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子供ってどう思う?と聞かれた話

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カイは、窮地に立たされていた。

リナが、言いにくそうに聞いてきたからだ。
「カイさん、子供ってどう思う?」

どう思う、とは。

どう答えるのが正解か迷った。
「どうしたんだ?急に」

「ううん、ちょっと気になって」

「もしかして何か、リナが子供のことを気にする兆候でもあったのか?」

「そういうわけではないんだけど」

カイは、リナの体の周期を把握している。子供ができるような時期は、それなりに配慮しているつもりだ。

まあ、つもりでしかない。

「リナは子供が欲しいのか?」

「ううん、そうじゃなくて。」

何がリナを不安にさせているのかわからないが、抱いて甘やかすだけでは足りない気がした。
お茶の用意をした。
ぽつりぽつりと話し出した。
「あのね、お店でベビー服を見たの」

アルバイトをしている、ヒューゴの実家だ。

「小さくて可愛くて、いつかは……って思ったんだけど、あまりに小さくて怖くなったの。子供が一人で歩くまでに、世話をして抱っこして、どれくらい大変なんだろうって思ったらなにも知らないことが怖くて」

リナの母親はいない。

「リナ、怖がる必要はない。俺も子供のことはわからないが、一緒に調べよう」

抱き寄せて肩に頭を持たせかけた。

「正直、まだ先でいいかなと思っている。
リナはまだ若いだろう。
ミクに聞いたんだが、あまりに若いうちに出産すると負担が大きいらしい。」

「そうなの?」

「それでなくとも出産は命を落とすこともある。俺はリナに危険があるなら子供はいなくてもいいと思っている。
もちろん、リナが欲しいなら絶対に無理をさせないようにするし任務も調整する。」

「カイさん……」

「ただ、欲しくても授からない人もいるし、反対に欲しくないと言っていた人が子煩悩になることもある。だから考えすぎなくて良いんじゃないか」

リナは何度も頷いた。

「そうね、ちょっと考えすぎてたみたいです。マリアちゃんとメイさんと将来のことを想像してて」

「そうか、あの二人と」

「将来、子供たちも交えて仲良くしたいねって話してて。マリアちゃんは男の子と女の子が欲しいって、メイさんはリュートさんに似た子が欲しいけど、みんな若く見えたら自分がつらいとか」


待て。
メイさんはともかく

「マリア嬢はまだ、その、未婚なのに?」

ヒューゴが手を出してないとは言いがたい。生々しいので。
「子供ができたら結婚してくれるかしら、いや一人でも育てる気満々ですよ」

「俺、本当にマリア嬢のそういう謎の思いきりの良さが怖いよ」

カイとリナは抱きあって、笑いながら少し冷めたお茶を飲んだ。
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