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「何か心配事でもあるのかい?」
伯爵の視線に気づき、わたしは「はっ」と我に返った。
「あ、あの…わたしは、その…」
話した方がいい。
きっと、早い方が、傷も浅く済む筈だもの…
そう思うのに、緊張し、上手く言葉が出て来ない。
そんなわたしに、伯爵は別の事を想像した様だ。
「ああ、君に心の準備が出来るまで、私は手を出さないから、安心していいよ」
「えぇ!?」驚き過ぎて、つい、変な声を上げてしまった。
伯爵は困った様に頭を掻いた。
「話しておくべき事の一つだったね、
切っ掛けはどうあれ、結婚するのだから、私は君と普通の夫婦になりたいと思っている。
その方が、ミゲルも安心するだろう。
勿論、君が嫌なら、その辺の事はまた考えよう…」
「い、嫌なんて!ただ、わたしなんかを、相手になさりたいとは、思わないだろうと…」
恥ずかしさに声が小さくなっていく。
だが、伯爵は「ふっ」と笑った。
「君は十分に魅力的だよ、もっと、自信を持ちなさい。
ティファニーの言う事は、ただの嫉妬だ、気にする事は無いよ。
私の方こそ、こんな中年で、君に申し訳なく思っている…」
「中年ではありません!
伯爵は、お若いですし、その、とても男らしくて、素敵です…」
「それは、うれしいね、少し照れるけど…」
わたしたちは照れ笑いをしていた。
自然と緊張も解けていた。
伯爵も同じだったのか…
「案外、私たちは上手くやれそうじゃないか?」
それは、わたしの気持ちを代弁していた。
「はい…!」
幸せに包まれ、それで、わたしは話すべき事を、すっかり忘れてしまっていた。
わたしたちは直ぐに伯爵夫人ミーガンの元へ行き、結婚の報告をした。
夫人は許してくれるかしら…
わたしは緊張していたが、夫人は結婚の話に少しも動じず、笑みを見せた。
「そう、おめでとう、二人共。
リーアム、良い決断をしたわね、ロザリーンなら、大丈夫でしょう」
夫人が伯爵に、意味あり気な視線を送る。
前妻の事を言っているのかもしれない。
「私もそう思いますよ」
伯爵が静かに答え、わたしは反射的に彼を見た。
伯爵は微笑んでいて、わたしは頬が熱くなった。
お二人を失望させない様に、頑張るわ…!
「それで、結婚式はどうするの?
あなたは二度目だけど、ロザリーンは一度目でしょう、豪華にした方が良いかしら?」
結婚式の話になり、わたしはヒヤリとした。
「いえ…式を挙げるつもりは…わたしには財産もありませんし…
呼べる人もいませんので…」
本来は、持参金を貰える筈だが、あの一家が出すとは思えない。
結婚すると知らせたら、喜ぶ処か怒るのではないか?
忘れていた、あの人たちへの恐怖が蘇り、自分を抱き締めた。
「何かあるのね?」
夫人に言われ、わたしは鋭く息を吸った。
「最初から、何か事情があるのだろうとは思っていたけど、立ち入る気は無かったの。
生きていれば、何かしら抱えるものですからね。
でも、結婚するとなれば、聞いておく必要があるわね、あなたを護る為にも」
夫人がチラリと伯爵に目配せする。
伯爵はこちらを向き、頷いた。
「母の言う通りだ、何かあるなら、話して欲しい。
君に悪い様にはしない、私たちを信じて」
碧色の瞳に見つめられると、胸の奥まで見透かされる気がした。
その優しい口調は、わたしに寄り添う様で、わたしは自然と話していた。
「わたしは、スコット男爵家の使用人ではなく、スコット男爵カルロスの実娘です___」
何不自由のない、幸せだった幼少期。
流行り病で母が亡くなってからの孤独。
翌年、父が再婚し、継母、義姉妹が家に来た事、そして、わたしを使用人に追いやった事。
碌に食べさせて貰えず、幾ら働いても給金など貰えなかった事。
義姉の婚約式に、侍女として付いて来る様に命じられた事も___
「何て事だ!そんな、非道な奴等だったとは…!」
リーアムは吐き捨てた。
夫人も険しい表情をしている。
「すみません、つい、余計な事まで話してしまいました…」
「いや、話してくれてありがとう。
だが、君は何故、今まで黙っていたんだ?」
「わたしがスコット男爵家の娘だと知れたら、悪評になると…
そうなれば、わたしはどんな責めを受けるか分かりません…」
知らない土地に置いて行かれた、それ以上の事をされるに決まっている!
「あの人たちが怖くて…!」
そう、わたしはただ、自分の身を案じていただけ。
「黙っていて、申し訳ありませんでした___」
わたしは深く頭を下げた。
何を言われるか恐ろしかったが、伯爵はそっと、わたしの肩を支えてくれた。
「酷い目に遭って来たなら、仕方のない事だ、私こそ考えが及ばずすまなかったね。
君を責めている訳ではないから、安心しなさい。
君は、スコット男爵家に戻る気は無いんだね?実の父親の事は良いのかい?」
「あの家に、わたしの居場所はありません…
父も変わってしまいました、わたしを愛してなんていません…!
この館に来て、思い出す事はありませんでしたし、帰りたいと思った事もありません。
母が亡くなってから、これ程、心安らいだ時はありませんでしたから…」
忘れた方が良い。
わたしにとっても、父にとっても…
「そうか、君は優しい娘だね。
だが、私はそう優しくはなれない。
君は悪いが、彼等には相応の報いを受けて貰うつもりだ」
「報い?」
不穏な言葉に、わたしは目を上げた。
落ち着いていたが、その碧色の目には、はっきりと怒りが見えた。
だが、それを一瞬で消し、伯爵はわたしに微笑んだ。
「だが、その前に、ミゲルに報告しに行こう、きっと待っているよ」
◇
伯爵の言葉通り、ミゲルはソワソワとして待っていた様で、
「こんな事では困ります」と家庭教師がぼやきながら出て行った。
「ミゲル、ロザリーンと結婚する事になったよ」
伯爵が言うと、ミゲルは歓声を上げて、飛び跳ねた。
「ロザリーンがママになってくれるの!?
ママって呼んでもいい?」
「それはまだ早いな、結婚式が終わるまでは待ちなさい」
「けっこんしき!いつするの?あした?あさって?」
「結婚式には準備が必要だからね、直ぐにとはいかないんだ。
ロザリーンにドレスを着せてあげたいだろう?」
「ロザリーンのきるドレス、ぼくがえらんでもいい?」
「ロザリーンと一緒に選ぶなら、許可しよう」
ミゲルは再び歓声を上げ、部屋中を飛び回った。
それを見つめる伯爵の目は優しい。
理想の父親だわ…
わたしの父もそうなら良かった。
羨ましく思っても、もう、胸は痛まなかった。
「ロザリーン、今夜からは君も一緒に晩餐に出て欲しい」
不意に伯爵が振り返り、わたしは慌てた。
「あの、ですが、わたしは相応しい服を持っていませんので…」
「そうか、考えなかった、その辺の事は母に頼んでおくよ。
それでは申し訳ないが、私はこれで失礼するよ、まだ仕事があってね…」
「お引止めして、申し訳ありませんでした」
「いや、時間が許すなら、君たちといたかったよ、それでは、晩餐に___」
伯爵はにこやかに言い、部屋を出て行った。
胸がぽかぽかとしている。
それに、どうしても、口元が緩んでしまう…
「ロザリーン、しあわせそう!
パパもしあわせそうだったね!
あのね、ぼくもしあわせだよっ!」
笑顔のミゲルに、わたしは笑みを返した。
そうだといい…
誰もが大恋愛の末に結婚する訳ではない。
それに、情熱はいつしか冷めてしまうものだ。
それよりも、大切なのは…友情?家族の情?
努力次第で手に入れられるものなら、わたしは惜しみなく、努力するだろう。
伯爵、ミゲル、伯爵夫人の為なら___
伯爵の視線に気づき、わたしは「はっ」と我に返った。
「あ、あの…わたしは、その…」
話した方がいい。
きっと、早い方が、傷も浅く済む筈だもの…
そう思うのに、緊張し、上手く言葉が出て来ない。
そんなわたしに、伯爵は別の事を想像した様だ。
「ああ、君に心の準備が出来るまで、私は手を出さないから、安心していいよ」
「えぇ!?」驚き過ぎて、つい、変な声を上げてしまった。
伯爵は困った様に頭を掻いた。
「話しておくべき事の一つだったね、
切っ掛けはどうあれ、結婚するのだから、私は君と普通の夫婦になりたいと思っている。
その方が、ミゲルも安心するだろう。
勿論、君が嫌なら、その辺の事はまた考えよう…」
「い、嫌なんて!ただ、わたしなんかを、相手になさりたいとは、思わないだろうと…」
恥ずかしさに声が小さくなっていく。
だが、伯爵は「ふっ」と笑った。
「君は十分に魅力的だよ、もっと、自信を持ちなさい。
ティファニーの言う事は、ただの嫉妬だ、気にする事は無いよ。
私の方こそ、こんな中年で、君に申し訳なく思っている…」
「中年ではありません!
伯爵は、お若いですし、その、とても男らしくて、素敵です…」
「それは、うれしいね、少し照れるけど…」
わたしたちは照れ笑いをしていた。
自然と緊張も解けていた。
伯爵も同じだったのか…
「案外、私たちは上手くやれそうじゃないか?」
それは、わたしの気持ちを代弁していた。
「はい…!」
幸せに包まれ、それで、わたしは話すべき事を、すっかり忘れてしまっていた。
わたしたちは直ぐに伯爵夫人ミーガンの元へ行き、結婚の報告をした。
夫人は許してくれるかしら…
わたしは緊張していたが、夫人は結婚の話に少しも動じず、笑みを見せた。
「そう、おめでとう、二人共。
リーアム、良い決断をしたわね、ロザリーンなら、大丈夫でしょう」
夫人が伯爵に、意味あり気な視線を送る。
前妻の事を言っているのかもしれない。
「私もそう思いますよ」
伯爵が静かに答え、わたしは反射的に彼を見た。
伯爵は微笑んでいて、わたしは頬が熱くなった。
お二人を失望させない様に、頑張るわ…!
「それで、結婚式はどうするの?
あなたは二度目だけど、ロザリーンは一度目でしょう、豪華にした方が良いかしら?」
結婚式の話になり、わたしはヒヤリとした。
「いえ…式を挙げるつもりは…わたしには財産もありませんし…
呼べる人もいませんので…」
本来は、持参金を貰える筈だが、あの一家が出すとは思えない。
結婚すると知らせたら、喜ぶ処か怒るのではないか?
忘れていた、あの人たちへの恐怖が蘇り、自分を抱き締めた。
「何かあるのね?」
夫人に言われ、わたしは鋭く息を吸った。
「最初から、何か事情があるのだろうとは思っていたけど、立ち入る気は無かったの。
生きていれば、何かしら抱えるものですからね。
でも、結婚するとなれば、聞いておく必要があるわね、あなたを護る為にも」
夫人がチラリと伯爵に目配せする。
伯爵はこちらを向き、頷いた。
「母の言う通りだ、何かあるなら、話して欲しい。
君に悪い様にはしない、私たちを信じて」
碧色の瞳に見つめられると、胸の奥まで見透かされる気がした。
その優しい口調は、わたしに寄り添う様で、わたしは自然と話していた。
「わたしは、スコット男爵家の使用人ではなく、スコット男爵カルロスの実娘です___」
何不自由のない、幸せだった幼少期。
流行り病で母が亡くなってからの孤独。
翌年、父が再婚し、継母、義姉妹が家に来た事、そして、わたしを使用人に追いやった事。
碌に食べさせて貰えず、幾ら働いても給金など貰えなかった事。
義姉の婚約式に、侍女として付いて来る様に命じられた事も___
「何て事だ!そんな、非道な奴等だったとは…!」
リーアムは吐き捨てた。
夫人も険しい表情をしている。
「すみません、つい、余計な事まで話してしまいました…」
「いや、話してくれてありがとう。
だが、君は何故、今まで黙っていたんだ?」
「わたしがスコット男爵家の娘だと知れたら、悪評になると…
そうなれば、わたしはどんな責めを受けるか分かりません…」
知らない土地に置いて行かれた、それ以上の事をされるに決まっている!
「あの人たちが怖くて…!」
そう、わたしはただ、自分の身を案じていただけ。
「黙っていて、申し訳ありませんでした___」
わたしは深く頭を下げた。
何を言われるか恐ろしかったが、伯爵はそっと、わたしの肩を支えてくれた。
「酷い目に遭って来たなら、仕方のない事だ、私こそ考えが及ばずすまなかったね。
君を責めている訳ではないから、安心しなさい。
君は、スコット男爵家に戻る気は無いんだね?実の父親の事は良いのかい?」
「あの家に、わたしの居場所はありません…
父も変わってしまいました、わたしを愛してなんていません…!
この館に来て、思い出す事はありませんでしたし、帰りたいと思った事もありません。
母が亡くなってから、これ程、心安らいだ時はありませんでしたから…」
忘れた方が良い。
わたしにとっても、父にとっても…
「そうか、君は優しい娘だね。
だが、私はそう優しくはなれない。
君は悪いが、彼等には相応の報いを受けて貰うつもりだ」
「報い?」
不穏な言葉に、わたしは目を上げた。
落ち着いていたが、その碧色の目には、はっきりと怒りが見えた。
だが、それを一瞬で消し、伯爵はわたしに微笑んだ。
「だが、その前に、ミゲルに報告しに行こう、きっと待っているよ」
◇
伯爵の言葉通り、ミゲルはソワソワとして待っていた様で、
「こんな事では困ります」と家庭教師がぼやきながら出て行った。
「ミゲル、ロザリーンと結婚する事になったよ」
伯爵が言うと、ミゲルは歓声を上げて、飛び跳ねた。
「ロザリーンがママになってくれるの!?
ママって呼んでもいい?」
「それはまだ早いな、結婚式が終わるまでは待ちなさい」
「けっこんしき!いつするの?あした?あさって?」
「結婚式には準備が必要だからね、直ぐにとはいかないんだ。
ロザリーンにドレスを着せてあげたいだろう?」
「ロザリーンのきるドレス、ぼくがえらんでもいい?」
「ロザリーンと一緒に選ぶなら、許可しよう」
ミゲルは再び歓声を上げ、部屋中を飛び回った。
それを見つめる伯爵の目は優しい。
理想の父親だわ…
わたしの父もそうなら良かった。
羨ましく思っても、もう、胸は痛まなかった。
「ロザリーン、今夜からは君も一緒に晩餐に出て欲しい」
不意に伯爵が振り返り、わたしは慌てた。
「あの、ですが、わたしは相応しい服を持っていませんので…」
「そうか、考えなかった、その辺の事は母に頼んでおくよ。
それでは申し訳ないが、私はこれで失礼するよ、まだ仕事があってね…」
「お引止めして、申し訳ありませんでした」
「いや、時間が許すなら、君たちといたかったよ、それでは、晩餐に___」
伯爵はにこやかに言い、部屋を出て行った。
胸がぽかぽかとしている。
それに、どうしても、口元が緩んでしまう…
「ロザリーン、しあわせそう!
パパもしあわせそうだったね!
あのね、ぼくもしあわせだよっ!」
笑顔のミゲルに、わたしは笑みを返した。
そうだといい…
誰もが大恋愛の末に結婚する訳ではない。
それに、情熱はいつしか冷めてしまうものだ。
それよりも、大切なのは…友情?家族の情?
努力次第で手に入れられるものなら、わたしは惜しみなく、努力するだろう。
伯爵、ミゲル、伯爵夫人の為なら___
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