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39 陰
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◆◆
「アンドリュー様!先日の大会で、恐ろしい目に遭いました…」
「どうした、エリー、詳しく話してくれ」
エリーはアンドリューに、大会でアラベラが自分を目の敵にし、危険球をぶつけてきた事、
危うく怪我をする所だった事、警告を受けた後は自分を睨んでいた等々、好き勝手に訴え、
悲劇のヒロインを演じ、同情を誘った。
「何て、卑劣な女なんだ!王子の婚約者であろう者が…あの恥知らずめ!!」
アンドリューはエリーの話を信じ、激怒していた。
「他にも、アンドリュー様の御耳に入れて良いか、悩む事がございました…」
「何だ?」
「アラベラ様は最近、男子生徒を追い回しておいでで…
主には、パトリック、ブランドン、ジェローム様です。
随分、迷惑がられているのですが、アラベラ様自身は気付いておられないのです…」
「何だと!その様な不埒な真似をするとは…!」
「今日も、自らお菓子を焼き、持って来ておりました。
お菓子で男子生徒の気を惹きたいのですわ…
アンドリュー様という、素晴らしい婚約者がおられるというのに、その様な事をなさるなんて!
あたし、アンドリュー様がお可哀想で!」
エリーが「わっ」と泣き出した。
「俺の為に泣いてくれて、ありがとう、エリー。
あんな女、王の命でもなければ、直ぐに婚約破棄してやるのだが…
俺には力が無い…あんな女と結婚させられるなんて、俺は何て不幸な王子なんだ!」
「ああ、アンドリュー様!どうか、あたしにお慰めさせて下さい!」
「エリー!君は俺の天使だ!」
二人は、想い合っていながら、決して結ばれてはいけない、
悲劇のヒロイン、悲劇の王子を楽しんでいる様にも見え、わたしは頭を振った。
◆◆
「アラベラの焼いた菓子というものを食べてみたが、とても食えた物ではなかったぞ!」
「まぁ!アンドリュー様、あれを召し上がられたのですか?」
「ああ、余りに酷い出来だったから、窓から捨ててやった!
あれを食べさせられた男たちには同情する!」
「アラベラ様の作られた物等、危険ですわ」
◆◆
「ブランドン、あなたにもあるから、拗ねないで。
わたしとハンナ…クララのお姉さんが作ったのよ、有難く食べなさい」
アラベラがクッキージャーをブランドンに渡すと、彼は早速開けて食べ始めた。
「マジで!?おまえ、イイ奴だよなー!おお!めっちゃ凝ってんじゃん!
美味い!!何だよ、コレ!美味過ぎだろ!?」
「沢山焼いたの、エリーにもあげていいわよ」
「おー、エリーも食ってみろよ!美味いぜ!マジ、高級店のより美味いぜ!」
クッキージャーが向けられたが、エリーは「ごめんなさい、お腹いっぱいなの」と断った。
「フン!たかが、クッキーじゃないの!あんな物で男の気を惹くなんて…
ヒロインだって、そんな事してないっていうのに、悪役令嬢が!!
目障りなのよ!!」
エリーの目の端に、アラベラの姿が映る。
エリーは足早に近付き、階段に差し掛かった所で、その背を押した___
だが、今度のアラベラは、転がり落ちる事無く、魔法を使い、事なきを得た。
「チッ!!」
エリーは憎々しく舌打ちし、踵を返した。
◆◆
「《聖女の兆し》が出たそうよ!」
「《聖女》って、十代の女だよな?」
「生まれた時には分からないんだって」
「ああ、成長と共に、《聖女の光》とやらが、強く出るらしい」
「きっと、利用されない為だな」
「もしかすると、我が学園に《聖女》がいるかもしれないな」
「我が学園にいたらいいよなー」
聖女の兆しが出た事が、学園でも話題になっている。
エリーはそれを聞きながら、悦に入っていた。
「漸く、この時が来たのね、ここからよ!ここからが、ヒロインの物語よ!
ああ、アンドリュー様!」
エリーはアンドリューの姿を見つけ、駆け寄った。
「《聖女の兆し》の話は、聞かれましたか?」
「ああ、王宮もその事で大騒ぎだ!我が国に聖女が誕生するのだからな!
これまで、我が国に聖女が誕生した事は無かったが、これで我が国にも箔が付く!
めでたい事だ!」
「アンドリュー様にだけ、話しますが…」
「何だい?」
「実は、《聖女》は《あたし》なんです!」
「何だって!?エリー、それは本当か!?
ああ、そうなら良いと思っていたんだ!
だが、何故、分かるんだ?鑑定はまだだというのに…」
流石のアンドリューもすんなりとは信じなかった。
だが、エリーは「くすくす」と笑った。
「アンドリュー様、《聖女》は《予言》が出来ます。
あたしには、この先の運命が全て見えているの!」
「凄いぞ、エリー!」
「近々鑑定が行われますが、アンドリュー様は《聖女》を迎えに来なくてはいけません。
聖女を恭しく迎え、皆に王家の権威を示すのです!」
◆◆
「これより、大司教様をお迎えし、聖女鑑定を行います」
学園の女子生徒全員が、講堂に集められた。
女子生徒たちはそわそわとし、目を輝かせている。
エリーは小さく笑った。
「フン、自分が選ばれるとでも思っているのかしら?
皆、あたしの引き立て役なのに!」
大司教が机に着くと、鑑定が始められた。
名前を呼ばれ、一人ずつ、大司教の前に立つ。
大司教は水晶球を覗き、側に立つ供の者に何かを囁く。
すると、供の者が「お行下さい」と出口に促した。
「エリー・ハート」
エリーは、スッと立ち上がり、大司教の前に進み出た。
エリーの表情は、自信に満ちていた。
だが、水晶球を覗き込んだ大司教は、無反応だった。
「!!」
エリーの表情が険しくなる。
エリーは水晶球を見つめる…
その瞬間、水晶球の中から、白い光が浮かび上がった___
大司教は驚愕し、「おお!」と声を上げ、立ち上がった。
「このお方こそ、聖女様じゃ!」
講堂に、驚きの声が轟いた。
エリーは安堵したが、表情はやや険しかった。
それでも、アンドリューが入って来て、彼女の前に跪くと、可愛らしい表情を見せた。
王宮へ向かう馬車に促され、独りになると、エリーは零した。
「変だわ…あたしが《聖女》なのに、どうして水晶球は反応しなかったの?
全く!あの老いぼれ!本当に大司教なの?
あたしが魔法を使わなかったら、どうなっていたか知れないわ…」
水晶球は反応しなかった?あの光は、エリーの魔力だったの?
大司教は、《聖女鑑定》が出来ないの?
それとも、エリーは《聖女》ではないの?
まさか!
エリーが《聖女》でなければ、この世界は、何だというの?
【白竜と予言の乙女】のゲームとは違うの?
それとも、これは、裏ルート?
分からない…
◆◆
「王様、こちらが我が国の《聖女》、エリー・ハートにございます」
謁見の間にて、エリーは大司教より王に紹介された。
エリーは慎ましく優雅にカーテシーをした。
「おお!この娘が《聖女》か!成程、実に神々しい!」
王に疑う気配は無く、喜び、エリーを迎えた。
「魔法学園の生徒と聞くが、当面は《聖女》の方を優先して貰いたい。
我が国に《聖女》が誕生したのは初めての事でな、皆が待ちわびておる。
披露目もせねばならぬし、忙しいぞ」
「王様、エリーは学年首席です、その経歴も必要ではありませんか?」
アンドリューが口添えし、「ならば、試験だけ受ければ良い」という事になった。
エリーは大神殿と王宮に部屋を貰い、行き来する生活となった。
アンドリューは毎日の様に、学校が終わるとエリーに会いに王宮や神殿を訪ねた。
「エリー、俺は君を愛している、俺と結婚してくれるか?」
アンドリューのプロポーズに、エリーは驚いて見せた。
「あたしをアンドリュー様の妃にして頂けるのですか!?
ですが、あなたには、アラベラ様が…」
「アラベラなど、放っておけ!あんな女、いつでも捨ててやる!」
「それはいけませんわ、アンドリュー様、あの方に非があると、皆に知らせなければ、
あなたに傷が付きますもの…
あの方がどういう者か、王にも話された方がよろしいですわ。
きっと、納得して下さるでしょう___」
「確かにそうだ、アラベラに非があるというのに、俺が悪者になる理由も無い!
待っていてくれ、エリー、必ず王を説得してみせよう!」
アンドリューはアラベラの罪状を大袈裟に語った。
王はそれを鵜呑みにし、簡単に婚約破棄を決めたのだった。
だが、それには、王の思惑もあった___
「それでは、おまえは《聖女》エリーと結婚したいというのだな?」
「はい、エリーも強く望んでおります」
「王子妃が《聖女》というのは、願っても無い事だな…
よし、ドレイパー公爵令嬢との婚約は取り止めだ!
おまえにも《聖女》にも、傷はつかぬ様にしてやろう。
何、それだけ罪状があれば十分だ」
アンドリューは思い通りに事が運び、喜んでエリーに伝えた。
「エリー!アラベラとの婚約破棄が決まったぞ!」
「まぁ!うれしいわ!それでは、学園パーティの時に発表致しましょう」
「学園パーティでか?随分妙な事を考え付くんだな」
「妙ではありませんわ、学園パーティには、学園生のほとんどが集まるでしょう?
その場で、アンドリュー様の正義を訴えるのです!」
「成程、よし、分かった、そうしよう!」
「アンドリュー様!先日の大会で、恐ろしい目に遭いました…」
「どうした、エリー、詳しく話してくれ」
エリーはアンドリューに、大会でアラベラが自分を目の敵にし、危険球をぶつけてきた事、
危うく怪我をする所だった事、警告を受けた後は自分を睨んでいた等々、好き勝手に訴え、
悲劇のヒロインを演じ、同情を誘った。
「何て、卑劣な女なんだ!王子の婚約者であろう者が…あの恥知らずめ!!」
アンドリューはエリーの話を信じ、激怒していた。
「他にも、アンドリュー様の御耳に入れて良いか、悩む事がございました…」
「何だ?」
「アラベラ様は最近、男子生徒を追い回しておいでで…
主には、パトリック、ブランドン、ジェローム様です。
随分、迷惑がられているのですが、アラベラ様自身は気付いておられないのです…」
「何だと!その様な不埒な真似をするとは…!」
「今日も、自らお菓子を焼き、持って来ておりました。
お菓子で男子生徒の気を惹きたいのですわ…
アンドリュー様という、素晴らしい婚約者がおられるというのに、その様な事をなさるなんて!
あたし、アンドリュー様がお可哀想で!」
エリーが「わっ」と泣き出した。
「俺の為に泣いてくれて、ありがとう、エリー。
あんな女、王の命でもなければ、直ぐに婚約破棄してやるのだが…
俺には力が無い…あんな女と結婚させられるなんて、俺は何て不幸な王子なんだ!」
「ああ、アンドリュー様!どうか、あたしにお慰めさせて下さい!」
「エリー!君は俺の天使だ!」
二人は、想い合っていながら、決して結ばれてはいけない、
悲劇のヒロイン、悲劇の王子を楽しんでいる様にも見え、わたしは頭を振った。
◆◆
「アラベラの焼いた菓子というものを食べてみたが、とても食えた物ではなかったぞ!」
「まぁ!アンドリュー様、あれを召し上がられたのですか?」
「ああ、余りに酷い出来だったから、窓から捨ててやった!
あれを食べさせられた男たちには同情する!」
「アラベラ様の作られた物等、危険ですわ」
◆◆
「ブランドン、あなたにもあるから、拗ねないで。
わたしとハンナ…クララのお姉さんが作ったのよ、有難く食べなさい」
アラベラがクッキージャーをブランドンに渡すと、彼は早速開けて食べ始めた。
「マジで!?おまえ、イイ奴だよなー!おお!めっちゃ凝ってんじゃん!
美味い!!何だよ、コレ!美味過ぎだろ!?」
「沢山焼いたの、エリーにもあげていいわよ」
「おー、エリーも食ってみろよ!美味いぜ!マジ、高級店のより美味いぜ!」
クッキージャーが向けられたが、エリーは「ごめんなさい、お腹いっぱいなの」と断った。
「フン!たかが、クッキーじゃないの!あんな物で男の気を惹くなんて…
ヒロインだって、そんな事してないっていうのに、悪役令嬢が!!
目障りなのよ!!」
エリーの目の端に、アラベラの姿が映る。
エリーは足早に近付き、階段に差し掛かった所で、その背を押した___
だが、今度のアラベラは、転がり落ちる事無く、魔法を使い、事なきを得た。
「チッ!!」
エリーは憎々しく舌打ちし、踵を返した。
◆◆
「《聖女の兆し》が出たそうよ!」
「《聖女》って、十代の女だよな?」
「生まれた時には分からないんだって」
「ああ、成長と共に、《聖女の光》とやらが、強く出るらしい」
「きっと、利用されない為だな」
「もしかすると、我が学園に《聖女》がいるかもしれないな」
「我が学園にいたらいいよなー」
聖女の兆しが出た事が、学園でも話題になっている。
エリーはそれを聞きながら、悦に入っていた。
「漸く、この時が来たのね、ここからよ!ここからが、ヒロインの物語よ!
ああ、アンドリュー様!」
エリーはアンドリューの姿を見つけ、駆け寄った。
「《聖女の兆し》の話は、聞かれましたか?」
「ああ、王宮もその事で大騒ぎだ!我が国に聖女が誕生するのだからな!
これまで、我が国に聖女が誕生した事は無かったが、これで我が国にも箔が付く!
めでたい事だ!」
「アンドリュー様にだけ、話しますが…」
「何だい?」
「実は、《聖女》は《あたし》なんです!」
「何だって!?エリー、それは本当か!?
ああ、そうなら良いと思っていたんだ!
だが、何故、分かるんだ?鑑定はまだだというのに…」
流石のアンドリューもすんなりとは信じなかった。
だが、エリーは「くすくす」と笑った。
「アンドリュー様、《聖女》は《予言》が出来ます。
あたしには、この先の運命が全て見えているの!」
「凄いぞ、エリー!」
「近々鑑定が行われますが、アンドリュー様は《聖女》を迎えに来なくてはいけません。
聖女を恭しく迎え、皆に王家の権威を示すのです!」
◆◆
「これより、大司教様をお迎えし、聖女鑑定を行います」
学園の女子生徒全員が、講堂に集められた。
女子生徒たちはそわそわとし、目を輝かせている。
エリーは小さく笑った。
「フン、自分が選ばれるとでも思っているのかしら?
皆、あたしの引き立て役なのに!」
大司教が机に着くと、鑑定が始められた。
名前を呼ばれ、一人ずつ、大司教の前に立つ。
大司教は水晶球を覗き、側に立つ供の者に何かを囁く。
すると、供の者が「お行下さい」と出口に促した。
「エリー・ハート」
エリーは、スッと立ち上がり、大司教の前に進み出た。
エリーの表情は、自信に満ちていた。
だが、水晶球を覗き込んだ大司教は、無反応だった。
「!!」
エリーの表情が険しくなる。
エリーは水晶球を見つめる…
その瞬間、水晶球の中から、白い光が浮かび上がった___
大司教は驚愕し、「おお!」と声を上げ、立ち上がった。
「このお方こそ、聖女様じゃ!」
講堂に、驚きの声が轟いた。
エリーは安堵したが、表情はやや険しかった。
それでも、アンドリューが入って来て、彼女の前に跪くと、可愛らしい表情を見せた。
王宮へ向かう馬車に促され、独りになると、エリーは零した。
「変だわ…あたしが《聖女》なのに、どうして水晶球は反応しなかったの?
全く!あの老いぼれ!本当に大司教なの?
あたしが魔法を使わなかったら、どうなっていたか知れないわ…」
水晶球は反応しなかった?あの光は、エリーの魔力だったの?
大司教は、《聖女鑑定》が出来ないの?
それとも、エリーは《聖女》ではないの?
まさか!
エリーが《聖女》でなければ、この世界は、何だというの?
【白竜と予言の乙女】のゲームとは違うの?
それとも、これは、裏ルート?
分からない…
◆◆
「王様、こちらが我が国の《聖女》、エリー・ハートにございます」
謁見の間にて、エリーは大司教より王に紹介された。
エリーは慎ましく優雅にカーテシーをした。
「おお!この娘が《聖女》か!成程、実に神々しい!」
王に疑う気配は無く、喜び、エリーを迎えた。
「魔法学園の生徒と聞くが、当面は《聖女》の方を優先して貰いたい。
我が国に《聖女》が誕生したのは初めての事でな、皆が待ちわびておる。
披露目もせねばならぬし、忙しいぞ」
「王様、エリーは学年首席です、その経歴も必要ではありませんか?」
アンドリューが口添えし、「ならば、試験だけ受ければ良い」という事になった。
エリーは大神殿と王宮に部屋を貰い、行き来する生活となった。
アンドリューは毎日の様に、学校が終わるとエリーに会いに王宮や神殿を訪ねた。
「エリー、俺は君を愛している、俺と結婚してくれるか?」
アンドリューのプロポーズに、エリーは驚いて見せた。
「あたしをアンドリュー様の妃にして頂けるのですか!?
ですが、あなたには、アラベラ様が…」
「アラベラなど、放っておけ!あんな女、いつでも捨ててやる!」
「それはいけませんわ、アンドリュー様、あの方に非があると、皆に知らせなければ、
あなたに傷が付きますもの…
あの方がどういう者か、王にも話された方がよろしいですわ。
きっと、納得して下さるでしょう___」
「確かにそうだ、アラベラに非があるというのに、俺が悪者になる理由も無い!
待っていてくれ、エリー、必ず王を説得してみせよう!」
アンドリューはアラベラの罪状を大袈裟に語った。
王はそれを鵜呑みにし、簡単に婚約破棄を決めたのだった。
だが、それには、王の思惑もあった___
「それでは、おまえは《聖女》エリーと結婚したいというのだな?」
「はい、エリーも強く望んでおります」
「王子妃が《聖女》というのは、願っても無い事だな…
よし、ドレイパー公爵令嬢との婚約は取り止めだ!
おまえにも《聖女》にも、傷はつかぬ様にしてやろう。
何、それだけ罪状があれば十分だ」
アンドリューは思い通りに事が運び、喜んでエリーに伝えた。
「エリー!アラベラとの婚約破棄が決まったぞ!」
「まぁ!うれしいわ!それでは、学園パーティの時に発表致しましょう」
「学園パーティでか?随分妙な事を考え付くんだな」
「妙ではありませんわ、学園パーティには、学園生のほとんどが集まるでしょう?
その場で、アンドリュー様の正義を訴えるのです!」
「成程、よし、分かった、そうしよう!」
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