりにアーサーの婚約者となる予定であるし、更にその令嬢は来月の頭から第二宮に婚約者として住むことが決まっていると、先ほど騎士らが小声で会話をしていたのを聞いた。
これで完全に、ブレア帝国でのクレアの居場所はなくなってしまったのだ。
『何故、クレア様がこのような仕打ちを受けなければいけないのでしょうか‼︎』
リリーとアンナは泣いてくれた。
だが、自分にはもうその資格はないのだと自覚していたし、その理由もわかっていた。
「私には、もう創造の力は使えないから……」
馬車の中で一人呟くと、虚しさと悲しみが溢れてくる。
そして、皇都を出発してから一週間。
ようやく到着したのは、渓谷に囲まれた古城だった。
クレアは遥か幼い頃の記憶の中に、その景色を認識していた。
懐かしさで胸が熱くなるのを感じながら、御者のエスコートで降り立ち玄関に向かうと、そこにはすでに大勢の人だかりができていた。
「ああっ! クレア様、お帰りなさませ……!」
初老の男性がクレアに声をかけた。彼はクレアを見るなり顔を綻ばせる。
クレアはなんと返してよいのか戸惑ったが、ともかく挨拶をすることにした。
「皆さんこんにちは。私はクレア・フロー=ユーリと申します。どうぞよろしくお願いいたします」
「はい! この日をどれだけ待ち望んでいたことか……!」
「ほら、クレア様をいつまでもこんなところに立たせておくわけには行かないだろう⁉︎ 早く長旅の疲れを癒してもらわなければ」
「は、はい‼︎」
そうして、クレアはあれよあれよと待ち受けていた人々によって城内の個室に通された。
また、クレアを連行して来た帝国の馬車はすでに帝国へと出立している。
「ここは、クレア様のお部屋なんですよ」
「私の部屋ですか?」
「はい! 遅れましたが私はポーラと申します。王妃様付きの侍女をもう何年もさせていただいているんですよ。……クレア様のことも存じています」
ということは、幼い頃の自分を知っているのだろうか。そう思うと胸の奥がくすぐったく感じる。
「ともかく、今日はゆっくりとお過ごしくださいませ。加えて、現在国王陛下、王妃殿下は街の視察に赴きになられて留守にされておりますが、夕食時にはお戻りになられるとのことです」
「左様ですか。……それでは、お言葉に甘えてそうさせていただきます」
「はい。失礼いたします」
ポーラが退室すると、室内が静かになり急に現実に戻されたような感覚を抱いた。
自室とは言われたが、到着したばかりで家具を使用してよいのかと戸惑い、どう過ごすかも迷ったので、ともかく窓の側へと移動し新鮮な空気を吸い込んだ。
渓谷から伝わる空気は冷たいがとても澄んでおり、整理のつかない思考を落ち着かせてくれるように感じる。
「お父様とお母様にお会いできるのね……」
長年会いたくてたまらなかった両親に会うことができるのは非常に嬉しいが、まだ感情が追いついていないというのが本音だった。
「ともかく、今の状況に慣れていかなければいけないわ。ここで、私にできることを探していかなければ」
そう言葉にすると、少しだけ心の整理ができたように感じた。
◇◇
そして夕刻。
ポーラに食堂に案内してもらうと、そこには記憶の端にある姿よりもずっと年老いた両親がクレアを出迎えてくれた。
「クレア、あなたには本当に苦労をかけましたね」
「ここはクレアの家だ。もう心配はいらないよ」
両親は温かい笑顔を浮かべている。
白髪混じりの漆黒の髪に同色の髭を口元に蓄えた壮麗の背の高い男性と、クレアと同色の亜麻色の長髪を編み込み頭の後ろでまとめている女性。
ほとんど記憶はないはずだが、彼らは間違いなく両親なのだと思った。
「お父様、お母様……」
クレアは、目の奥から込み上げてくるものを必死に堪える。
すると、両親の隣に漆黒の髪をたなびかせた青年が立っていることに気がついた。
彼が誰なのかも、すぐに察することができた。兄であるクリスのはずだ。
「クレア、本当によく帰って来てくれた」
「お兄様……」
兄のクリスは、口元を少しだけ緩めて目を細めた。
「お姉様! お会いできて嬉しいです!」
「あなたは、マーサですね」
クレアの記憶の中の兄弟は二人の姉と兄だった。
ポーラの説明によると姉は二人とも国内の有力貴族の嫡男の元へと嫁いだのでここにはおらず、現在城に住んでる家族は王位継承権第三位を所持している兄のクリスと、クレアとは六歳離れている妹のマーサ、加えて両親らしい。
「はい! お姉様、ずっとお会いしたかったです!」
「クレア、本当にすまない。私が不甲斐ないばかりに」
「あなたを守れなくて、本当にごめんなさい」
「頭を上げてください、お母様、お父様。私の方こそ、素晴らしい贈り物をいただいていたのに、これまでお礼を言えずに申し訳ありませんでした」
「そんなことは一切気にしなくてよいのだ。今日からまたクレアと暮らすことができて私たちは幸せだ」
「お姉様、たくさん遊んで欲しいです!」
「お父様、マーサ……」
無邪気に笑う妹のマーサに温かい両親。
クレアは胸の奥から込み上げてくる熱いものを感じながら、ユーリ王国の王城での生活を始めたのだった。
馬車内では重い雰囲気を纏った騎士らに囲まれているので、息を吐くのもままならなかった。
ただ、クレアの心境はそれらがほとんど気にならないほど空虚なものだった。
力なく乗っていると、次第に窓の外から渓谷が見えてきた。
あれほど帰りたかった故郷なのに。
それなのに、何故自分はこんなにも悲しいのだろう。最早、涙は枯れ果てていた。
『クレア。俺は君が好きだ』
中庭の噴水の前でそう言って口付けてくれたアーサーのことを思い出すと、胸がギュッと締め付けられるように感じる。
『二度とお前が我が国に足を踏み入れることは許さん』
皇帝の冷たい声が、耳の奥で響く。
「まだ、私はあそこでやらなくてはならないことがあった。だけど……」
アーサーに「私のことは忘れてください」と、断腸の思いで別れの言葉を伝えたことが脳裏に過ぎる。
また、侯爵家の令嬢がクレアの代わりにアーサーの婚約者となる予定であるし、更にその令嬢は来月の頭から第二宮に婚約者として住むことが決まっていると、先ほど騎士らが小声で会話をしていたのを聞いた。
これで完全に、ブレア帝国でのクレアの居場所はなくなってしまったのだ。
『何故、クレア様がこのような仕打ちを受けなければいけないのでしょうか‼︎』
リリーとアンナは泣いてくれた。
だが、自分にはもうその資格はないのだと自覚していたし、その理由もわかっていた。
「私には、もう創造の力は使えないから……」
馬車の中で一人呟くと、虚しさと悲しみが溢れてくる。
そして、皇都を出発してから一週間。
ようやく到着したのは、渓谷に囲まれた古城だった。
クレアは遥か幼い頃の記憶の中に、その景色を認識していた。
懐かしさで胸が熱くなるのを感じながら、御者のエスコートで降り立ち玄関に向かうと、そこにはすでに大勢の人だかりができていた。
「ああっ! クレア様、お帰りなさませ……!」
初老の男性がクレアに声をかけた。彼はクレアを見るなり顔を綻ばせる。
クレアはなんと返してよいのか戸惑ったが、ともかく挨拶をすることにした。
「皆さんこんにちは。私はクレア・フロー=ユーリと申します。どうぞよろしくお願いいたします」
「はい! この日をどれだけ待ち望んでいたことか……!」
「ほら、クレア様をいつまでもこんなところに立たせておくわけには行かないだろう⁉︎ 早く長旅の疲れを癒してもらわなければ」
「は、はい‼︎」
そうして、クレアはあれよあれよと待ち受けていた人々によって城内の個室に通された。
また、クレアを連行して来た帝国の馬車はすでに帝国へと出立している。
「ここは、クレア様のお部屋なんですよ」
「私の部屋ですか?」
「はい! 遅れましたが私はポーラと申します。王妃様付きの侍女をもう何年もさせていただいているんですよ。……クレア様のことも存じています」
ということは、幼い頃の自分を知っているのだろうか。そう思うと胸の奥がくすぐったく感じる。
「ともかく、今日はゆっくりとお過ごしくださいませ。加えて、現在国王陛下、王妃殿下は街の視察に赴きになられて留守にされておりますが、夕食時にはお戻りになられるとのことです」
「左様ですか。……それでは、お言葉に甘えてそうさせていただきます」
「はい。失礼いたします」
ポーラが退室すると、室内が静かになり急に現実に戻されたような感覚を抱いた。
自室とは言われたが、到着したばかりで家具を使用してよいのかと戸惑い、どう過ごすかも迷ったので、ともかく窓の側へと移動し新鮮な空気を吸い込んだ。
渓谷から伝わる空気は冷たいがとても澄んでおり、整理のつかない思考を落ち着かせてくれるように感じる。
「お父様とお母様にお会いできるのね……」
長年会いたくてたまらなかった両親に会うことができるのは非常に嬉しいが、まだ感情が追いついていないというのが本音だった。
「ともかく、今の状況に慣れていかなければいけないわ。ここで、私にできることを探していかなければ」
そう言葉にすると、少しだけ心の整理ができたように感じた。
◇◇
そして夕刻。
ポーラに食堂に案内してもらうと、そこには記憶の端にある姿よりもずっと年老いた両親がクレアを出迎えてくれた。
「クレア、あなたには本当に苦労をかけましたね」
「ここはクレアの家だ。もう心配はいらないよ」
両親は温かい笑顔を浮かべている。
白髪混じりの漆黒の髪に同色の髭を口元に蓄えた壮麗の背の高い男性と、クレアと同色の亜麻色の長髪を編み込み頭の後ろでまとめている女性。
ほとんど記憶はないはずだが、彼らは間違いなく両親なのだと思った。
「お父様、お母様……」
クレアは、目の奥から込み上げてくるものを必死に堪える。
すると、両親の隣に漆黒の髪をたなびかせた青年が立っていることに気がついた。
彼が誰なのかも、すぐに察することができた。兄であるクリスのはずだ。
「クレア、本当によく帰って来てくれた」
「お兄様……」
兄のクリスは、口元を少しだけ緩めて目を細めた。
「お姉様! お会いできて嬉しいです!」
「あなたは、マーサですね」
クレアの記憶の中の兄弟は二人の姉と兄だった。
ポーラの説明によると姉は二人とも国内の有力貴族の嫡男の元へと嫁いだのでここにはおらず、現在城に住んでる家族は王位継承権第三位を所持している兄のクリスと、クレアとは六歳離れている妹のマーサ、加えて両親らしい。
「はい! お姉様、ずっとお会いしたかったです!」
「クレア、本当にすまない。私が不甲斐ないばかりに」
「あなたを守れなくて、本当にごめんなさい」
「頭を上げてください、お母様、お父様。私の方こそ、素晴らしい贈り物をいただいていたのに、これまでお礼を言えずに申し訳ありませんでした」
「そんなことは一切気にしなくてよいのだ。今日からまたクレアと暮らすことができて私たちは幸せだ」
「お姉様、たくさん遊んで欲しいです!」
「お父様、マーサ……」
無邪気に笑う妹のマーサに温かい両親。
クレアは胸の奥から込み上げてくる熱いものを感じながら、ユーリ王国の王城での生活を始めたのだった。
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