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◇◇ リアム ◇◇

「父さん、何故、彼女がここに居るんですか!」

オベールが自分の結婚相手を探している事に対しても不満だったが、
館にまで呼んでいるとは、リアムは夢にも思っていなかった。

大きな机に着き、本を読んでいたオベールは顔を上げた。

「久しぶりに顔を見せたかと思ったら、何だ、挨拶も出来なくなったのか?」

『アドリーヌと付き合う様になって堕落した』とでも言いたそうなオベールに、
リアムは拳を握り、挨拶をした。

「ただいま帰りました、父上」

「よろしい、それで、おまえの言う《彼女》というのは、シュゼットの事か?
何だ、おまえたち知っていたのか」

「白々しい事を、どうせ、御調べになったのでしょう?」

リアムは苦々しく顔を顰めた。

「そうでもない、シュゼットの事を知ったのはつい最近だ。
中々良い娘でな、気に入っている」

オベールが選んだ女性はシュゼットという事か___
リアムは内心で嘆息した。

シュゼットが悪い娘で無い事は、リアムにも分かっていた。
古風で慎ましい所は、正にオベールの好のみだろう。

だが、彼女はリアムが気に入っているフィリップの妹だ。
こんな事に巻き込みたくなかった…
これでは、フィリップとの関係まで悪くなってしまう。
巻き込んだオベールに対し、リアムは理不尽だが怒りを覚えた。

「兎に角、勝手に、この館に女性を入れるのは止めて下さい、
何日か居るらしいじゃないですか?」

「私の館だ、私の好きにするさ。それにおまえは碌に居ないじゃないか、
放蕩息子に意見する権利があると思っているのか?」

オベールは一枚上手で、痛い所を突いてくる。
リアムは口を結んだ。
アドリーヌへの援助を頼もうとして来たというのに、喧嘩になるのは不味い。

「それに、ここにシュゼットが居るのには理由があるのだ。
私とベアトリスの結婚記念日が近い事は、おまえも覚えているだろう?」

「はい」

「シュゼットに、私たち夫婦の肖像画を頼んでいる」

「は??」

これには、リアムも怒りを忘れ、ぽかんとしていた。
令嬢に肖像画を頼むなど…リアムには酔狂に思えた。
令嬢教育の一環で絵を習ったとしても、大した腕では無いだろうと思ったからだ。
何故そういう話になったのか…
だが、口出しはしまい…と、リアムは自分に言い聞かせ、飲み込んだ。
恥になる絵ならば、他人には見せ無いだろう。
もしかしたら、そういう理由を付け、館に住まわせているだけかもしれない。

「結婚記念のパーティには、おまえも出席しろ、なに、簡単な食事会だ。
おまえからの贈り物は期待しとらんから、安心しろ」

オベールに言われ、リアムは失念していた事に気付かされた。
毎年、領地の花屋から花束を届けて貰い、贈っていたが、今年はそれ処では無かったのだ。
リアムは明日にでも花屋に行く事を決めた。
毎年ではあるが、注文はしておくべきだろう…

「何か欲しい物があれば、言って下さい」
「そうだな…おまえには、肖像画の額でも用意して貰うか」
「構いませんよ、持って来させましょう、サイズは?」

リアムが聞くと、オベールが嫌そうな顔をし、大仰に嘆息した。

「おまえというやつは…絵も見ずに、額を用意する気なのか?色や装飾はどうする?
額というのは、絵との調和が大事なんだぞ?」

「店の者に任せますよ、あちらの方が詳しいですからね」

「俺は常々、おまえのそういう無機質な面を懸念しているんだ。
少しは美術品を見る目を養ったらどうだ?」

「こういう環境に育てば、そうなりますよ。
額ではなく主体は絵でしょう、額は何でも良いではないですか」

何を今更…と、リアムは嘆息する。
だが、オベールは頭を振った。

「俺は美術品を愛でる目は持っているぞ、おまえが学ばなかっただけだ。
館にある美術品は、『代々受け継がれている古い物』というだけじゃない、
芸術的価値のあるものだ。
倹約は良いが、あまりに貧乏臭いのはいかんぞ、心がさもしくなる。
額はシュゼットに意見を聞き、教えて貰うといい」

自分の首を絞めてしまった、リアムは渋々「はい」と答えた。
何故、自分が、令嬢の描いたお遊びの絵の額を買わされるのか…
しかも、彼女に教えて貰えと言われるとは…
流石のリアムにも、これは屈辱的に思えた。

「父さん、僕からもお願いがあるのですが…」

先延ばしにする程良く無い気がし、リアムはそれを話した。


「…という事で、この国で生きていく事は難しく、
アドリーヌは母親と一緒に異国へ行き、生活する事を望んでいます。
ですが、それには纏まった資金が必要という事で、
父さんから援助をしてあげて欲しいのです」

話は聞いてくれたが、オベールの顔は上機嫌とは程遠かった。

「私は、『アドリーヌにはもう会うな』と言った筈だな、リアム?」

「はい、ですが、僕はアドリーヌを愛しています。
この様な時に、心配にならないという方がおかしいでしょう?
アドリーヌの父親は命を持って償った、財産は没収され、爵位も剥奪された。
この上、まだ家族を苦しめたいのですか?」

「確かに、心を入れ替え、真面目に暮らそうとしている者に、石を投げるのはいかん。
悪の道に引き戻すだけだからな___」

「父さん!アドリーヌは悪人ではありません!」

リアムは声を荒げたが、
オベールは目を眇め、親指で顎を擦った。

「アドリーヌは、田舎暮らしに飽き飽きしているのではないのか?
おまえ、何度か金の無心をされているだろう?」

「父さんは彼女を誤解しています!態と悪く言うのは止めて下さい。
ただ、環境に慣れず、苦労している様です。
金が必要なのは当然でしょう、財産は没収されたのだし、生活するには必要です」

「おまえは払ってやったのか?」

「僕に大した資金がないのは、父さんもご存じでしょう?」

「おまえが払っていないのであれば、まだ余裕はあるのだな」

リアムは口を噤んだ。
確かに、極限状態に見えたならば、持っている金は出しただろうし、
何とかして資金を集めただろう。

「分かった、アドリーヌに援助をしてやっても良い」

オベールは言ったが、勿論、続きがあった。

「但し、条件がある。
援助してやるのは一度きりだ、逃亡資金と暫くの生活費___」

オベールが提示した金額は、リアムが考えていたよりも多く、驚いた。

「これを最後に、おまえは、アドリーヌやあの家の者たちとは、きっぱりと縁を切れ」

やはり…と、リアムは内心で呟いた。
だが、これで終わりでは無かった。

「それから、これが重要だ。
リアム、おまえは、ルメール伯爵令嬢、シュゼットと結婚するんだ」

リアムは一瞬固まった。
その言葉を頭の中で繰り返し、理解した後、頭を振った。

「お断りします、僕はアドリーヌを愛しているんですよ!?
彼女がどうという問題ではなく、僕は誰とも結婚する気はありません!」

「断るのは勝手だが、それではどうする気だ?援助はしてやらんぞ?
おまえ自身で、アドリーヌを助けてやるか?
アドリーヌと手に手を取り、異国へ逃亡するのもいいだろう。
おまえの事だ、やっていけん事も無いだろう、尤も、労働者階級でだがな」

リアムは貴族社会を嫌っていたが、この生活と仕事には満足していた。
それを全て捨て、労働者となるには、覚悟がいる。
自分が目指していた仕事は出来無いだろう。
愛する者との生活を取るか、仕事を取るか…

「言っておくが、そうなれば、おまえとは縁を切る。
爵位は、エリザベスの息子にでもくれてやるさ。
幸い、私は剛健だからな、もう二十年は伯爵でいるつもりだ」

「分かっています、そうなれば、家を頼ったりはしません」

「時間はやる、ゆっくり考えろ」

リアムは無言で頭を下げ、図書室を出た。

『アドリーヌと異国へ行く』と何故言えないのか…
リアムは不甲斐無い自分を呪った。
アドリーヌに対しても、仕事に対しても、リアムは未練があった。
こんな自分を知れば、アドリーヌは情けないと失望するだろう。

リアムは嘆息し、窓の外を見た。
まだ、外は暗く、雨が降っていた。





晩餐には、シュゼットの姿もあった。
慣れている様子から、毎日呼ばれているのだと分かった。

フォーレ家の晩餐は、客を招いていない時には、特有の料理が出される。
毎日、近くの者が、菜園で取れた野菜を届けてくれ、それを主として料理が
作られるのだが、それは昔から《シンプルな料理》と決まっていた。
野菜の味を引き出す料理法で、野菜自体の味を楽しむものだ。
収穫に感謝を示す為らしい。
当然だが、収穫が少ない時期には、更にシンプルになる。

フォーレ家の者は、昔からの慣わしなので、普通だったが、
この事を知ると、周囲は決まって
「気の毒に」「可哀想に」「悪い習慣だ」と同情を見せた。

アドリーヌと婚約してからは、彼女が館を訪れた時も、この料理が出される様になった。
フォーレ家の者になるなら、理解しろ、受け入れろという事だろう。
アドリーヌは最初こそ「質素倹約は良い心掛けですわ」と褒めていたが、
次第に晩餐は断る様になった。

『あなたに悪くて言え無かったのだけど、慣れない料理で、具合が悪くなってしまって…
あの料理だけは食べられないわ、ごめんなさい…
大丈夫よ、結婚したら、私だけ違う物を用意して貰うから』

具合が悪くなるなら仕方が無いとリアムは理解を示した。
それとなく、オベールとベアトリスに言っておいたが、
二人共、その事で何かを言ったりはしなかった。
理解してくれたのだろうと思っていたが、
その後、アドリーヌが晩餐に出ても、やはり料理は変らなかった。
リアムは、少し意地悪ではないかと思っていた。

だが、目の前のシュゼットはというと、豪華な料理を食べる時の様に、
美しい所作で食べ進めている。

「シュゼット、どうだ、今日の料理は」とオベールが話し掛けると、
シュゼットはフォークを下ろし、手で口元を押さえ、咀嚼し終わってから、
にこやかに答えた。

「はい、大変に美味しいです、毎日見事な野菜で驚きます」

オベールが選ぶだけはあり、古風で上品だ。
それに、どうやら、晩餐の料理の意図も分かっているらしい。
オベールが話したのだろうか?
だが、オベールは自分から話したりはしない筈だ。
シュゼットを気に入り、入れ知恵をしたのだろうか?
リアムは胡乱にオベールを見た。

「肉が欲しいなら用意させよう」
「いえ、こちらで十分です、そんなに沢山は食べられません」

アドリーヌであれば、喜んで頼んだだろう。
シュゼットは食に関心が無いのではないか?
だから、痩せているのだろう…

「シュゼット、まだ紹介していなかったな、息子のリアムだ。
リアム、こちらは、私の客人のルメール伯爵令嬢、シュゼットだ」

オベールが白々しく紹介をするのが癇に障り、リアムは無視した。

「先程は、お見苦しい所をお見せしました…」

シュゼットが、消えそうな小さな声で言う。
先程まで、オベールとは普通に話していたというのに…
自分を怖がっているのだろうか?
そういえば、出会った時から、こんな調子だった…と、リアムは思い出す。
だが、これは好都合だ。
怖がって貰えれば、結婚など、彼女の方が断るだろう___
リアムは良い事を思い付いたと、冷鉄の仮面を被った。

「雨に遭ったらしいな、大丈夫か?何かあれば直ぐにメイドを呼べ」
「はい、ありがとうございます、暖炉を点けて頂いて、お風呂も頂きましたので、
すっかり温まり、気分も良くなりました、お気遣い感謝します」
「それは良かった、この時期は急に天候が変わる、気を付けなさい」
「はい、シュシュが知らせに来てくれたんです、助かりました」
「賢い犬だろう、それに、シュシュはおまえを気に入っている」
「わたしもです!でも、シュシュまで濡れてしまって…大丈夫でしたか?」
「ああ、あれは泳ぎも得意だからな、雨に濡れた位ではびくともせんさ」

オベールが、やけに熱心に、彼女に話し掛けている。
リアムには、それも癪に障った。

アドリーヌに対して、あれ程、気さくに話していただろうか?

オベールは、本来気さくで話し上手だ。
対して、アドリーヌも話上手で、いつも会話の中心だった。
それで、二人は馬が合わなかったのだろうと、リアムは結論付けた。

二人がこれ見よがしに楽しそうに話すのには苛立ったが、
それでも、リアムは感心せずにいられなかった。

確かに、良い娘だ…

上品で礼儀正しい、それに、メイドに対しても感謝の気持ちを持っている。
それには驚いた。貴族らしくない___いや、《自分の知る貴族》という意味だ。
だが、それで、館のメイドたちは、あれ程彼女に対し、懸命だったのか…

メイドは客に対しては普段よりも無機質に接するものだ。
アドリーヌに対しては、特にそうだった。
だが、シュゼットに対しては、まるで、妹エリザベスに対しての様な接し方に見えた。

それに…シュシュが、家族でもない彼女に雨を知らせに行った、だって?

シュシュは人懐っこいが、賢い犬だ。
嫌いな者や、意地の悪い者には触れさせない。
命じられた訳でもなく行動したのなら、シュゼットはシュシュの《お気に入り》という訳だ。
リアムは愛犬にまで裏切られた気持ちになった。
アドリーヌは「大きな犬は怖いわ」と、顔を顰め、寄せ付けなかった。

「夏には川でリアムと泳ぐ事もある、リアムの良い遊び相手だ」

オベールがリアムに話を振ったが、リアムは無視した。
言い知れぬ敗北感で、とてもそんな気分では無かったのだ。

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