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本編

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「お茶が来ている、おまえも座れ」

わたしは二人分の紅茶を淹れ、それを重厚なテーブルに置くと、
彼が座るソファの前、一人掛けの椅子に腰を掛けた。
普通、侍女は客人とお茶をする事など無いが、相手が相手なので、大人しく従った。
尤も、こんな所を誰かに見られたら、酷く叱り飛ばされるだろうが…

「侍女というのは何をするのだ?」

「エクレール様の城の者たちと同じとは思いますが、
身の回りのお世話や雑用、掃除など…何でも致します。何かございますか?」

エクレールは紅茶を飲み、「ふむ」と逡巡していたが、不意に真顔でわたしを見た。

「夜伽はどうだ?」
「しません!!」
「なんだ、つまらん」

突然、何を言うのかと思えば!!
夜伽だなんて…きっと、もの凄く性欲が高いんだわ!!
300回結婚したと言っていたけど、その上、別の女性とも経験があるのね!?

「何を怒っている?安心しろ、今の処、おまえにしか頼む気は無い」

何を安心しろというのか…
わたしは無難に無視を決め、紅茶を飲んだ。
こういう時は、話題を変えるのが良いだろう…

「エクレール様は、魔王の仕事をなさらなくても良いのですか?
三月も城を留守にするなんて…」

「先程、部屋を見ただろう、戻ろうと思えば直ぐにでも戻れる。
その時は、周囲に怪しまれぬ様に、おまえに誤魔化して貰うぞ、ソフィ」

成程、便利だ。

「お任せ下さい、魔王様」
「添い寝はどうだ?」
「致しません!」
「ふん、何もしてくれぬではないか」
「もし、わたしがその様な事を他の者に求められて、そうしても良いのですか?」
「私だけに決まっておろう、私の実を食べた瞬間から、おまえは私のものなのだからな」

堂々と言っているが、あれは《騙し討ち》だ、恥じるのが普通だろう。
エクレールはクリスティナを罠に掛けようとし、そして、クリスティナはわたしを騙した。
エクレールもクリスティナも…

「勝手だわ!」
「ああ、私は《魔王》だからな」

何処までも悪びれる事の無いエクレールに、毒気を抜かれたわたしは、
『やれやれ』と頭を振ったのだった。

「ならば、こうしてお茶の相手をしろ、食事もだ、独りではつまらん」

魔王様は寂しがり屋なのね!
わたしはこっそり笑い、スコーンに齧り付いた。


◇◇


翌日、レイモンとの待ち合わせ場所、いつかの寂れた噴水場へ行くと、既に彼は来ていた。
わたしを見て、甘い笑みを見せ、手を振った。

「ソフィ、来てくれてうれしいよ!さぁ、座って」

前の時とは違い、レイモンはさっとハンカチを取り出すと、縁に敷いてくれた。
こんな事をされるは初めてで、まるで令嬢にでもなった気がし、気恥ずかしかった。

「ありがとうございます、レイモン様」

わたしは緩んだ口元で礼を言うと、緊張しつつ、ハンカチの上に座らせて貰った。

「今日は豪華だよ!君に喜んで貰いたくてね…」と、レイモンがバスケットを開く。
中には豪華なサンドイッチ、砂糖菓子、果実、それにワインまで入っていた。

「凄いわ!こんなに!?」
「君の為に特別に用意させたのさ!さぁ、食べてよ!」

特別にだなんて、そんな必要は無いのに…
豪華な食事でなくてもいい、ただ、一緒に食事が出来ればそれで満足だ。
だが、折角用意してくれたのだ、言うのは憚られ、わたしは笑みを見せた。

「とっても美味しいです」
「良かった、今度、君を僕の館に連れて行きたいな、僕の館の料理長は凄腕だよ!」

思い出したが、レイモンは伯爵子息だった。
豪華で贅沢な食事が身に付いているのだろうと、わたしは合点がいった。
流石、伯爵子息だわ…
そういえば、エクレールも、伝統的な皿にサンドイッチを乗せていた。
それを思い出し、わたしは危うく吹いてしまう処だった。

「ん!!」
「どうしたの、ソフィ」
「いえ、なんでも!とっても美味しいですわ」

だが、その様なものかもしれない。
レイモンは伝統的な皿、わたしは平凡で貧相なサンドイッチという処だ。
途端に、自分は不釣り合いではないかと思えてきた。

「ソフィ、君は魔界に連れて行かれたんだよね?」
「はい」
「魔界はどんな処なの?」

レイモンがいつも通り気さくに聞いて来たので、わたしは答えるのが自然に思えた。

「実はあまり知らないんです、わたしは直ぐに城に連れて行かれたので…」
「城かぁ、魔王は城に住んでいるんだね!その城は、どんな風なの?この城と比べては?」

余程興味があるのか、レイモンは嬉々として聞いてきた。
だが、今の世の中、魔界や魔王などは、伝説か御伽噺の中でしか知らないのだから、
興味を惹かれるのも不思議ではない。寧ろ、漢らしい気がした。

レイモン様は冒険心があるのね…でも、衛兵だもの、当然かしら?

それで、なるべく教えてあげたかったのだが、残念ながら、話せる事はあまり無かった。

「それが、与えられた部屋の他には、食堂しか入った事が無いので…
大きさなどは分かりません」

城には魔法を掛けられていて、逃げようとしたら上層階へ行っていたなど、
恥を晒す様で嫌だし、十分な説明も出来そうになく、わたしは無難に答えた。
大きさも、見た目とは違うかもしれない。エクレールは《まやかし》の類が上手いのだ。

「君の部屋には何があったんだい?」
「普通の部屋と変わりありません、家具やベッド、必要な物が揃っていました」

ただ、もの凄く豪華で、広く、美しく…ドレスも沢山用意されていた。
特別に、わたしの…いや、《ソフィ》の為に。

それに、沢山の花…
わたしはそれを抱えて運んでいたエクレールの姿を思い出し、笑みが零れた。
レイモンは魔界の事に夢中で、幸いそれには気付かなかった様だ。

「それなら、食堂はどう?城なら、やはり、広いんだろう?客は君だけだったの?」
「はい、食堂は広く…わたしと魔王様だけでした」
「魔王はどんな物を食べているの?魔界の物?君も食べたのかい?」

わたしはそれを思い出し、笑顔が引き攣った。
これは、わたしの名誉の為にも、話せない事だ。

「魔界の料理は、わたしには良く分かりません。
魔王様はわたしに人間界の料理を用意して下さいました」
「魔界の料理がどんなものか気になるなー」

レイモンは料理に興味があるのだろうか?
しきりに気になっている様だ。
知らない方が良いと思うのだけど…
尤も、ただの好奇心で、実際は口に入れる気は無いのかもしれない。

「魔界に行ってみたいなー、ソフィ、魔界への行き方は知っているかい?」
「いいえ」
「だったら、どうやって、魔界に行ったんだい?そして、どうやって戻って来たの?」

生贄にされた時、誰もあの馬車を見なかったのだろうか?
わたしは細々とした経緯は話さず、本質だけを答えた。

「分かりません、気付けば向こうに居ましたので、魔法か何かだと思います」
「魔法か…それなら、もし、僕が行こうとしても、無理かな?」
「わたしたちには無理だと思います、何処にあるかも分かりませんし…」

そうだ、わたしがレイモンと結婚し、条件を果たせば、
もう、エクレールに会う事は出来ない…
少し寂しい気がした。
最初に会った時には恐ろしかったが、今では気軽な話し相手だ。
それは、エクレールのわたしへの好意があって成り立つものかもしれないが…
結婚した後、エクレールが会いに来てくれるなど、無い事だろう…


「ソフィ、今日は楽しかったよ、明日も誘っていいかな?君と一緒に過ごしたいんだ」

別れ際、レイモンが誘ってくれ、わたしは「はい、喜んで」と笑顔を返した。
レイモンは蕩ける様な瞳で、微笑むと、わたしの頬にキスをした。

「!!」

「それじゃ、ソフィ、また明日!」

レイモンが笑顔で去って行くのを、わたしはぼうっと見送った。

ああ!キスをされるなんて!
ちゃんとしたキスではなく、挨拶のキスだけど…
でも、これこそ、わたしが求めていたものだ!
まずは、礼儀正しく、軽いキスから始まるの、気持ちを確かめ合う様にね。
奪う様な野蛮なキスは駄目!
わたしはエクレールのキスを思い出し、頭を振った。
あれでは、300回結婚して、300回相手に逃げられるのも分かるというものだ。

ニヤニヤしながら歩いていると、突然、脇から人影が出て来て驚いた。
だが、もっと驚いたのは、その者から声を掛けられた事だ。

「ソフィ様でしょう?」

見知らぬ衛兵だ。
レイモンの友達だろうか?
わたしは怪しみながら、「はい」と返事をした。
すると、衛兵の顔が輝いた。

「前々から、あなたの事が気になっていたんです、話してみたくて、
今度一緒に食事に行きませんか?」

どういう事なの?
まるで、誘い文句だわ…
まさか、この人は、わたしを誘っている___??

目の前で起こっている事が信じられず、わたしは動転していた。

「その…申し訳ありませんが…」

無難な断り文句が浮かばず、焦りと困惑に追い詰められたわたしは、
「すみません!」と頭を下げ、走って逃げた。

なんと、無様な…自分でも頭を抱えたくなるが、仕方がないだろう、
こんな風に声を掛けられた事は初めてなのだから。
何故、急に…?
混乱するわたしの頭に、《それ》が浮かんだ。

エクレールが、男避けの呪いを外したと言っていた事を___

「!?その所為で!?」

本来のわたしは、男性にとって魅力の無い娘、という訳では無かったのだろうか?
ああ、そう思いたい!
勿論、レイモン以外の者に心を移したりはしない。
彼は男避けの呪いを乗り越え声を掛けてくれた、唯一の人だもの!
ただ、それとは別に、これまでの卑屈な自分から、抜け出せる気がした。

「おい、ソフィ様だ…」
「可愛いよなー」
「流石、王妃様の妹君だな」
「おい、声掛けてみようぜ」
「おまえ行けよ…」

視線を感じ、会話も聞こえて来る。
今まで注目された事の無いわたしは、酷く緊張し、気恥ずかしくなった。
自分がどんな表情をし、どんな風に歩いているのかさえ分からなくなる…

ああ!どんな顔をしたら良いのか、分からない!部屋に逃げ帰りたい!!

兎に角、早く部屋に戻ってしまおうと足を速めた。
エクレールの部屋の前まで来て、扉の脇に立つルイーズに気付いた。

ぞくり、嫌な予感がした。

中に入る前に、「失礼します」と声を掛けたわたしに、ルイーズは鼻を鳴らした。

「男たちから声を掛けられた?」

その言葉に、わたしは思わず足を止めていた。
振り返ると、ルイーズはツンと顎を上げ、空を見て、意地の悪そうな笑みを浮かべていた。

「あなた、魔王様の求婚を断ったそうじゃない?
魔王様の求婚を断ったあなたを落とせば、男を上げられるって、
城の男共は皆、躍起になっているそうよ、知らなかった?
尤も、魔王様から求婚されたなんて、私は信じていませんけどね!
クリスティナ様なら分かるけど、あなたじゃ、あり得ないわ!」

ルイーズが笑うのを無視し、わたしは扉を開けた。
そして、そこに、クリスティナの姿をみつけ、『やっぱり』と奥歯を噛んだのだった。

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