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リナとカイの新居への引っ越し(うっかり者~龍起こす)
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カイの荷物は少ない。
もともと潜伏任務の時は急に現地に行かされるし、住居も転々としている。
食事も外食だったし、寝台一つあればそれでいいと思っていた。
服も黒でゆったりしたものが多い。あとは、スタンドカラーかハイネック。無意識に首を守るような服を選んでいる。任務の時は三つ編みを首に巻いて止める。髪のなかに防御の金属や武器を仕込むこともある。
家でリナの前では三つ編みをほどくことも多い。
リナの荷物は元々は少なかったがお姐さん達から貰ったものが多い。ワンピースや古風な着物、踊り用のヒラヒラした衣装もある。普段使いできないけれど、眺めてニコニコしているリナがかわいい。
「これは、○○姐さんからもらって~」と一つ一つ話してくれるのを、酒を飲みながらゆったりと聞くのも楽しかった。
「ちょっと、リナ。俺の見間違いじゃなければさっき、変なものが見えたんだが」
「え?気のせいじゃない?」
「いやいや
まて、これなんだ?呪いの人形か?」
「違いますよ。お姐さんからもらった大切なお人形です。ベッドもあります」
花柄の布で作られた布団に乗せられている。
木の人形。
人形?
棒に彫り物がしてあって、頭部がある。つり目。糸で髪の毛が作られていて、三つ編み。
俺に似てないか?
やっぱり呪われてた?お姐さんたちに?リナに?
というか、
この造形どこかで見たような
「これは誰がくれたんだ?」
「お姐さんたちが注文してくれて。髪の毛は私が作りました。服もあるんですよ。かわいいでしょ」
「これ、俺に似てないか?」
「えー。似てないよ?毎日話しかけて可愛がってたの。
名前もあるの。カイぼうくん」
「俺だよね?」
「ぼう、は棒と坊をかけててね」
「そこはどうでもいい」
頭をナデナデしている。
ちょっとまて、それ
「リナ、それはお姐さんたちの嫌がらせではないのか?」
「なんでそんな意地悪言うんですか。可愛いのに」
頬を膨らませるのも可愛い。
「ごめんごめん。」
リナ、それ人形やない。
張型や。
実用品や。使わせないけど。
なんつーもんを嫁入り道具に混ぜてくれてるねん。あいつら。
嫌がらせにしても品性を疑う。
まあリナが気づいてないならそのまましまって置けばいいか。
「もしカイさんがあのまま来てくれなければ、誕生日にこの子で貫通しようねって姐さんたちが買ってくれて」
「待て待て待て待て!わかっとるやないかーーーー!」
とりあえず、そんなものはしまっておけ。
と、取り上げようとするとリナはそっと胸元にしまった。
「練習、したんですよ」
耳元でささやかれる。
ぞわ。
「なんの、練習」
「いろいろです。でも、やっぱりカイぼうくんよりカイさんの方で練習したいです」
ゆっくりと体重を移動させて、太ももの上に手をおく。
嫁が仕込まれてて
怖い。
あいつら……!
「祝儀ってこれか……!」
ニヤニヤ笑っていた姐さんたちを思い出した。
もともと潜伏任務の時は急に現地に行かされるし、住居も転々としている。
食事も外食だったし、寝台一つあればそれでいいと思っていた。
服も黒でゆったりしたものが多い。あとは、スタンドカラーかハイネック。無意識に首を守るような服を選んでいる。任務の時は三つ編みを首に巻いて止める。髪のなかに防御の金属や武器を仕込むこともある。
家でリナの前では三つ編みをほどくことも多い。
リナの荷物は元々は少なかったがお姐さん達から貰ったものが多い。ワンピースや古風な着物、踊り用のヒラヒラした衣装もある。普段使いできないけれど、眺めてニコニコしているリナがかわいい。
「これは、○○姐さんからもらって~」と一つ一つ話してくれるのを、酒を飲みながらゆったりと聞くのも楽しかった。
「ちょっと、リナ。俺の見間違いじゃなければさっき、変なものが見えたんだが」
「え?気のせいじゃない?」
「いやいや
まて、これなんだ?呪いの人形か?」
「違いますよ。お姐さんからもらった大切なお人形です。ベッドもあります」
花柄の布で作られた布団に乗せられている。
木の人形。
人形?
棒に彫り物がしてあって、頭部がある。つり目。糸で髪の毛が作られていて、三つ編み。
俺に似てないか?
やっぱり呪われてた?お姐さんたちに?リナに?
というか、
この造形どこかで見たような
「これは誰がくれたんだ?」
「お姐さんたちが注文してくれて。髪の毛は私が作りました。服もあるんですよ。かわいいでしょ」
「これ、俺に似てないか?」
「えー。似てないよ?毎日話しかけて可愛がってたの。
名前もあるの。カイぼうくん」
「俺だよね?」
「ぼう、は棒と坊をかけててね」
「そこはどうでもいい」
頭をナデナデしている。
ちょっとまて、それ
「リナ、それはお姐さんたちの嫌がらせではないのか?」
「なんでそんな意地悪言うんですか。可愛いのに」
頬を膨らませるのも可愛い。
「ごめんごめん。」
リナ、それ人形やない。
張型や。
実用品や。使わせないけど。
なんつーもんを嫁入り道具に混ぜてくれてるねん。あいつら。
嫌がらせにしても品性を疑う。
まあリナが気づいてないならそのまましまって置けばいいか。
「もしカイさんがあのまま来てくれなければ、誕生日にこの子で貫通しようねって姐さんたちが買ってくれて」
「待て待て待て待て!わかっとるやないかーーーー!」
とりあえず、そんなものはしまっておけ。
と、取り上げようとするとリナはそっと胸元にしまった。
「練習、したんですよ」
耳元でささやかれる。
ぞわ。
「なんの、練習」
「いろいろです。でも、やっぱりカイぼうくんよりカイさんの方で練習したいです」
ゆっくりと体重を移動させて、太ももの上に手をおく。
嫁が仕込まれてて
怖い。
あいつら……!
「祝儀ってこれか……!」
ニヤニヤ笑っていた姐さんたちを思い出した。
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